人口減少と向き合った対策を【市議会6月定例会の一般質問報告】

気仙沼市議会6月定例会のまとめ作業がようやく終わりました。議会中も大変ですが、終了後の記録整理も実は大変で、これが終わるとホッとできるのです。一息ついたら、まとめ作業で整理したことを関係者に伝えて、次に備えていくステップになります。

さて、定例会の報告第1弾は一般質問の成果です。

■保育所再編、高校再編から人口減少と向き合う

今回は人口減少が加速していく中、少子化対策だけではなく、減少に向き合った取り組みもしっかりしていきましょう、しかも分野別に個々に考えるのではなく総合的な視点も持ちましょうということを議論しました。

市長とは問題意識は共有できている気がするのですが、担当部署レベルではまだまだなと感じました。これから市総合計画の改定作業が始まっていくので、そこでしっかり議論を続けたいです。

具体的には保育所再編、高校再編、ふるさと納税について取り上げています。

なお、高校再編についての最新情報は6月5日のブログにもまとめてありますので気になる方はご覧ください。

観光推進機構の見直しを

観光推進機構(DMO)についても少し議論しました。

観光協会、商工会議所、気仙沼市などが一体となって観光に取り組むための組織なのですが、観光協会の縮小もあって、いろいろと見直しが必要になっています。措置からの評価は高くても、地元ではまだよく分からないという観光関係者もいますので、今後も議論を続けていきたいです。

詳細は下記の通りです。PDFデータはこちら⇒今川悟一般質問概要2024.6.25


2024年6月25日 今川悟一般質問概要

 

1.人口減少に対応した市政について                                       

現在約5万7000 人の本市の人口は、これからも毎年1000 人近く減少し続け、20 年後には3万人台になると予測されています。この人口減少を緩和するため、少子化対策や移住促進などを盛り込んだ「けせんぬまWell-Being プラン2024」が策定されましたが、現実に向き合った対応策も必要と思いますので、次の点について質問します。

 

質問① 出生数減少の影響は、保育所や幼稚園などの児童福祉施設を直撃しています。本市は令和5年2月に新たな児童福祉施設等再編整備計画を策定し、施設再編を進めていますが、この春には波路上保育所が児童減少によって休所し、民間の認可外保育施設も閉所したほか、来春には民間の認可保育所も閉所することが報道されるなど、施設再編の必要性が深刻化しています。この状況では、再編整備計画の基本事項とした「民間事業者の参入促進」は難しくなると感じますので、民営化候補施設の検討状況と促進策を伺います。また、再編整備計画の今後の進め方、計画の見直し及び検討組織に関する市の考え方を伺います。

 

菅原市長 人口減少に対応した市政についてでありますが、児童福祉施設等再編整備計画に掲げた民間事業者の参入状況については、本年4月の葦の芽星谷幼稚園の認定こども園移行により、同園に保育部門が整備されたことから、計画どおり松岩保育所を閉所したところであります。なお、施設の民営化については、計画では、気仙沼地域のほぼ全ての施設を民営化候補施設としていることから、民間事業者に個別に意見を伺っており、条件面や課題などを整理しながら、公募に向けた準備を進めてまいります。

また、施設の再編等については、唐桑地域において、幼稚園入園児童の減少が顕著となっており、令和7年度から唐桑保育所を認定こども園に移行し、保育所入所条件に関わらず受け入れ可能な状況にすることで、施設の集約化を図ってまいります。他地域においても、今後の入所児童数などの推移を見ながら、施設の集約化や民営化について検討を重ねてまいります。

児童福祉施設等再編整備計画については、令和8年度までの計画としており、児童数の推移や保護者の意向を確認しながら計画に基づき進めていきたいと考えておりますが、引き続き、子ども・子育て会議や就学前児童の教育・保育施設連絡会議において意見を伺いながら、計画期間内であっても必要があれば見直しを検討してまいります。

 

