防潮堤の85%が完成しました【震災から11年半】

気仙沼市内で計画された防潮堤工事の進捗状況がまとまりました。78海岸107カ所のうち91カ所(85%)で完成した一方、復興予算の期限である2022年度内に間に合わず、地元の費用負担が発生する可能性が出てきました。

復旧する107カ所のうち、レベル1津波対応の高さにしたのは73カ所、原形復旧は34カ所でした。その位置は海側への「前出し」が20カ所、「現状」44カ所、セットバックする「引き堤」43カ所と、できるだけ海への影響を避けました。

【漁港海岸16カ所で工事中】

まだ工事中の16カ所の内訳は次の通りです。

気仙沼市管理漁港(8カ所)-岩井沢、石浜、神止浜、宿舞根、鶴ケ浦の2カ所、大谷、蔵内

宮城県管理の漁港(8カ所)-鮪立、気仙沼4カ所(梶ヶ浦、小々汐、大浦・浪板、港町・魚市場前)、松岩、波路上、日門

【復興事業の期限はあと半年】

気仙沼市管理の漁港では23漁港37カ所で防潮堤整備を計画しました。このほか、長崎(大島)と草木沢(小泉)は計画を取りやめ、7漁港はもともと計画しませんでした。

9月2日の市議会東日本大震災調査特別委員会では、岩井沢漁港(唐桑)と蔵内漁港(小泉)で2022年度内に工事が終わらない可能性が高いことが報告されました。復興予算を活用した事業(災害復旧除く)は、震災から10年目の2020年度内に工事を発注し、繰り越し期限の2022年度に終わらせるルール(復興・創生期間後基本方針)があります。

もし終わらなかった場合、国がほぼ100%費用負担することはできなくなり、一般施策に移行します。防潮堤(海岸保全施設)の補助率は1/2ですので、地方自治体にとっては大きな負担です。

【防潮堤の一部工事が残るところも】

大理石海岸がある岩井沢漁港は、用地取得が難航したことで工事を一旦打ち切る予定です。海抜11.3mの防潮堤がほぼ完成していますが、延長252mのうち山付け箇所の計21mぐらいが残ってしまい、防潮堤に隙間ができます。残りを工事(4カ月程度)するための事業費は2000万円ぐらいが見込まれます。用地交渉を続けますが、土地収用の可能性についても県と相談しているそうです。

蔵内漁港は、漁港と国道45号の間に直壁タイプの防潮堤(海抜9.8m)を計画していましたが、国道をかさ上げして一体化させる計画に変更したことで、工事が遅れています。間に合いそうにないのは、取り付け道路の舗装などで、市の負担見込みは1000万円以下です。

宮城県の分について詳細は分かりませんが、魚市場周辺や浪板の造船所跡地などではまだ工事が始まっていない場所もあり、大きな財政負担が心配されます。

※下の写真は魚市場背後地の県管理防潮堤。2枚目の海鮮市場「海の市」周辺はまだ工事が始まっていない

※県管理の日門漁港の防潮堤工事。防潮堤をセットバックして国道をかさ上げすることになったが、工事はあまり進んでいない

※県管理の大浦・浪板の工事も完成できるかどうか不透明だ

※防潮堤の位置図、気仙沼市管理漁港の防潮堤工事進捗状況は下図・下表の通りです。

※海抜14.7mの直壁式防潮堤が完成した二十一浜漁港(気仙沼市本吉町小泉地区)

 

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