超少子化時代の保育所・学校再編を議論【一般質問報告】

気仙沼市議会の9月定例会が終わりました。まだポイントをまとめているところですが、最初に一般質問の成果を報告します。

【保育所と小・中学校の再編は】

今回の一般質問では、保育所、小・中学校、そして県立高校の再編についてまとめて取り上げました。年度内に新しい保育所再編計画を策定する一方で、小・中学校は新計画の検討に入れずにいることの課題を指摘しました。これまでは中学校単位で考えていた保育所整備を気仙沼・本吉・唐桑の3エリアに整理する考えが示され、小・中学校とのずれが心配です。

【県立高校の存続に市も動いて】

県立高校の再編は、統合は仕方ないと諦めかけていた小規模校(本吉響、気仙沼向洋)について県教委の考えが変わってきたので、市としての関わりについて議論しました。市教委は県教委が用意する話し合いの機会を待つ考えでしたが、再質問で菅原市長が考えを改めてくれました。詳しくは質疑内容をご覧ください。

市が進めている補助金の見直し、業務委託の推進、工事の入札方法の変更についても状況を確認しました。補助金の見直し方針は年度内に策定される予定ですが、補助金が終わる時期の設定などを盛り込むので、市民活動にもいろいろ影響がありそうです。


気仙沼市議会議員 今川悟 2022.9.16 一般質問

 

1.行財政改革の課題について                                                                                         

復興期から通常期へ移行する中、遅れていた行財政改革を加速させなければなりません。来年度予算の編成作業が本格化するのを前に、次の3点について質問します。

質問① 行財政改革アクションプランにおいて、補助金の見直し基本方針を年度内に作成することにしています。基本方針作成の目的と内容、現在の検討状況、予定していた昨年度から遅れた理由について伺います。また、実効性を高めるため、補助金の点数評価、その評価結果の公表、市が事務局を担う団体への補助金抑制を基本方針に盛り込む考えについても伺います。

 

菅原市長 補助金等の見直し基本方針について、作成の目的は、新たな事業に挑戦する市民や企業、各種団体等へ交付する補助金を、効果的かつ限られた財源の中で、市民による毎年の積極的な申請を通して、様々な事業に活用されるものとするため、交付に関する考え方や判断基準を明確化するものです。

これまで、他自治体の事例等の情報収集や分析をしながら、補助金の分類や公益性・有効性・公平性などの基本的な視点、終期の設定、補助効果の評価・検証などの基準の作成などについて検討していますが、これらの作業に時間を要し遅れているもので、令和5年度の予算編成前の完成を目指しております。

また、補助金の成果や課題は「主要な施策の成果に関する説明書」に記載していますが、どのような方法をとっても適切に評価することには限界があり、御指摘の一見客観的に見え、公表を伴うことが当然である点数評価についても適切な運用に結びつくかなど、評価方法については、なお検討してまいります。基本方針に、市が事務局を担う団体に対する補助金を特出しして、その抑制について盛り込む予定は、現段階ではありません。

 

今川 そろそろ令和5年度の予算編成に入るころだと思いますが間に合いますか。

 

小松財政課長 予算編成前の方針完成を目指しています。できれば令和5年度予算から反映させたい気持ちはあるが、相手があることでもあり、長く補助を受けている団体などもある。これを方針ができたらすぐにやるとなったときに、逆に相手から理解が得られないまま進めると、むしろ定着しないことも考えられる。できるものは5年度から、相手に理解を頂きながら制度として定着させていくことを考えると、遅くても例えば6年度からになってもしょうがないというのが事務局としての考えです。

 

今川 令和3年度中の方針策定を目指していたのに、4年度に遅れたのは、前に質問した時にも情報収集中という答弁でした。遅れている理由はマンパワーの問題なのか、それとも制度設計の問題なのか、どうして1年先延ばしになったのですか。

 

小松財政課長 一概に理由をいうのは申し上げにくいのですが、復興が令和4年度で大きなところが終わると言っても、財政課としては清算の仕事が残っています。また、コロナの臨時給付金もどんどん来ました。こうした事務を処理しなくてはならない事情もあります。ただ、補助金の制度見直しは数年前から取り組んでおり、実際に中身を確認しています。他市の例を参考にすれば、見直しする項目を挙げることはできるが、どうやって定着させるかを大事にしないと、つくったはいいけど運用できないという風になってしまうので、評価の方法を含めてどう定着していくかに重きを置いたために若干遅れています。