今川 年間出生数が非常に厳しいペースで推移しています。昨年だと届出ベースで205人でした。今年は5月まで68人ですので、前年同期比だと約8割のペースとなっていて、このままだと今年の出生数は160人程度にとどまることになりそうです。

その上でお尋ねしますが、再編計画では小規模保育所(月立保育所)は入所児童の推移を見ながら閉所する方針で、唐桑地区は唐桑保育所の子ども園化に合わせて再編するということは答弁でもありました。民営化については、直近で検討する「民営化候補施設」として内の脇保育所と牧沢きぼう保育所を位置付けていますが、具体的にどのように考えていますか。

村上子ども家庭課長 議員おっしゃる通り、再編整備計画では内の脇保育所と牧沢きぼう保育所を優先して民営化する候補施設としています。このほかにも市内にある施設は全部候補に挙げている状況ではありますが、いずれ事業者と今後も丁寧に意見を伺いながら、民営化について進めていきたいと思います。

 

今川 民営化の話から進めます。市内ほぼすべてという話ですが、「民営化を検討する施設」と「民営化候補施設」と二つに分けて優先順位をつけたのですが、話はまだ進んでいないということでしようか。心配なのは、気仙沼第二保育所がゼロ歳児から預かっていますが、児童数の減少を受けて来春での閉所を決めました。そういう事業者が候補者として検討すると思ったのですが、話し合いは個別に進んでいると考えていいですか。

 

村上子ども家庭課長 民営化の部分は計画策定時に一度、各事業者さんと意見交換しました。なお、児童数減少も進んでおりますし、早急に取り組まなければならないという部分もありますので、またあらためて各事業者さんと意見交換の場を設定して進めていきたいです。

 

今川 一年一年大きく動いている状況ですので、来年度とか再来年度とかの感じでスケジュールを考えているのですか。

 

村上子ども家庭課長 急いで進めていきたいと考えています。ひとまずは各事業者さんと再び意見交換を進めて、速やかに公募の方に向けて動きたいと考えています。

 

今川 市側の保育士の雇用に関わる問題ですので、簡単に来年から移行します、公募しますということは難しいと思っています。普段から緊張感を持って頑張って頂きたいです。あと崎浜保育所は学校施設の有効活用を検討する方針を示していましたが、(その候補だった)大島中学校が公民館として活用されました。どんどん状況が変わっていますので、計画の見直しが必要だと思います。

 

村上子ども家庭課長 確かに崎浜保育所は学校施設を利用すると記載していますが、正直なところ、具体的な検討に入れる状況ではございません。市長の答弁にもありましたが、計画の見直しに当たっては各種会議等で意見を伺いながら、必要であれば見直しの検討をしていきたいと考えています。

 

菅原市長 少子化の進み具合は今川議員のご指摘があった通りです。例えば、去年生まれた方が実はそのまま全員、気仙沼市に住民登録していないとか、そういうこともあるということが、このくらいの数字になると非常に神経質に見ていかなければならない状況だと思います。中学校だったら12年、小学校だと6年の猶予がありますが、保育所や幼稚園、子ども園については待ったなしです。正しくは計画を見直して実践していくことだと思いますが、計画をまず考えて、それから実践していくスピード感で大丈夫かってことが今日の質問には含まれていたと思います。計画をつくる人たちは決まっているメンバーですので、実践を交えながら、相談しながら、確認しながらというスピード感がないと追い付かないという風に思います。

あともう一点、ここにすべての施設の内容を網羅しながら話しているわけではないという少し問題はありますが、前提として話せば、まず民営化は民間が成り立つ形にしてあげないといけないということだと思います。民間にとって一番の心配は、子どもの減少だと思います。子どもの減少の中にあって、民間が施設を引き受けていくということに対して、どのように我々が一緒になって構想を練って、民間の皆さんが成り立つということを前提にするのであれば、どういうような組み合わせ、また調整・整理が必要であるかということを併せて考えないと、誰も受けないと思っていますので、今のスピード感を改めさせて、私がいま話したような現実的なことを、また相手の施設を持つ人たちの状況をよく考えたうえで、提案していかなければならない。もちろん通う人たちも大事ではありますが、河北新報の記事にもあったように白石市では6つを1つにしますと、28年ということですでに空いている施設もあるということでしたが、そういうような時代に入ったということを意識していかなくてはいけないと思います。

