気仙沼市の唐桑半島ビジターセンターのリニューアル工事がようやく始まります。休憩機能を充実させ、予定より1年遅れの令和6年春のオープンを目指します。
センター(鉄筋コンクリート造平屋建て面積468㎡・昭和59年建築)は唐桑半島の観光拠点として平成30年には1.3万人が来場しましたが、施設の老朽化に合わせて宮城県から市に建物を移管しました。移管に伴うリニューアルによって津波体験館はなくなり、オルレなどのトレッキング客が休憩できるスペースを確保し、唐桑の歴史や文化を展示します。
【来春オープン目指す】
建物内部には、ソファーやペレットストーブを配置し、くつろぎ空間を演出します。建物の周囲にはデッキを整備します。展示設計と大規模改修工事の予算は2億2899万円で、環境省と県からの補助金を充てるため市の負担はありません。
※6月23日の気仙沼市議会議員全体説明会の資料です → 唐桑半島ビジター_御崎エリア
【からくわ荘跡地の活用策は未定のまま】
心配なのは、施設のコンセプトです。
当モンベルグループのネイチュアエンタープライズに委託した調査では、国民宿舎「からくわ荘」跡地をオートキャンプ場、センターにはキャンプ場の管理機能をはじめ、アウトドア用品売り場や飲食施設を整備する案が出されました。しかし、経営を成り立たせるのは困難と判断し、市は「これまで前提としてきたオートキャンプ場にこだわらず、広くアウトドアをイメージしつつ、唐桑地域・御崎地区にふさわしい適切な活用方法を今後も模索・検討したい」と明確なコンセプトを打ち出せないまま、リニューアル工事に着手しました。
アウトドアを中心にするとはいえ、唐桑オルレは開設から5年で1万人の利用にとどまり、ほかの市町に比べると低調なほか、県営御崎野営場の令和4年度の利用者は1777人(稼働率4%)にとどまっています。
センターの施設は改修しますが、その機能についてはさらなる検討が必要です。地元だけでは限界があるので、地域外からの新規参入も含めて議論してきたいです。