令和6年度決算から分かったこと【9月議会報告㊥】

気仙沼市議会9月定例会の報告第2弾です。今回は令和6年度決算審査(一般会計歳出で489億円)から分かったことをまとめました。とはいえ、特別委員会の委員長でしたので、副委員長と交代して1点しか質問できませんでした。

詳しくは、令和6年度の主な施策と成果はをまとめた議会用の資料(主要な施策の成果説明書)が市議会HPで公開されています。


令和6年度決算審査で分かったこと                                   

■職員の時間外は偏在解消が課題

・職員1638人(会計年度任用職員含む)の時間外・休日勤務時間は計23万9679時間で前年度より5196時間減少した

・全体の8割が3割の職員に偏在している状態

・時間外については事前の命令と事後の報告を徹底しているが、過労のリスクが高まる月80時間以上は37人が58回あった。祭りや選挙など土・日曜日に業務が入ってしまうほか、締め切りのある業務があることが要因。できるだけ計画的な仕事を促していく

・ストレスチェック(1433人が受検)では19.2%が高ストレスと判定された。長時間勤務が一因である

・30日以上の病休・休職者67人のうち38人がメンタルを理由としていた。他市と比べても高い状態にある

 

■バス路線の再編方針は年度内に

・生活路線維持に向けた市民バスの運行は13路線28系統(ミヤコーバス委託・乗合タクシー・市内循環バス委託)で2億235万円かけ、利用者は14万9174人だった。このほか、ミヤコーバスの自主運行路線は2路線5系統に1508万円補助した

・路線バス等の委託は10月が切り替えとなる

・今年度にバス路線の見直し方針をまとめるため、自治会長とバス利用状況を共有し、市民に方向性を示したい

・市内循環バスを学校再編で旧条南中の生徒が利用できるように定期券補助制度を用意したが、上半期は2人利用、下半期の利用者はいない

 

■入札の一者特命と談合再発防止にも言及も

・監査委員の審査意見書において、工事や業務委託等の発注で1社特命が多いこと、工事や業務で相当な増額割合の金額変更や追加工事を何度も行っているものがあることについて注意が求められた

・同じく7月に発覚した官製談合事件を受け、業者側の積算精度が上がり、算出価格が多社と同額になることは珍しくなく、3社が同額で入札してくじ引きで決めた例あることから、入札の結果だけでは不正を判断できない現状であることから、事件の全容解明と再発防止策の検討を求めた

※特命随意契約についてはガイドラインや理由を公表し、公平公正に努めている自治体もあり、再発防止策の検討と合わせて研究するよう質疑の中で求めた

監査委員の決算審査意見書も議会HP公開されています。

 

■公営住宅の高齢化率は48.2%

・災害公営住宅(一般入居含む令和7年7月末現在)の高齢化率は48.2%(1556/3231人)。入居している1910戸のうち高齢者のみの世帯は990戸、単身高齢者は742戸。防災集団移転の高齢化率は把握できていない

・LSAは令和7年度で財源が終了するため、体制は約半分以下に抑える予定

・住宅公社が入居者の安否確認に同行したケースは平成26年から現在まで76件あった。亡くなっていたケースも無事が確認されたケースもあった

 

■市民農園増設へ適地探す

・市民農園は階上に整備した30区画のうち現在は29区画を利用

・増設のための市民アンケートでは31件の回答があり、利用希望も多かったため、適地を探している

 

■企業誘致の成果は

・NTTグリーン&フードが約25億円を投じて来春の稼働を目指している小泉の陸上養殖施設(ギンザケ稚魚とトラウトサーモン成魚を養殖)は、地下水汲み上げ施設を完成させて引き込み工事中。土地契約も進んでいるが、建物は資材高騰等によるコスト削減の検討に時間がかかっており、工事着手は計画より遅れている

・片浜の区画整理用地は引き続き誘致交渉を進めている。菅原市長は「復興事業として整備して地権者を待たせているため、早めに決めたい」「課題があれば産業パッケージや震災復興基金を適切な範囲で充てていきたい」と答弁した

・旧小原木中学校を活用したサテライトオフィスは、地元から6人、Uターン者7人、Iターン者6人の雇用につながった

・企業誘致のための企業訪問は81社で、経理代行とデータ入力等を行う2社の誘致に成功した。帝国データバンクに委託して誘致活動先となる企業一覧(2000件)も制作した

 

■不登校が減少

・令和7年3月時点の不登校は小学生55人(前年比11人減)、中学生78人(同32人減)

・教育サポートセンターに小学生15人、中学生19人がつながっている

・減少の要因はハッキリしないが、各校の取り組みとサポーターの配置、教員が常駐する学びの支援教室(市内2校)などの成果が考えられる

・5時間授業(週2.5日)による成果については、余裕ができた時間の使い方について統一はしていないため、令和7年度からデータ蓄積を含めて考えたい

 