 

今川 子ども・子育て会議等で話し合いをしてくれるということですので、専門家の皆さんにお任せしますが、子ども・子育て支援事業計画策定へ向けて7月、12月、2月と子ども・子育て会議が予定しているということなので、いま言ったような状況の変化を逐次確認しながら、機会をとらえて進めてください。いまおっしゃった民間側のメリットを示さないと、なかなか手を挙げてくれる民間はありません。計画では地元事業者に配慮することにしていますが、外から参入すると、市民にとってもいろいろな影響がありますので、専門家の皆さんと意見交換して進めてほしいです。

 

 

質問② 県立高校の教育改革を目指して、宮城県教育委員会が第4期県立高校将来構想の策定に着手しました。生徒数減少に伴う再編だけでなく、小規模校の在り方、高校魅力化、多様な学びについて検討していくため、地域からの意見聴取をすることにしています。一般質問等で議論してきましたが、気仙沼・本吉地区における高校の役割は、市政や地域産業にとって重要です。そこで、本市の役割と今後の取組を伺います。また、市外からの生徒確保に向けた私立高校との連携や支援、ニーズが高まる通信制への支援などが必要と思います。一関市のように情報共有の場づくりから始めるべきと考えますが、市の考え方を伺います。

 

小山教育長 人口減少に対応した市政についてでありますが、本市の高校に対する役割と取組については、出生数減少の中での高等学校の本市における重要性に鑑み、令和3年に県教育長に対して提言書を提出し、県担当課との間で要望・意見交換を続けております。

県教育委員会は、今年2月から「県立高等学校将来構想審議会」で次期構想に向けた審議を開始し、本市の提言書の内容と関わる審議の予定が示されました。本市としては、市内・市外を問わず、高校進学希望者が魅力を感じる高等学校及び地域を目指して、高校教育内容・教育環境の両面から、さらに担当課と意見交換してまいります。

教育内容面では、普通科の更なる魅力化、専門高校の少人数学科化等による、地元産業に貢献できる新たな専攻分野の設置、専攻科の改変が必要と考えます。教育環境面では、地元産業界を含め地域全体での高校支援のさらなる充実による魅力化を検討してまいります。

市内の私立高等学校1校及び通信制課程高校2校は、市外高校生の受け入れに貢献していることから、これまでの連携・支援に加えるべき事項を含めて検討してまいります。

 

今川 いよいよ県教委が新たな構想策定に動き出したのですが、心配していたのとは逆方向に小規模校もある程度認めていこうという話が出ています。私も第2回将来構想審議会を傍聴してきました。(検討項目には)中高一貫、スクールバスの運行、市町村立高校設置の可能性まで踏み込んだテーマが掲げられていました。審議会の内容を確認しているのであれば、市教委としてどういうところを注目していますか。

 

佐々木学校教育課長 県教委の先日の発表を現在、精査研究しているところです。気仙沼・本吉地区は公立高校4校、私立高校1校、さらに通信制を構えている学校が開設されています。地区内にある高校と連携を密にして今後の地域の教育の在り方といったところの情報交換を継続していきたいと思います。

 

今川 これから地域のヒアリングに入っていくということです。中間報告がまとまれば地域での説明会もありますので、先手を打った対応を願います。地区内の公立高校4校の定員(全日制)600人に対して今春の合格者は395人と定員割れが著しくなっています。本吉響高校は定員120人に33人の入学で小規模化が進んでいます。しかも14年後だと南三陸町を含めて230人しか中学卒業者がいません。地元の公立高校に進学するのはその3/4ほどですから、170人程度です。そういう時代が確実にやってきます。特の小さい学校に対して地域の支援をしっかり考えてください。

