気仙沼市議会12月定例会のポイント【今川の視点】

遅くなりましたが、気仙沼市議会12月定例会のポイントをまとめました。

議会中に父が他界したため、最後の2日間を休んでしまいましたが、議会中継などを確認しました。

印刷用PDFはこちら⇒2024.12定例会まとめ


ふるさと納税寄附金は110億円にプラス修正

・ふるさと納税寄付金は年度当初で50億円を予算化していたが、定例会初日に80億円、最終日に110億円に引き上げた

・「前年は制度改正に伴う駆け込み需要があったので、令和6年度は下がる可能性もあると思っていた。そういう意味では、想定を超える寄付をいただいた」と担当課

・110億円に再変更する際、市長は「毎月報告もらっている。11月、12月に入って前年比2倍以上になり、さらに30億円追加できる見通しがついた。一方で欠品が出つつあったので悩んだ。ポータルサイトが増えていて、各サイトで目立つところに出してもらっている。来年からポイントがなくなるので、活用に動いたのではないか。東北一を維持できるかは別問題。首都圏や大都市からの意見もあるが、仕組みとして弊害を取り除きながら続いていくことが重要。寄付者に興味がある品揃えをしていくことが大事だ」と説明

・内部的には基金管理用の表がある。「足りないと困るので、余裕がある運用をしている。目算のような表をあからさまにしていいのかとも思う」と市長

・返礼品は約1200品。人気はサケの切り身、カニ、牛タン、イクラ、フカヒレ、ハンバーグ、コメなど

※12月末で112億7000万円に達した。3年連続の東北1位で100億円越えは東北初

 

■産業立市を目指してふるさと納税パッケージ第3弾

・ふるさと納税寄付金を活用した産業パッケージは検討を継続中

・菅原市長は「地理的な制約から大都市のベッドタウンにはなれない。漁業を中心とした生業が存在したからこそ本市が成立したという歴史的事実から、『「産業立市』」を掲げていくことこそが本市の生きる道である」と説明

・関係団体の意見を聞きながらまとめており、具体的な事業と予算も示す必要がある

・パッケージのポイントは、外貨を稼ぐことに重点を置き、観光、特にインバウントに最大限注力する考え。「企業における高付加価値化・生産性向上の追求」「ジャンルにこだわらない企業誘致の展開」「産業の高度化・DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」「女性・高齢者の活躍と外国人の積極的活用」「起業の推進」もテーマにする考え

・「水海況や漁況という不確実性に翻弄されがちな漁船漁業が乗組員不足の中で規模が縮小している状況に対しては、大手水産会社がたどってきた姿として、商事や水産加工、物流、さらには水産物に限定しない食品メーカーに事業領域を広げ、事業の安定を目指してきた流れを示し、これを参考として今後の本市水産業の支援のあり方を検討する」と市長

 

人事院勧告に準じた市職員給与アップ。初任給は月2万円プラス

・官民格差の是正に向けた人事院勧告を受け、国家公務員の給与等が改定されたことに準じて、市職員の給与と期末・勤勉手当を令和6年4月に遡及して引き上げる

・月給は若年層に重点を置いて給料表を改定。初任給は大卒(1級25号)で19万6200円が22万円に、高卒(1級1号)で16万2100円が18万3500円になる。平均改定率は1級11.1%、2級7.6%、全体3.0%アップ

・一般職の期末勤勉手当は年間4.50か月分を4.60か月に引き上げる

・配偶者の扶養手当の廃止と子ども分の引き上げ、地域手当の改正もあった。特別職は期末手当のみ改定した

・引き上げに必要な予算は一般会計で2億1650万円(給与改定に1.5億円、期末勤勉手当の改定に1億円等)

・市職員の令和5年度の病気休暇承認職員数は延べ43人、休職職員数は延べ22人

 

■自治会の集会所の修繕補助率を1/3 ⇒ 8/10へ引き上げ

・施設修繕等(エアコン設置も含む)の補助率は現在の1/3から8/10へすることを前提に財政負担を検証

・市有集会施設には指定管理料(電気・水道・ガスの基本料金、浄化槽の維持管理費等)を出していることから、民間の集会施設にも同様に補助金を出すことを前提に財政負担を検証する

・市有集会施設へは使用頻度の高い部屋を対象にエアコンを設置する。2年を目途に設備する考え

 

■新型コロナのワクチン接種で健康被害は6件認定

・昨年度は全市民を対象にワクチンの集団接種と個別接種を行い、延べ3万8651人(累計25万9627人)が接種

・今年度は65歳以上等の2万3210人が対象で、11月末までに2157人(9.3%)が接種した

・予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度については、本市の新型コロナワクチン接種に係るこれまでの国への進達件数は9件で、うち認定件数は6件、否認件数は2件、審査中の件数は1件

・補正予算に健康被害救済給付により、本年度から障害年金を受ける市民1人のために984万円を計上した。遡って適用させるための費用で、年間だと300万円程度になる

 