 

菅原市長 いま検討中の基本方針は私もまだ見ていない。よくこういうことがあって、議会等で議員にいつまで出しますと言っているけど、市長、副市長も見てなくて、これはこうなんでないのと言って、また3カ月があったりすることもあって、ご迷惑をかけているのでそういうことがないようにしたいと思います。この議会でも別件で1件ありました。いま財政課長が言った通りだと私も聞きながら思いました。 じゃあ新年度予算に反映させられないということではないと思います。精神というものは十分くみ取って決断できるものも見出だすような考え方も必要だと思って予算編成に臨みたいと思います。

 

今川 おっしゃる通り、実効性を上げるところが難しいと思います。民間委託推進ガイドラインでも同じだと思いますが、評価の方法と市民の目、第三者の目をいかに入れていくかということで、一覧表の公表が大事だと思います。他の自治体でも同じような課題があるようです。今回は負担金や交付金も見直し方針の対象になりますか。

 

小松財政課長 予算科目でいうと18節で負担金及び交付金及び補助金がある。まずは本当に補助金であるのか、あるいは会費的な負担金であるのか、場合によっては委託が適するのかといった分類をしていかないと、見直すべき補助金が見えてこないと考えています。そこを踏まえたうえで、指針に該当するような補助金について見直しを進めるという考えです。

 

今川 決算書を見ると、例えば気仙沼ビズのビジネスサポート協議会は負担金で、観光推進機構は補助金、みなとまつり実行委員会は負担金、徳仙丈山ツツジまつり実行委員会は補助金となっていますが、使い分けが分かりにくいと思います。一般的に補助金は市にとって対価や見返りがなく、負担金は市がある程度の利益を受けたり、義務や責務があるもので分けています。補助金とは何かというところから整理してほしいです。今まで予算要求要領で補助金の終期設定を求めてきたのに徹底できなかったため、この方針をつくるわけですから、危機感を持って取り組んでください。間もなく完成すると思いますが、市民に見えるように公表するのですか。

 

小松財政課長 主にホームページになると思いますが、見える形にすることで、補助金を今後申請しようとする方もそれを理解した上で申請してもらえるようになると思います。

 

菅原市長 申請するときはそうだと思いますが、実際に交付するときも添付ものとして渡す習慣にした方が実効性があると思います。紙に頼るわけではないが、先を考えて自立してもらうことを習慣づける必要があると思います。

 

 

質問② 昨年度に策定した民間委託等推進ガイドラインを受けて、事務事業をはじめとする新たな民間委託の検討対象、推進にあたっての課題について伺います。また、これから増えていく民間委託を適正に管理する仕組みづくりについて、昨年12月定例会の一般質問では納得のいく答弁が得られませんでしたので、コスト面での評価をはじめ、契約方法や契約相手などをまとめた業務委託契約一覧表を公開することについて市の考えを伺います。

 

菅原市長 新たな民間委託については、市民サービスの維持・向上が図られるとともに、委託経費が人件費を含む直営経費を下回ることを基本的条件としており、現在、指定管理者制度として公民館・市民会館、民営化として亀山アクセス、公有財産の民間利用として学校跡施設等、様々な業務や施設管理等で広く検討しています。

推進に当たっての主な課題は、特に、業務委託について、行政のデジタル化・ロボット化等が進む中、まずは業務のあり方そのものを見直す必要性が生じていること、また、既に会計年度任用職員の活用を進めている中では、コスト的に明らかに業務委託が有利と言える事案が少ない状態にあること、さらに、臨機応変な対応等、高品質なサービスが安定的に確保できるかなどです。

また、コスト面での評価、契約方法、契約相手などをまとめた業務委託契約一覧表の公開については、特にコスト面での評価を公表した場合、入札等への影響が懸念されることから、今のところ行う予定はありません。今後とも、委託経費の積算根拠や業務実態を確実に把握し、適正な管理に努めてまいります。