 

佐々木学校教育課長 今年3月の中学卒業者は509人でした。そのうち9割くらいが気仙沼・本吉地区の高校へ進学しており、最近では私立や通信制にも進学しています。通信制は本社が他県にありますが、本市にサテライト校があるところもあるので、実質はもう少し地元に通っている子どもの率は上がると思うのですが、小学校から高校まで引き継ぐキャリアパスポート「志シート」によって、進路指導を引き継いで学習を進めています。市教委として小中学校へアプローチしていることとして、ふるさと教育や地域学習、体験学習を通してふるさとを思うローカルな視点での教育活動を実践しています。地域の高校で探究学習や将来に向けた進路学習を進める上で、気仙沼の魅力と地域資源をフルに活用した教育活動を展開していくように高校とも連携を図ってまいります。

 

今川 それぞれの学校のニーズによると思います。その話し合いの場はコンソーシアムになっているのですか。あと、一関市では市内の私立高校の教育を考える懇談会を一関市長が呼び掛け人になって設置しました。私立高校のニーズ、通信制のニーズとか、そこの課題を把握して、行政に何が支援できるかを話し合う場が必要です。どういうことを検討しているのですか。

 

佐々木学校教育課長 高校とは毎年、情報交換を行っています。入試制度の内容など進路情報の共有もしています。協議会立ち上げとかそういうことではなく、フレキシブルに情報共有ができるような関係を維持していきます。

 

今川 教育委員会の答弁は教育に関することになりますが、地域づくりとか産業にも直結してきますので、行政としてもうちょっと支援する内容がないか考える場所が必要です。あと審議会の資料を見て驚きました。気仙沼・本吉地区の公立高校だけ見ると地区外への流出の方が多くて、流出24人に流入2人でマイナス22人でしたが、私立を含めるとプラス7人になります。流出35人に流入42です。これは東陵高校が寮を持っていることで、地区全体だと高校生は増えているのです。そういうことを考えると、高校の支援もしていけば若者を呼び込む場所になると思います。つまり教育だけではないので市長にお尋ねします。市として学校と話し合う場を持ちませんか。

 

菅原市長 いろいろお話を頂いたので、順を追って私の考えを述べます。まず公立高校が定員割れをしていて全入に近いわけですが、今後、学級数と再編ということまで進むか分かりませんが、起こってくるということです。本市から先手を打つということで市の考え方を述べました。

ここにきて別な大きな波が来ていると思います。県全体で考えれば、高校で教育していただきたいこと、高校卒業の人の受け皿というのはもっと明確な色となってきていますので、その色は気仙沼市にない色です。ですから、もしかすると高校生も同じ色を望んでいるかもしれません。したがって、次の再編等においては特に産業高校における学科というのが気仙沼市のその後の高校卒業の就労者に、地元就労にものすごく大きくかかわってくるということからすると、県は極端な話、気仙沼にないような産業に向ける生徒を養成するような学科をつくれば人が来るのだよっていうようなことを話してくる可能性はあります。そして子どももそれを望む可能性があります。そこをどのように我々が整理して、何を求めて形にしていくかということは相当議論が必要だと思います。これは一番の課題だと思っています。

私立高校について言えば、入ってくる人だけ言いましたが、気仙沼市以外の生徒が気仙沼市内の私立高校に入ってどこに就職したのかと、その後、気仙沼の人になったかということを調べないと分かりません。ダメということではありません。多くの高校生が気仙沼にいるということにどれだけ価値観を求めるのか、その人たちが市外にしか就職しない場合に税金をどこまで使えるのか、ということを全体で何が正しいのか調整しないといけないと思っています。

