気仙沼市の大島で計画が進んでいる亀山モノレール整備事業。震災で失った亀山リフトの代替施設として、中腹駐車場と山頂を結ぶ移動手段ですが、土木工事の遅れによって市の財政負担が増えるとともに、2025年度早期を目指していた開業時期も2026年度にずれ込むことが分かりました。
亀山モノレールについては、2021年11月のブログで経緯、2023年7月のブログで最新情報をまとめていますので、詳しくはそちらを確認してください。
■土木工事難航。保安林解除の遅れなどが要因
工事の遅れは1月14日の市議会議員全体説明会で示されました(説明資料はこちら)。内容は①土木工事(その1)の遅れによって市の財政負担が増えた②土木工事の内容変更によって市の財政負担が増えた③開業時期が遅れることになったーの3点と悪いニュースばかりですが、新しい施設のイメージ図も示されました。
レールの基礎などを主体とした土木工事が遅れた要因は、保安林の解除申請が遅れたことで7月に予定していた本格的な工事着手が10月となり、さらに現場で想定以上の岩が出現したことで追加のボーリング調査が必要となったことなどです。
■国へ交付金返還。市の財政負担は2.1億円増
この工事は約6億円の費用のうち半分は国の交付金を充てていますが、すでに事故繰り越ししているため、年度内に終わらないと返還しなければなりません。年度内には72.6%の出来高が見込まれるため、未完了分の1.66億円のうち0.83億円の交付金が減額される見通しです。
残りの工事は土木工事(その2)に移行し、さらに斜面の強化などに追加工事が必要となったことから、総事業費が1億円増えて17.9億円(プラスして山頂魅力向上事業として3.6億円)となります。交付金減額と追加工事により、3.4億円だった実質的な市の財政負担は5.3億円に増えます。
工事は、別会社に発注した車両やレールの製作と合わせて2025年度内に完了する見通しですが、試験運転などを加えると開業は2026年度にずれ込む見通しとなりました。もともとの開業時期は2024年度でしたが、2025年度にずれ込み、さらに遅れることになります。総事業費も当初は9.9億円という計画でしたので、大幅に膨らみました。
なお、運営候補者である気仙沼産業センターとは料金等を話し合っているそうですか、その内容はまだ説明されていません。
■山頂魅力化のイメージ図も
工事は遅れていますが、亀山山頂の魅力化は着実に進められています。モノレールは移動手段であり、山頂にカフェスタンド、ソファテラス、遊歩道、フォトスポットを整備する計画があり、そのイメージ図が示されました。