 

今川 昨年12月定例会の答弁では十分な移行期間を設定すると言っていたのに、新年度に向けて十分な移行期間はもうないなと思います。そうなると、令和5年度に新たに外部委託する大きな事業の検討は難しいということですか。

 

後藤企画課長 先月の政策討議で、事務事業、組織や人員を含めて総合的に検討しているところです。市長答弁にあったように、指定管理をはじめ、いろんな委託をする中で、その分の人件費を見合う部分が確保できるかどうかについて引き続き検討しています。

 

今川 予算発表時に成果が見えてくると思うが、それで十分な移行期間があるか心配です。12月定例会では、補助金や委託金の総額や件数について「数えたことも分類したこともない」との答弁があってびっくりした。その後は数えましたか。

 

小松財政課長 補助金に関しては分類するためにも抜き出して件数だけでなく中身も見ています。委託は全体の件数を捉えています。補助金は200件ほど、委託は2000件ほどです。

 

今川 兵庫県三田市は補助金見直しガイドラインに基づく点検まで取り組み、172の補助事業にそれぞれ点数をつけて公表しています。一覧表は難しいとの答弁でしたが、見える化の方法は考えていますか。

 

小松財政課長 決算書が事業別になったのでまとまってはないのですが、款項目ごとに補助金名と委託名は掲載されています。今後、方針が出れば、全体見直し対象になると思いますので、まとめるということについては今後検討します。

 

今川 議会の決算審査で頑張りたいところですが、そのためにも基礎データとなる一覧表、第三者が見ても分かる資料作りをしっかりしておいてほしいです。

 

 

質問③ 公共工事の入札において、価格だけでなく企業の地域貢献度なども評価する「総合評価落札方式」について、年度内に導入する方針が示されています。その目的、現在の検討状況、実現に向けた課題、今後のスケジュールを伺います。

 

菅原市長 公共工事の入札における「総合評価落札方式」の検討状況については、本市においては、平成20年度に導入したものの、東日本大震災以降、復旧・復興事業を優先するため、落札までの時間を要する総合評価方式は、見送っていました。

総合評価落札方式による入札は、価格と品質が総合的に優れた契約を確保することを目的としており、価格のみならず、企業の施工能力や地域貢献度などを総合的に評価し落札者を決定することから、その評価方法などについて、制度の見直しを進めているところです。

また、現在、入札の執行に当たっては、契約の内容に適合した履行を確保するため、最低制限価格を設けておりますが、総合評価落札方式の入札では、制度の性質上、最低制限価格に代わる基準価格を設け、下回る価格での入札の場合は工事履行の可否を調査し落札者を決定する、低入札価格調査制度の導入が必要であることから、その調査や審査方法等についても検討を行っているところであります。今後、庁内の関係部署とも調整を図りながら、関係例規の整備も含め、今年度中の制度導入を目指します。

 

今川 これまでの答弁では市内の建設団体と意見をすり合わせるという話もありました。そこで評価方法で気仙沼オリジナルの物差しを検討しているのですか。

 

小松財政課長 基本的にこの制度は市として作成するものですので、例えば業者の方から要望があった項目を、市内の業者の方から要望があったから、これを入れましょうとか、そういった形にはならないと思います。我々として、こういった部分を考慮することによって品質の向上とか、技術力の活用、あるいは地域の貢献というものを項目として表すことができるというものを選んでいくということになろうかと思います。

 

今川 急にある日この制度ができて始まりましたっていうのも、ちょっと変なのかなと思います。進め方として、説明とか修正のために外の目を受ける機会はないのですか。

 

小松財政課長 制度を作っている過程で、庁内的に完成させるまでは、やはり庁内での作業になろうかと思います。また、学識経験者の意見を聞く分があるので、前回だと県の土木事務所に選んでもらった方のご意見をいただきました。一通り完成した時に、このような形でできましたというのは議会をはじめ、建設業界に関係する方と、公表して制度を導入したということを知らせてから、活用することになるかと思います。

 

今川 気仙沼のオリジナル性が気になります。一般的な方法だと中小企業より大企業を応援することになりかねず、地元の業者を使っていい工事をしてもらうために気仙沼版を検討してほしいです。