全日制の私立は1校だけですので、協議会をつくる必要はなくて、もっとフランクに話せばいいと思います。これはコンソーシアムの場ではないです。子どものためのもので学校の経営のためのものではありません。お話ししたかったのは、再編について宮城県がいま求める人材というものが県教委の方でどれほど県庁、知事部局の方の影響を受けて考えてくるのかなと、そこが色濃いと我々としては非常に難しい判断をしなければいけないかもしれない。それが悪いかというと、そうも言えないところもありますが、相当な議論、検討が必要だと思っています。
私立については一義的には人を呼び込んでもらう、そういう役割だと思います。そこには一定程度の支援が必要だと思います。本市の子どもたちも通っていますし、その機能は維持していただきたいと思います。

 

 

質問③ 少子化の影響は、児童福祉施設、小・中学校、高校、そして産業、社会機能の維持、地域コミュニティへと範囲を広げています。人口減少対策のアクションプランとして策定した「けせんぬまWell-Being プラン2024」は、「~したいけどできないことを、できるようにすること」を目指しましたが、これから増えていく「できなくなること」を予測して先手を打つなど、将来のために長期的かつ総合的、そして横断的な視点で人口減少と向き合った対応も必要です。その役割は市総合計画だと思います。現計画は令和8年度までの10 年間で、これから新計画づくりの検討が始まると思いますが、人口3万人台のまちを見据えた長期ビジョンと気仙沼版「未来の年表」を加えることを提案します。次期計画策定について市の考えを伺います。

 

菅原市長 次期総合計画策定に係る本市の考えについてでありますが、現計画期間が令和8年度までとなっていることから、同年度中の公表に向け、令和7年度内から具体的な作業に取り掛かれるよう準備を進めてまいります。また、次期計画の構成や内容、策定手法等について、特に、将来的な人口の推移及び予想される社会経済情勢等の変化をどのように扱い、反映させていくかなども勘案しながら検討してまいります。

 

今川 これを三番目の質問にしたのは、保育所再編も高校再編も、小中学校再編にしても将来ビジョンが必要だと思うからです。個別に議論することも大事ですが、そこにはしっかりとした土台があって、将来ビジョンがあって、これから気仙沼市がどんな課題を抱えていくのか、それに対応する人材をどう育てるのかということだと思います。未来の年表については、 みらい人口会議のシンポジウムで講師を務めた河合雅司さんの著書にもありますが、同じようなものを気仙沼版としてつくれないかという提言です。

 

菅原市長 令和7年度に何をするのかということについて、担当部局から帰ってきたのを私が直しました。さらに1回合意したのをまた直しました。なぜかというと、令和7年度になんでもかんでもやってしまうのはよくないと思っています。なぜこの計画が令和8年度までになっているかということなんですね。それは私たちの経験上、新任期の議員さんと市長さんが責任を持つ必要があるという意味で、前の任期の人たちの中でほとんど作ってしまったらよくないという反省がありまして、7年度は先ほども言いましたように準備を進めるような、ただ、今川さんが言うように起こり得ることをどんどん出す作業は早くした方がいいです。年表というものがうまく機能するか、私は学者のことと、話は違うと思っていますけど、そのことを含めてじゃあ何ならできるんだという勉強からしたらいいと思います。そういうようなことがまず前提にあると思います。

いろんなものが縮小していく中で当然、考え方も変えなくていけない。その一本貫いた縮小する社会におけるあり方というものを追求するフィロソフィー(哲学)みたいな、10年なのか前後期にするのか分かりませんか、書かれなくてはいけないと思います。そういうものの、一つ大事なところの大きい部分にwill-beingという考え方は大きな位置づけをされるとイメージしています。

 

今川 昨日の一般質問でもシティブランドとかそういう話がありますので、そういったものがしっかりしていれば、整理がしやすいと思います。特に高齢化の問題がまだちゃんと共有できていないと思っています。介護保険と後期高齢者とかでやってはいても、市全体の中でどういう課題として位置付け、整理することが必要だと思います。何が起きていくのかに備えて、先手を打って準備していくための総合計画を10年といわず、ビジョンとして20年、30年先を見据えた長い目で気仙沼の在り方を考えて頂きたいです。