■水道の再値上げは避けられず

・水道管の漏水場所を優先して工事するため、人口衛星からの電磁波を利用して漏水場所を特定するシステムで268か所(100mメッシュ)を抽出し、漏水調査で66か所を発見して効率的に対応できた。有収率が上がらないのは老朽化に更新が追い付いていないため

・値上げ分が電気代などのコスト増加に追い付かずに赤字状態になっている。値上げ時の想定では令和6年度で1億円の黒字のはずが、2600万円の赤字となった

・料金の値上げは避けられないが、いつからか、段階的か、料金体系(産業系と家庭の負担割合など)をどうするか、5年ごとに見直すのかを整理する必要がある

・新しい経営戦略を策定中であり、まずは議会に示すことにする。次に審議会、水産加工関係者へも示していく方針

1㎥当たりの給水原価・収益の推移
年度(令和) 2年度 3年度 4年度 5年度 6年度
給水原価 234.49円 234.84円 249.31円 270.70円 279.76円
給水収益 213.62円 225.39円 240.80円 266.26円 267.76円
差引 -20.87円 -9.45円 -8.51円 -4.44円 -12.00円

※3年11月に平均11.11%、5年4月に平均11.04%の値上げを段階的に実施

 

■ガスの民営化へ料金見直し

・ガス料金は原料調達価格によって変動する仕組みだが、製造コストの増加等によって経営が厳しいため、需要拡大と料金改定を実施する。決算の結果を見て、上げ幅を検討する

・「民営化に密接に絡む」「(譲渡した)民間が自由に値上げすることでは市民の理解が難しい」「相手もあるのでタイミングも逃せない」「1割の利用者のために9割の市民が負担することがないように健全化させたい。できるだけ早く民間譲渡の話を出したい」と菅原市長

※値上げは仕方ないにしても低所得者向けの救済策の検討を求めた

 

■市立病院の分娩数が減少

・付属看護学校の令和7年度入学者は24人

・令和6年度から古町宿舎を学生に貸与している

・市立病院の令和6年度の分娩は193件(令和5年度は250件、令和4年度は264件)

 

■その他

・市公式LINE(昨年度末の登録者1万6612人)による情報発信は、情報量が多いという意見もあり、防災に特化したLINEが必要かも検討する

・松岩、新月、大島で未設置になっている「まちづくり協議会」は地区によって形態が異なり、新しい組織を作らずに、まちづくりについて話し合う団体であれば自治連でも代わりになれる

・松くい虫の被害木は1846万円かけて1148本(大島555本、本吉217本、気仙沼128本など)を伐採駆除した。景勝地や市道・公共施設付近を優先させている

・大島ウエルカムターミナルの来館者は17万5108人で前年度より約1500人減。物販スペース(今年1月から休止中)は、運営事業者の公募に市内の1社が強い関心を示しているが、施設全体を含めてもっと有効活用できる事業者にもあたっている

・「ホヤぼーやセレクトショップ気仙沼」のネットショップ取扱高は459万円。手数料収入では人件費を賄えない状態だが、地場産品のPRのために続けてきた。令和7年度で国の支援が終了するが、物産振興協会は続ける意向のため、協会の予算全体の中で検討する

・統合後の旧条南中学校周辺のゾーン30については、生活道としての利用もあるため解除していない

・産業パッケージで打ち出した奨学金の返済支援は、移住定住促進策として一定の年数働いた人を支援するよう制度を検討中。令和8年度のスタートを目標としている

 

■第3セクターの決算報告から

・「海の市」を運営する気仙沼産業センター(市の持ち株比率47.2%)は41万円の純利益となった。海の市の総入込数は48.6万人だった

・道の駅大谷海岸(市の持ち株比率72.5%)はレストランと売店、直売委託手数料で計4億円(実質4.8億円)を売り上げ、1742万円の純利益を計上した。年間利用者は90万人。移転時に示された収支計画では令和6年度の売上合計は3.4億円、利用者は61万人を見込んでおり、いずれも大きく上回った。指定管理は令和8年3月までで更新時期となるため、経済効果や産業振興、観光などの効果検証も求めた。利益は施設の更新などに活用する考え

・地域電力会社である気仙沼グリーンエナジー(市の持ち株比率10%)は5542万円の純利益を計上。契約電力は8096kW(233契約)に達し、当初目標の1.3倍となった。肝心の地元雇用(市からも再三求めているが求人出しても見つかっていない)、利益地域還元については進んでいない。PPA(屋根を借りて太陽光パネルを設置。電力を借り手に売却。契約期間終了後にパネルを無償譲渡する仕組み)の原資になる可能性もあるという

※詳しくは第3セクター経営状況報告書が議会HPで公表されています

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