 

菅原市長 地元か地元でないかっていうのは、工事のサイズによるので、地元以外だけが優遇されるっていうことよりは、ちゃんと地元ができるものは地元の範囲で入札することが有効だと思います。一方で地元であっても同じ懸念が私はないわけではないんじゃないかっていうのをこの方式では思います。地域貢献だって、大きくて人手があって、余裕がある人ができてしまいます。そういう意味で、実はあの要望に来られた時に、私の方から一言を話しをしたのは業界の総意ですかということだけはお話ししました。それはそうですという話でした。その上で今川議員が懸念されるようなことを何かで調整できるようなところとか言い回しだとかっていうことはしないといけないと思ってます。まだ私のところに案が来てませんが、今お話ししたことで、職員も調整考えると思いますので、お話の意味は共有したと思います。

 

 

 

2.保育所と学校の再編の進め方について                                                                         

少子化に歯止めがかからない中、数合わせ的に保育施設や学校の統廃合を進めてしまうと、子育て環境が悪化して少子化を加速させることが心配されます。市政やまちづくりにも影響する課題ですので、次の4点について市の考えを伺います。

 

 

質問① 保育所などを対象とした児童福祉施設等再編整備計画について、民間事業者と意見交換を重ねながら年度内に改定する方針が示されていますが、改定の規模、地域との合意形成や行政手続きを含めた具体的なスケジュールを示してください。また、民営化を推進するための支援策について検討状況を説明してください。

 

菅原市長 児童福祉施設等再編整備計画についてでありますが、改訂の規模やスケジュールについては、現計画の、公立、民間の役割の考え方は維持しつつも、より民間事業者にシフトする方向で、民営化を目指す施設の明示、公立施設の規模の適正化、小規模保育所の閉所、認可保育所から認定こども園への移行などを盛り込んだ形で、市内の民間事業者のご意見を伺いながら、現在計画案を作成中であります。

引き続き市内の民間事業者との意見交換を重ねながら、年内に計画案を作成し、関係者への説明、子ども子育て会議を経て本年度中の完了に向け作業を進めているところであります。

また、民営化を推進するための支援策については、市有地における公募による民間事業者の施設整備に対し、国補助に加え、市の独自補助金を交付することとしておりますが、再編整備計画を見直すにあたり、より民営化を加速する方向で検討しており、市内の民間事業者が再編整備計画推進のために施設整備をする場合にも、市の独自補助金を交付するよう検討を進めております。

 

 

質問② 小・中学校を再編する義務教育環境整備計画の次期計画策定について、第3段階の実現に影響することから「移行する時限は決めていない」と市教委の考えが示されていますが、なぜ、第3段階の実現に影響すると判断したのか説明してください。また、次期計画の検討に入る時期については、「しかるべき時に状況を見極める」と答弁していますので、第3段階の状況、そして見極めの判断材料を示してください。

 

小山教育長 義務教育環境整備計画の次期計画策定についてでありますが、児童・生徒数の減少が深刻度を増す中で、主体的・対話的で深い学びによる教育改革を進めているところであり、その改革を実効性あるものにするためにも現計画に基づく早期の学校統合が必要であると考えております。

また、本市における児童・生徒数推移見通しから、現計画の先に、適正規模を主眼とした市全体に及ぶ学校統合方針を考える必要があると認識しております。

このような状況の中で、現在の懇談は、統合を巡る課題について、保護者・地域の皆様と解決の方向性を一緒に考えながら、皆様の統合への理解を得ることを目的として実施しております。

この懇談の中で、目標とする統合時期を定めていくことになります。

新計画に移行する時期を定めることは、懇談の終了時期を設定することとなり、現在の話し合いの障害になるものと考えております。

現在、中井小と唐桑小、条南中と気仙沼中の統合について地域懇談会を開催しており、小泉小と津谷小の統合については、保護者や自治会役員との懇談を重ねた上で、再び両校の保護者との話し合いを経て、地域懇談会に移行する予定であります。

計画内のその他の統合については、様々な御意見をいただいておりますので、慎重に判断してまいります。

 