 

 

質問④ 昨年度のふるさと納税が約95 億円と好調だったことを受け、その使い方に市民の注目が集まっています。現在は未来への投資として少子化対策、企業誘致、教育に力を入れて活用していますが、大きな社会課題の一つである高齢化への特別な対策も必要です。気仙沼出身者の多くが、ふるさとにいる父母や祖父母を気にかけています。返礼品にタクシー券、健診、除草、家事代行など、出身者のお困りごとに対応したメニューを用意している自治体もあります。高齢者が生き生きと暮らすための施策に寄附を活用することについて市の考えを伺います

 

菅原市長 ふるさと納税についてでありますが、これまで人口減少対策パッケージ、教育パッケージを発表し、その他も織り交ぜながら活用してきたところです。一方、全国では制度そのものの在り方について議論が喧しく、また、本年度は昨年度と違い、寄附集中期はひとコブしか期待できない状況であり、本市としても将来の寄附額の推移については慎重な予想が必要であります。

見通しが許した場合の新たなパッケージについては、昨日の菅原俊朗議員への答弁にある経済の重点項目などが優先的対象になるものの一つと考えております。例を教えていただいた、出身者による地元高齢者支援をメニュー化することについては、そのサービスを行う新たな事業形態創出にも繋がる可能性があり、価値の高い取組となりますので研究してまいります。

 

今川 ふるさと納税でも気仙沼で起こりうる問題を先取りして考えてください。気仙沼でも返礼品に空き家管理サービスがあります。実家が空き家になった場合に、写真を撮って報告するサービスを1万1千円の寄附で受けられます。そういったサービスが増えるように支援する仕組みが必要です。これこそふるさと納税らしいと思います。ふるさと気仙沼を維持していくために必要なことです。

 

菅原市長 ふるさと納税らしいというのは非常に大事なことだし、ふるさと納税の是非とか、制度の内容について話しましたけど、そこに対する対抗措置であると思います。一方でカタログショッピングという部分がぬぐえないというのもそういうことだと思います。両方とも併せ持つということで、いい話だと思って先ほど答弁させていただきました。つまりは仕組みをつくるのではなくビジネスをつくるのだということです。目標があって初めていきいきとして動いていくというのがふるさと納税の教えだと思っています。

本市の助役を務めた須藤治中企庁長官がこういうことを言っています。「地域の課題解決を通じて成長するるローカルゼブラ」。初めて聞いたのですけど、そういうようなことがビジネスになって、そこが大事だとおっしゃっていますので、まさしく本日の提案はそこになればいいなと、それを一個だけできないと思いますので、片付け屋だけでもたぶんできないので、肩もみ片付けや除草も含めて、私はこういう仕事をつくりますよという企業に、昨日の菅原俊朗議員の質問でも答えた中でもありますけど、創造的産業復興支援事業補助金などを出していきたいです。そのようなことにつなげていきたいと今は思っています。
それと高齢者のことをもう少し話すべきだとお話がありました。まさしくそうで、先日、経済の重点項目で挙げたのは生産性の向上、もうひとつは女性です。もう一つつ考えているのは高齢者の活用、戦力化だと思います。どう考えていいか分かりませんが、昨日の河北新報一面に東北地方は女性も高齢者も全国の中で余計に働いているとありましたので、ここは中身だと思います。高齢者といっても課題は超高齢化社会における75歳以上、75歳未満という区分になると思うのですが、その比率の中で何をしていくのか。65、75歳の皆さんにどう活躍していただくか。そういうようなことも含めて、我々の課題として真正面から取り組み、政策を出していきたいです。

 

