気仙沼市議会9月定例会のポイントをまとめました。
議案書や予算内容は市議会HPで公開しています。
◆令和3年度決算から分かったこと
【移住相談は416件】
・移住・定住促進の事業費は計4423万円
・移住・定住支援センター(運営業務1199万円)の相談件数は416件、センター経由の移住31人(累計151人)
・空き家バンクの物件登録23件(累計107件)、利用登録67人(356人)、成約件数16件(62件)
・お試し移住(移住イベントと合わせた運営事務局委託760万円)は31人利用(災害公営住宅9人、宿泊施設22人)
・ふるさとワーキングホリデー(運営事務局委託1831万円)は88人参加
【地域おこし協力隊は7人募集して任用2人】
・地域おこし協力隊は6団体が7人募集したが、任用できたのは2人だった
・令和4年度になって着任した団体もある
・「人件費節約にならないように本来の制度目的に合わせて活用したい」と菅原市長
・令和3年度は10事業で15人の隊員が活動。費用は5676万円
【職員の時間外は2.8億円】
・時間外・休日勤務は23万2611時間(1人当たり月11.7時間)で2億8225万円
・令和2年度と比べて時間数で9%削減(一般会計ベースで8500万円分)
・年間1000時間超えは1人(前年8人)
・30日以上の病休職員は72人、うちメンタルが理由は39人(復帰へお試し出勤を導入)
※下表は時間外の令和2年度、3年度比較
【県議選は商業施設で期日前投票へ】
・衆議院選挙(10/31投票、投票率59.49%)の費用は2966万円
・県知事選挙(11/22投票、投票率59.77%)の費用は2563万円
・知事選の内訳は職員人件費約1000万円、通信運搬費473万円、ポスター提示版の設置・撤去委託144万円、期日前投票所事務業務委託338万円、投票・開票立会人87万円など
・投票所の設置は2㎞、2000人以上の総務省基準がある
・県議選から商業施設で期日前投票ができるように調整できている
【水産資源活用研究会はプロモーション主体に】
・令和3年度の水産資源活用研究会の補助金は1416万円
・プロモーション費用(ウェブ広告やフリーペーパー、インフルエンサーへの依頼)に1307万円、商品開発66万円などに使用
・売り上げは1368万円
・「成果は突き詰めないといけない。意見交換の場としての機能を提案したい」と菅原市長
・地域おこし協力隊員3人も配置
【クルーカードは地域戦略にも1%】
・クルーカードの利用額は6億5876万円
・会員数4万40人(新規1万1267人)
・加盟店が負担する3%のうちカード会社と地域戦略へ各1%、ポイント分として1%。地域戦略分は令和3年4月から収入となった
・令和2年分のポイント850万円のうち218万円が失効して地域戦略へ
【大島ウエルカム・ターミナルの売り上げ非公開】
・令和3年度決算の経費は1339万円(光熱水費や委託料など)
・来館者は26万6240人(6~3月の前年同期比で1.8倍)
・売り上げは民間に任せているので非公表(目標の8000万円までは若干至らず)
【ホヤデリを来年3月まで延長】
・補助総額は3360万円。2万2261件の利用
・タクシー会社と飲食店を両方支援できる仕組み
・抽出調査によると、飲食店への注文は1件当たり5000円(12月だと8000円超)
・平均5000円だとすると、1.1億円の効果につながっている
【片浜への企業誘致を継続】
・地権者会を年1回開いて情報共有している
・事業候補者と令和4年度にどうするかの方向性をつくらないといけない
・断念はせずに誘致活動は続ける。
・「商業以外の検討もありえる。事業候補者との縁は切らないが、市独自に動くこともあり得る
【小中学生115人が不登校】
・30日以上の欠席者は小学生33人、中学生82人
・同じぐらいの準不登校がいる
・11人がけやき教室へ通った
・学びの支援教室を九条小と面瀬中に設置した
【大島大橋から大島へ通水済み】
・大峠山のポンプ場などは今年3月に完成し、8月31日から大島大橋から大島に本格通水した(大島全戸にチラシを配布する考え)
・尾崎の海底送水管からの一部送水を続ける。磯草ポンプ場は非常用に残す
・新月の水源開発はほぼ完成し、県と暫定水利権の協議中。来春から稼働させ、事業完了とともに市民へ周知する
・水道料金値上げへ向けた検討を来年度以降に本格化させるため、大口需要家へ説明したい
【その他】
・コミュニティFM(1分600円×1日80分×年間313日×消費税)の収入に占める市政情報制作放送委託費の割合は57%(前年は57.7%)だった。経営はコロナの影響を受けている。市にとっては情報発信、災害時に有効。課題は自社の努力をもう少し。委託費削減を検討する
・モンスターゴールド里帰り展実行委への負担金は一旦戻す予定
・住宅リフォーム補助(追加50件分)は11月にスタート予定。利用者アンケートも考えている
・市営住宅の管理費用は成果書で具体的に示せるように努力する
・漁師学校開催など沿岸漁業担い手対策支援事業に982万円。問い合わせは61件で、8人が短期研修を行い、4人が新規就業した
◆議案
【市職員の定年を65歳まで引き上げ】
・地方公務員法の一部改正に伴い、令和5年4月から市職員の定年を段階的に引き上げるとともに、役職定年制を導入する
・定年年齢は2年に1歳ずつ引き上げ、昭和42年度生まれで65歳が定年になる
・完全移行までの期間は本人の希望で再任用制度を利用できる
・60歳以降の給料は、60歳前の7割に設定する
・現在の再任用制度はフルタイム40人、パートタイム13人(パートタイムに切り替える人増えている)