質問③ 児童福祉施設等再編整備計画、義務教育環境整備計画の改定にあたっては、これまでの課題を踏まえて、少子化への対応だけでなく地域の在り方にも踏み込まなければなりません。特に地区の範囲設定については、「北部・中部・南部ブロック」のように将来を見越した新たな発想が求められます。令和2年12月定例会の一般質問では、「将来的な学区再編は、今後の社会教育、子育て、まちづくり等の考え方を踏まえた広い視野で検討すべき」と答弁がありました。児童福祉施設と義務教育施設の次期再編計画から、広い視野で検討すべきと思いますので市の考えを伺います

 

菅原市長 地区の範囲設定についてでありますが、児童福祉施設等については、保護者の就労状況等により既に様々な地区からの受け入れとなっていることなどを踏まえ、気仙沼、唐桑、本吉の3つの地区設定とすることで検討しております。

一方、小学校では、入学時に現住所による通学区域が指定されることから、一つの小学校には複数の幼稚園や保育所から入学しております。小規模の小学校では、特定の幼稚園等から入学している場合もありますが、多くの小学校では複数の幼稚園等から入学しており、今年度は最大で10園の小学校もあり、平均すると一校あたり4.7園から新入生を受入れております。

以上のような状況にあり、児童福祉施設と義務教育施設の再編計画を検討する際に、地区の範囲を合わせることは事実上困難であり、必ずしも合理的とも言えないものと考えております。

 

今川 今回は保育所から高校まで四つの段階に分けて質問しました。保育所は少子化の影響を一番最初に受けるところです。もうすぐに年間200人の出生数という影響が出て、小学校、中学校、高校って順番に上がっていくわけですが、この保育所の再編計画を年度内につくるってことで、やっぱり心配なのが今までは中学単位で保育所の再編計画をつくっていたものが、今の答弁など気仙沼、本吉、唐桑という三つのエリアに分けて設定するという考えで行くってことですか。

 

熊谷子ども家庭課長 市長答弁の通り、気仙沼、唐桑、本吉の三つの地区設定とすることで検討しています。

 

今川 本吉、唐桑は分かるのですが、気仙沼を一括りにしてしまって保育施設整備を考えていくのはやりすぎだと思います。他市でこのような計画をつくる場合、セーフティネットの考え方を持って、公立がするべき役割を整理しています。その役割としてどのくらいのエリアがいいか考えていくのですが、気仙沼を一つにする理由を説明してください。

 

熊谷子ども家庭課長 保育所、幼稚園の入園状況を見ると、必ずしもその施設がある地域からだけではなく、広範囲から入園しています。保護者の就労状況とか家庭の事情もあると思いますので、気仙沼という括りでも何の問題もないものと考えています。

 

今川 確かに今の子どもの数から考えると、200人を一つのエリアで見てもいいぐらいですが、地形や地域性をあまりに広いので、唐桑と本吉は分けるというのは妥当かもしれません。しかし、せめて気仙沼を二つに分けないかと思います。これから意見交換ということなので、具体的なデータなどを見ながらですね。これから地区や市全体の説明会も予定していますか。

 

熊谷子ども家庭課長 計画案は作成中ですので、どのような形になるかまだ見えていませんが、利用する就学前児童を持つ保護者が一番心配される部分だと考えていますので、保護者が中心とした説明が必要だと考えています。

 

今川 気仙沼を一つにしたからと言って気仙沼に保育所が一つというわけではないと思うので、計画案を見てから議論します。保護者の意見だけでなく、前回の反省を踏まえて地域の方にも説明してください。民間施設の支援内容についてはこれからの検討ですか。

 

熊谷子ども家庭課長 大前提として国の補助を活用した施設整備を対象にしようというところまでは考えていますが、具体のところについてはまだ検討中です。

 

今川 再編計画案は年内にできるみたいですから、それとセットで示されるのですか。

 

熊谷子ども家庭課長 再編計画の見直しと補助金の創設は同時に進めていますので、同じ時期に示せると思います。

 

今川 幼児教育・保育の無償化が始まりまして、認可外施設は5年間の経過措置っていうのがとられていますが、それが6年9月までで終了するということで、新しくできる計画がそういった施設の民営化の受け皿になることは考えられますか。