保育施設の給食無償化へ準備

・令和7年度から幼稚園、保育所、認定こども園の給食費を無償化(対象は760人程度)する

・おかずのみ提供している施設はご飯を追加、弁当持参の施設は外注弁当で対応する

・無償化については保護者にアンケートを実施した。制度内容は議会にも相談する

・補正予算で副食給食の市立施設8施設に炊飯器や配膳車などを整備する費用561万円を計上

・小中学校では給食に代わる現金給付も行っているが、義務教育ではないので未利用者への給付措置は行わない

亀山モノレールの土木工事が難航

・亀山のモノレールの車両(20人乗り2両)やレールの製作を1億8414万円で、すでに車両の一部を受注している嘉穂製作所(福岡県)と随意契約する

・工期は令和7年3月末。あとで繰り越すことになるが予定通り進んでいる

・別発注の土木工事(その1)は難航。山中での斜面作業、土中に岩が多いことが理由。年度内が繰り越し期限で、財源とする国の交付金が心配されている

 

■ 8年で4割アップ。下水道の値上げを承認

・下水道事業は赤字分を一般会計から毎年2.7億~4.5億円も補填する状態が続いており、区域外の市民との間で不公平となっているため、令和7年4月から3段階で引き上げる

・一般家庭(使用料が月20㎥)の場合で令和7年4月にいずれも現行より13.3%増、11年4月に26.7%増、15年4月に40%増となる

・「基準外繰り入れを減らしていくことが大切」と市長。

・ガス水道事業運営審議会と下水道事業運営審議会に専門的知見を有する委員として大学教授等を委嘱するための条例改正を行った

 

都市計画税区域を変更

・令和7年から魚浜町(コの字岸壁)を都市計画税の課税区域に追加

・2社で53万円程度の税収となる見込み

 

■市役所移転後の跡地活用は年度内に基本構想

・11月12日に三日町八日町・市役所跡地検討ワーキンググループから気仙沼まちなかエリア推進会議に対して、市役所跡地活用基本構想策定に向けた提言があった

・提言の中にある「地域に根差した不動産事業体であるローカルディベロッパー方式」の実現に向けて、庁舎跡の活用者となりうる市内外の事業者に、ローカルディベロッパー候補者とともにサウンディングを行う

・ローカルディベロッパーによる民間事業を前提としながらも、市が屋内外の子どもの遊び場の配置や地域食堂、地域集会所などで活用する部分を併存する形で考えており、民間の活用が進まない場合でも状況に合わせて市が全体の活用について責任を持って対応する方針

・三日町・八日町及び周辺の方々にアンケートを行うとともに、市民を対象とした説明会を実施することで理解の醸成を図り、跡施設活用候補者へのサウンディングなどの進捗にもよるが、今年度末を予定している基本構想の策定につなげていく

 

■防災関係

・市内の防災士は370人(11月末現在)。人口比率は0.65%で県平均の0.29%を上回って14市のうち3番目

・自主防災組織の結成率は75.5%(99/154自治会)

 

■教育・子育て関係

・子どもの居場所予算は、事業者と市の支援の方法について意見交換しながら事業の安定に寄与出来るスキームを目指して来年度から助成を開始するよう進めている

・就学を始める段階の小学校低学年は、配慮を要する児童が増加している中、個々の子ども理解に基づく必要な支援や指導を進める上での効果が期待できることから、各校の低学年児童数によってはよりケアが行き届く、現状より踏み込んだ少人数学級が実現できないか、教育委員会内で検討している

 

■その他

・県内最低レベルのトイレ水洗化率向上のため、合併浄化槽の設置を促進する補助事業の拡大を検討する。補助額は現在(5人槽で9.3万円)から最終的に国の基準額である33万円を目指したい

・大水深岸壁は事業主体の宮城県が令和5年度から大水深岸壁整備に着手。今年度は基本計画に基づき、詳細設計及び地盤改良工事を進めている。詳細設計は今年度中の完了を予定し、地盤改良工事は12月に工事公告を行い、令和7年3月から工事着手を予定。詳細設計を進める中で、計画に変更が生じる可能性があることから、計画が固まり次第、関係者への説明を行う予定

・帯状疱疹ワクチンの定期接種化は、国の厚生科学審議会で接種開始時期及び対象年齢を含め検討中。市としては国の動向を注視しながら、費用助成の在り方を含め接種体制を検討する

 

【補正予算による主な事業】

子育て支援広報紙作成

159万円

子育て支援の取り組みをまとめた広報紙(A4の8ページ)3万部を作成し、全戸へ配布。観光施設の配架、電子データ発信もして、市全体で子育てを応援する機運を醸成する
高齢者施設への防災事業

1255万円

高齢者施設(あおぞらぽらんデイサービス、気仙沼地域、階上・面瀬地域、大島地域包括支援センター)へ非常用自家発電設備を整備(国からの100%補助)
介護施設整備補助金

4850万円

階上の旧民宿駐車場に整備するグループホーム「海日和」(定員9人)の建築費等を補助。財源は県の補助金100%
図書館蔵書充実の積み立て      2000万円 蔵書充実のために寄付を受けたため、寄贈文庫の設立や図書館資料等の整備のため教育施設整備基金に積み立てる
文化・スポーツ全国大会出場奨励金    80万円 全国規模の大会へ出場する個人に1万円(国際大会5万円)、団体に5万円(20万円)の奨励金を交付
物価高騰対策支援

2億5647万円

国の臨時交付金を活用し、低所得世帯(住民税非課税世帯7600世帯)に3万円を2月から順次給付。18歳以下の児童1人当たり2万円(対象700人)を加算する
英検受検料の追加

122万円

小・中学生の英検受検料を全額補助するため、当初予算に232万円計上していたが、不足分を追加する。財源はふるさと納税寄付金

 

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