今川 ふるさと納税の本来の趣旨であれば、気仙沼出身者が気仙沼に寄附してもらうところも頑張ってほしいです。そのためには気仙沼に住んでいる家族らの支援メニューがいいのかなと思いました。人口減少の裏を返せば、気仙沼出身者がたくさん外にいるということですので、そうした方々が気仙沼のためにふるさと納税を使いやすいメニューを考えて頂きたいです。今年度の実績を見ながら、議論を続けていきます。

 

 

2.気仙沼観光推進機構の在り方について                                    

平成29 年に設立した気仙沼観光推進機構の在り方について、令和4年12 月の一般質問で議論し、目指すべき将来の形と成果の検証、自主財源の確保、中・長期ビジョンなどが課題として浮き彫りになりました。観光客が回復傾向にある中、同機構の課題整理は観光行政にとってより重要となっていますので、次の点について質問します。

 

質問① 前回の2月定例議会で、観光協会へ補助金が大幅に削減されることについて議論した際、菅原市長は「身の丈に合わせて、より一体的な運営をしていくため、けじめをつけてスタートする」と答弁しました。この発言の真意とその後の対応について伺います。

 

菅原市長 先の2月定例会予算委員会での私の答弁の真意とその後の対応についてでありますが、東日本大震災後、国の緊急雇用創出事業の趣旨に沿って観光協会職員を増員し、平成29年の観光推進機構体制移行後は東日本大震災復興基金、令和3年度からはデジタル田園都市国家構想交付金を雇用の財源として繋いできたところであります。

特に同交付金については、事業費補助金として交付しており、そのことに伴う事業の多様化と高度化、複雑化、20人を超える職員マネジメントが重荷となって、逆に成果が出にくい状況となってしまったことから、協会として一旦、事業の見直しと体制の縮小をすることとしたものであります。

一方で、このことに伴って観光施策の遂行に支障が出ないよう、観光推進機構で各団体の役割分担を見直し、観光協会は各支部の事業のほか、主に玄関機能を担うこととし、旅行会社の依頼によって手配業務を行うランドオペレーター機能や稼げるガイドの育成事業は地域戦略が担うこととしたところであります。

 

質問② これからの観光推進機構の在り方について検討状況を伺います。特に設立当時にイメージしていた推進体制からの状況の変化、当初から課題とされていた観光関係者への浸透と財源について、市の考えを伺います。

 

菅原市長 観光推進機構の在り方の検討状況についてでありますが、目指すべき将来の形といたしましては、令和4年12月定例会の一般質問で答弁いたしましたとおり、市が担うべき公共施設の整備や政策調整、行政連携等に係る業務を除いて原則として外出ししていくということに変わりはありません。しかしながら、その実現までの過程においては、先ほどの答弁のとおり、適宜、各団体が果たす役割の最適化を図りながら、観光事業者に真に必要とされる組織体制を目指す必要があると考えております。

課題であった観光事業者の理解・浸透については、これまでのコミュニケーション不足を反省し、令和6年度事業方針の立案にあたり、宿泊事業者と観光推進機構事務局との意見交換の場を設けたところ、参加者から継続を望む声があがったところであり、今後は、より具体的な事業についても議論してまいります。

また、もう一つの課題である財源については、本市がベンチマークとするスイスツェルマットの受益者負担の考え方を理想とするものの、我が国においては極めてハードルが高いのが現状です。ツェルマットの考え方というのは、宿泊税ももらいますが、観光事業者からもお金をもらう仕組みで、そのハードルは極めて高いということです。なお、現在、県が導入を検討している宿泊税については、県担当部幹部が度々来市しており、その一部について、固定的に市町村に配分すること、その他に市町村の申請により交付する枠の創設を求めているところです。

先ほどの観光事業者との関係ですが、議員もたびたび参加していただいておりますけど、年に 1 回の報告会などが、主に外の人が中心になってきていて、観光推進機構の全体の構成者である観光業種に関わる業界の方たちが非常に出席が少ないということが、あの今日の質問の問題点を象徴していたというふうに思いますが、先ほど言いましたように、あの宿泊業者等とは話を進めて、そうでなければあそこに出てくるKPI の宿泊数に何の意味があるんですか?ということになってしまいます。そのことを改善するところから始めていきたいです。先般の報告会では、地元の宿泊業者もワークショップに入って意見を言ったりして、改善の兆しが見えてきたというふうに理解しておりますので、そのことを進めてまいりたいと思います。