 

熊谷子ども家庭課長 5年に該当する施設は市内にありません。県が示す基準を満たしている施設については5年を超えてもということなのですが、それに該当する施設もありません。民間事業者とは個別に訪問しながら話もしています。今後についても話を伺いながら計画を進めます。

 

今川 二点目の小中学校の再編ですが、なかなかこの議論は進まないなと思っています。高校については後で議論しますが、高校は小規模校であろうとも必要があれば存続しましょうということで、インターネットを使った授業を遠隔授業とかも含めて何とか存続させようというふうに舵を切りました。しかし、小中学校については、教育長の答弁からすると、地域懇談会が始まっている中井小と条南中、地域懇談会が始まろうとしている中井小はなんとか統合までもっていきたいと、その統合が終わってから次の計画に入るということですか。ほかに第3段階の対象校はいくつかありますけれども、そういったところは今回は諦めて次のステップに進むということですか。

 

斉藤学校教育課参事 三つの統合については保護者との説明会、また地区の懇談会というところで、今、統合に向けて進めているところです。また、第三段階の方で計画している他の地区においては懇談会等で様々な意見が出ておりますので、今後とも意見をいただきながら進めていくという形になるかと思います。

 

今川 対象校を全部統合するまで、次の計画は作らないという答弁に聞こえましたけれども、やっぱり見極めが大事です。そういう意味で前回の答弁があったのかなと思ってました。その見極めって何なのですかっていうのを今日議論したいと思ってたのですが、議論がやっぱり進まないなと感じています。三つの学校の中でも、中井小と小泉小は確かに規模が小さくなってきて、もしかしたら年度内に話が進んで、もしかしたら1年の準備期間をおいて令和6年度にと思うことはありえるのかなと私も感じています。ただ、条南中に関しましては、そんな簡単にはいかないのではないかなと。実際、懇談会に来る方の人数も少ないですし、この150人規模の学校が統合するのはすごく難しい。今までも経験がないことですので、ここを本気で終わらせるまで次の計画がないとなると、いつまで経っても進まないんじゃないかなと思います。私は見極めっていうことをちゃんと真剣に考えてほしいと思ったのですが、今見極められる状況にないってことなのですか。もう一度確認します

 

三浦教育部長 第3段階につきましては、順番をつけたような形で現在説明会をしているというような認識でございます。その中であるところで見極める必要はあるのかなと考えているところでございます。

 

今川 その順番をつけてやっているってところがさっきの3校と、それ以外の学校ってところだと思います。それをはっきり言うのはできないってことなのですか。

 

三浦教育部長 地区によっては中学校が統合になったばかりとか、それぞれ事情があるので、その辺をご理解ください。

 

今川 しかるべき時期は近づいているけど、今ではないという風に考えまして、また別のタイミングで伺いたいと思います。条南中についてですが、南気仙沼小を除けば、この規模での統合は初めてということで、何度かその意見交換の場合に伺わせてもらいました。実は、今の段階で条南中より生徒数が多いのは松岩中だけです。条南中が統合絶対進めなければならないとなると、いわゆる松岩以外の中学校は全部で統合を進めなければいけません。推計では、令和14年度には松岩中を抜いて条南中は一番生徒数が多い見通しです。しかも市内で唯一の100人超えの中学校になるのが条南中だと、そういった学校で第3段階の統合を進めようとしているのです。この議論はもうすでに第4段階の議論に入ってくるんじゃないかなと。今までの小規模校だから統合しましょうって話で言ったら、もう全てが対象になってしまいますので、教育環境を整えるための統合ということになってくると、第4段階じゃないかなって正直思っています。これだけの生徒数がいる学校を統合するまで新しい計画は待たなければならないのでしょうか。

 

三浦教育部長 条南中と気仙沼中の統合については、統合によって1学年が3クラスになる理想の形を作り出すことができます。先駆のモデル校になるものと教育委員会としては捉えております。そういった学校の成果等も実は本当は見てみたいという気持ちもあります。そういったこともありまして第3段階を進めているところですが、その見極めについては慎重にあるいは時によっては大胆に進めて参りたいと思っております。