・再任用だと4級下げているが、定年延長はそのままなので7~5級程度の業務を想定している
・定年延長と再任用の以降は59歳の時に確認する
・退職金はピーク時の給料をもとに算出する。このピーク時特例は令和13年までに国が検討する
【新たな新型コロナ対策を12議会へ】
・新たな交付金は2億872万円の内示があった。これまでの臨時交付金の残額6000万円もある
・電気補助は予算1億3000万円で350件見込んだが、159件3800万円にとどまった。12月補正予算で残りの活用方法を検討する
【唐桑の断水対策。気仙沼と管路接続は困難】
・大雨によって大沢浄水場で取水できなくなった唐桑地区で、気仙沼と水道管をつなぐ対策には「十分な検討が必要」と菅原市長。4.5kmほどの管渠とポンプ場が必要で10数億円規模の事業費が見込まれるため
・唐桑の施設を更新する費用、気仙沼に接続する経費は比較したい(管理課長)
【旧大島中学校は公民館を検討】
・旧大島中は駐車スペース広くて体育館もあることから、1階は公民館、2~3階は地元活用や企業誘致の方向で協議している。必要な改修をすることで理解してもらいたい
【唐桑半島ビジターセンターは来夏リニューアルオープン】
・アウトドア体験の拠点とする唐桑半島ビジターセンターのリニューアルオープンは来年春を目標としていたが夏に遅れる
・環境省との協議に時間かかり、関係者との合意形成を丁寧に進めたことが遅れの理由
・11月までに実施設計を完了し、1月には建設に着手して7月末の完成を目指す
・国民宿舎「からくわ荘」跡は令和5年度中
・漁火パークの宴会機能の送迎は市所有バスの活用を提案して協議中
【令和5年度に地区別の津波ハザードマップ】
・市の方向性をまとめた津波避難ガイドラインを策定した後、年明けから15地区に入って地区ごとに津波ハザードマップをつくる
・避難所の考え方もガイドラインの中で示す
・令和5年度内に全地区のハザードマップを完成させる
【産官学コンソーシアムで池上さん講演】
・12/18に池上彰さんを講師にした公開講座を開催
・探究学習塾「ナミカゼ」の運営を324万円で委託。高校生20人が学びを深める
・新年度予算には1000万円を要求している。ふるさと納税を充てられるように頑張りたい
【部活動の地域移行へ検討委員会を設置】
・中学校の部活を令和5年度から段階的に地域へ移行し、8年度の完全移行を目指す
・青少年スポーツ・文化活動新体制検討委員会を設立する
・委員は体協、文化協会、スポ少、総合型地域スポーツクラブ、PTA代表など20人
・10月から来年3月まで月1回の開催予定
【その他】
・令和5年4月から非営利型一般社団法人と一般財団法人の法人市民税(均等割り)を減免対象に追加する。1団体5万円で8団体を想定している
・マイナンバーカードの普及率は41.4%(8月末時点)
・公共施設のネット予約は公民館も進めていく方針。学校開放でも検討している
・復興基金の令和4年度末残高は5億3100万円の見込み。予算編成方針の中で継続事業中止にするかなどを検討する
◆第三セクター
【気仙沼グリーンエナジー】 市の出資比率10%
・電力の小売り自由化に伴い、令和3年度は市の75施設で1億9166万円の電力を購入。713万円の節約につながった
・供給先は238契約9641kw。燃料高騰で1000万円の赤字となった
・今年8月から料金改定して東北電力並みとなった
・地元雇用は現在はゼロ。10月から募集予定も「事業が不安定な中で勧められない」と菅原市長
・「これ以上は出資できない。普通の電力料金まで戻していいことにしたので、その上であり方を検討したい」と菅原市長
【道の駅大谷海岸】 市の出資比率72.5%
・令和3年度の売上は3億8456万円で2349万円の黒字
・商業は独立採算が基本。目標以上の売り上げがあったが品揃えや市内周遊は伸びしろがある
・機能強化のために社長を非常勤から常勤にした
・社長の人件費を指定管理料として予算計上したが、会期中に補助金に変更した
・専任社長によって公共的機能を強化し、地域間競争、本吉PAの活用などの課題解決にも取り組む
9月定例会に計上された主な補正予算 | |
道の駅大谷海岸への補助金
216万円 |
開店2年目の道の駅の多面的機能を強化するための取り組みに対して補助する |
十八鳴浜入口駐車場整備
2187万円 |
大島の県道に普通車10台分の駐車場を整備 |
南気仙沼のJR線横断道整備
550万円 |
南気仙沼付近に横断道を整備するための予備設計を行う。令和6年度中の完成を目指す。北側はすでに幅員18mの市道があり、南側(公園側)は6mの市道を8mに拡幅する |
産官学コンソーシアム事業
468万円 |
高校生の学びをオール気仙沼で支援するため、産業展示会見学、池上彰さんの公開講座、探究学習塾「ナミカゼ」などを進める |
立地適正化計画策定
570万円 |
人口減少社会に対応したコンパクトシティ・ネットワークを目指し、都市計画区域で立地適正化計画を令和6年度までに策定する。令和4年度は基礎調査を行う |
ホヤデリの延長
1750万円 |
飲食店のデリバリーサービスを行ったタクシーに1件当たり1500円を交付する事業を来年3月まで延長する。予算総額は3600万円となった |
新型コロナワクチン接種
4億9750万円 |
オミクロン株対応のワクチンを4.6万人に接種するための費用 |
電力等高騰緊急支援
4億2000万円 |
住民税非課税の世帯など8000世帯に1世帯当たり5万円を11月以降に支給する。財源は国から100% |