 

今川 事務方としては、計画を一生懸命を進めようって気持ちは分かります。けれども、やっぱりちゃんとこの数字とか、もう一回立ち止まって状況を見ると、私はちょっともう少し冷静に考えていかないと、確かに統合のモデル校になるかもしれませんが、これから小規模校のあり方を見直そうという考え方もある中で、果たしてそれでいいのかも含めて、私は一回立ち止まって考えるっていう意味では、次の計画づくりの中で考えるべきだなと思います。その見極めは、やっぱり年度内にある程度の説明会をやって、6年度の統合が進められないのであれば、一回仕切り直しをするべきだと私は思います。

一方で市内全体を見ると中学校10校の入学者推計で、全体で見ると5年度に422人が入学し、その5年後の10年度には312人、さらに5年後の15年度には215人と、5年ごとに100人ずつ減っていきます。条南中がどうこうって言ってるレベルでもないと思います。だから新しい計画づくりを急がなくちゃいけなければならないなと思うんです。現計画の統合にこだわらないで早く次の統合の議論をすることが、実は条南中の統合についても理解を得られる方法なのではないかと。今の計画のまま説明したらずっと理解されないと思います。やっぱりこう新しい計画の視点の中で、気仙沼全体の統合、あるいは再編ということの中で考えていかなくちゃいけないなと思うのですが、その辺の数字はもちろん教育委員会もご存知だと思うのですが、そのしかるべき時期っていうのはやっぱり近づいてるんじゃないかと思います。改めて伺います。

 

小山教育長 児童生徒数の推移については把握をしてますが、しかるべき時期というのは、やはり私としても近づいているということはもちろん認識をしつつ、ただ子どもたちのためにと考えた時には、先ほど部長から話がありました、現在進めている統合については、全力を尽くしてまいりたいという思いです。

 

今川 教育委員会は多分、そういう考えなのだろうなと思いながらもここはですね、ぜひあの市長も含めてしっかりこの現実の数字を見て、どういう選択をするのが先々のためなのかというのはいろいろ議論してほしいと思います。今日は時間もありませんので、このくらいでやめておきますが、あの毎回のようにお尋ねすると思います。しかるべき時期は近づいているんですかと。それを意識して統合の議論を進めてほしいと思います。

エリア設定については、教育委員会がまだ次の計画を作る気がないということで、あんまりこの議論もできなくなりました。そうしているうちに、保育所の方は実態に合わせて新しいエリアの唐桑、本吉、気仙沼のエリアで、これから計画を作っていくんだということになります。早く動かないと、どんどんそっちの少子化の影響を受けやすいところから状況が変わっていきますので、せめてこの保育所の再編計画については、教育委員会ももちろん相談・協議しながら進めているというふうに思ってよろしいでしょうか。

 

尾形学校教育課長 保育所と幼稚園のエリアと学区については、まず子ども家庭課の方で進めているそちらのエリアについては、私たちも意見聞きながら参考にしながら、ただ学校については通学区域がもう住所で決まっていると言うところもありますので、慎重に判断しながらできるだけ幼児教育と一緒に合わせて継続的な子どもたちの支援ができるような形は構築してまいりたいというふうに考えております。

 

小野寺保健福祉部長 今回の答弁調整をする段階で、子ども家庭課、保健福祉部と教育委員会ですり合わせをした中で、この設定に関しては、そもそも見る視点が違うと言うふうなところかなと言うふうに思っております。幼児教育、あるいは保育のところに付いては、大きく保育という視点が入りますので、今、あの学校教育課長が言ったとおり、学校関係については、そもそも通学区域という視点がございますので、必ずしも合わせる必要はないと言うふうに思っております。

 

今川 気持ちは分かるんですが、長らくそういう運営を気仙沼市はしてきましたので、そうじゃないと言っても、なかなか地域の方々に理解してもらうのは難しいと思います。そういう意味で、もっとこう連携した考えをお願いしました。まずは保育所の計画ができるわけですから、それが出来たらまた続けて議論をしたいと思います。

 

 

質問④ 気仙沼・本吉地区の県立高校の小規模化が進む中、さらなる学級減や学校再編が進む可能性が高まっています。その一方で、県教委の県立高校将来構想審議会では地域事情を考慮して小規模校の再編を検討していく考えが示されました。小規模校でも必要があれば残して、専門教科は遠隔授業で対応していくことなどを検討しています。こうした状況の中、地域における高校の存在価値を高めるために、市町村による一層の支援策が問われています。今後、県立高校の再編に市としてどのよう関わっていくのかについてあらためて伺います。

 

小山教育長 県立高校の再編への市としての関わりについてでありますが、現在、県教育委員会が示している基準では、本地区の県立高校4校のうち、本吉響高校、気仙沼向洋高校、志津川高校の3校が小規模校となります。小規模校は速やかに再編の検討を進めることとされる一方で、地域の実情に応じた検討を行う必要があるとも示されております。今後の再編については、昨年6月に気仙沼市学校教育のあり方検討会議として県教育委員会に提出した本市における県立高校の将来像についての提言書において、本市の県立高校の構想や、本市教育委員会との協議などを尊重するよう県へ伝えたところ、県からは検討会議設置の場合等には市教育委員会と協議する旨のお話を頂いており、提言書の内容を踏まえ、最新の状況なども加味しながら適切に対応してまいります。

 

今川 時間が無くなってしまったんですが、ポイントだけ確認しますけれども、さっき言った通り5年ごと200人減っていくというのは、まさしく3年後の高校の話です。検討会議が設置されてそこに呼ばれるのを待っている状況で、本当にいいのかなって思ってます。確かに提言書ではある程度の考え方を示し、後は県から呼ばれるのを待っている状況になっているんですが、本吉響高校が今、特に定員割れが激しいです。多分、本吉町が気仙沼市と合併していなかったら、南三陸町と同じように地域を挙げて学校存続のために動いてたと思います。この気仙沼市における本吉響高校の扱いというのは、ちょっとひどいんじゃないかなと私は個人的に感じてます。もっと各高校の課題について、地方自治体も絡んでいってもいいんじゃないかなと思います。今の産官学コンソーシアムは気仙沼全体の高校生の学びを支援するって事は理解しますが、それとは別に、やはりそれぞれの学校に入って行って意見を聞いて何に困って、どうしたら魅力を高められるかって話し合いの場を持つことは考えられないでしょうか。

 

三浦教育部長 本市における県立高校の将来像についての提言書を、昨年6月に県に提出しております。その後、県の方からは一回か二回説明に来ていただいております。その県の検討状況についてです。そういう中で今後、新たな動きがある場合には、早めに市の方にお知らせしますということもはっきりと申し上げていただいておりますので、今はそういった状況を伺いながら、何か動きがある場合には、市民の皆様と一緒に検討して行きたいと考えてございます。

 

菅原市長 あり方検討会で出した提言書では、学校を存続するとか無くすとか、そういうことに触れてないんですね。パターンとして言って全部網羅した形で出しています。一方で、将来どういう学びが必要かということ、特に学科のことについては、わざわざ出しているんですね。そういうことだとですね。教育委員会の方で次の会議はどうというこではなくて、我々が出したこの学科と、この学科についてどう考えるんですか、どうやったら実現できるんですか、我々の言ったことは的を外れてんですか、という話はこっちから仕掛けていかないと、提言出しただけになっちゃうんですよ。そこについてちょっと教委で打ち合わせさせていただきます。

このままでは、我々の提言書も絶対これが確実で素晴らしいものかってよく分からないですが、県教委のプロと話をする中で、正解を見つけていく必要があると思います。その上で学校の形って、さっき遠隔の話もありましたけど、あの校舎が残って先生が三陸道で移動することだって10分でできる状態です。そういうことも含めてですね。こっちが仕掛けていく時期だと思います。そうでないと、実はこういうことを考えてましたということで、体は話がですね。あのせっかく2年間も話したのにもったいなくてですねというふうに思いますので、あの教育委員会と打ち合わせして、市も何らかの形で関わりながらですね。進めて行きたいと思います。

 

今川 続きは12月議会にしたいと思います。ぜひそれまでに動きを期待してます。これで私の一般質問終わります。ありがとうございました。

 

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