 

今川 いろいろ課題がある中で質問しづらいところもありますが、最初にDMOの推進体制イメージが設立時に示されたのですが、その中で、おそらく観光協会の役割とか、あと前にも議論しました農協や漁協とその他の団体との関係性とか、そういったものがだいぶ変わってきて、新しいイメージ図を作った方がいいのではと思いました。

 

梅内観光課長 機構の内部構成団体においては、その都度、毎年度、役割分担等々を見直しております。ただ、基本的な組織体制という意味では、設立当時から変わっていないというところでございます。

 

今川 さっきの答弁だと、基本的な役割が色々変わっています。それは今、暫定的な変化であって、将来的には目指すイメージは変わらないってことなのですか。

 

梅内観光課長 基本的には変わらないというふうに考えていますけれども、その都度、役割を見直しながらというところで柔軟に対応して参りたいというふうに考えています。

 

菅原市長 わかりやすいのは観光協会です。観光協会に担っていただこうと思った機能については、ある意味一気にお願いをしてしまいました。そのために人を増員するといっても、その人たちが観光に精通した人たちだけではないし、その人たちが一年で育つわけでもないということの結果が、今回の状況を招いたというふうに思っていますので、そこは一旦、立ち止まって、確実にできる仕事をお願いをすることで、そこで狭間ができないように、そこの部分はできる限り地域戦略の方で担っていくということで、今年は進むことになります。

その上で観光協会にしても地域戦略にしても、より特色を持った担い手になっていただく必要があると思います。まだはっきりしていないのが、例えばスポーツコンベンションです。インバウンドの方は地域戦略と今回は色分けされています。そういうことも含めて確認をしていかなくちゃならないと、その議論の中でいかに構成員の方たちが議論に入っていただくかということが絶対的な条件だと思っています。そのことを密にすることに尽きると思います。そういう意味で観光課の役割が大変大きいと思います。

 

今川 昨年度の営業の成果が今出始めてきて、団体のツアーなんかも来ているようですけれども、誘客営業を将来どこが担うかっていうのは、やっぱり話し合っていただいて、このまま地域戦略の方で行くっていうのであれば、そういう体制を作っていかなければいけません。観光協会でやっぱり担当していくのであれば、そのための人材育成のために今から準備していかなければいけないと思います。体制が変わるのか、変わらないのかも含めて議論していただきたいと思います。まだゴールっていうか形が完成しているわけではないと思いますので、話し合いの中で考えていただきたいと思います。

あと、前回の議論の中で自己財源比率が高い釜石や熊野の事例を研究していきたいというお話がありましたけれども、成果は何か出てきているのでしょうか。

 

梅内観光課長 昨年度より地域戦略の方でランドオペレーター業務等々で少しずつでありますけれども、稼げる業務というところ担っておりますので、そういった他自治体の成功例等々いろいろ研究しながら、取り入れられるところは取り入れながら事業を展開していきたいとに考えています。

 

菅原市長 比率のことなので、全体額がどうだっていうことだと思いますので、そのことは確認をしながら、先ほど宿泊税の話もしましたけれども、自分で稼いでいくことがなぜ大事かというと、観光協会員や観光を構成する人たちが、やはり何らかの拠出はしていく必要があるわけですよね。その時に、やはりその人たちもちゃんと稼いでいるんだっていうことは大事だと思っています。

 

今川 宿泊税は事業者が反対している中で伺いにくいのですが、具体的に気仙沼市として見ている財源規模っていうような話までは進んでいるんでしょうか。

 

菅原市長 観光推進機構では宿泊税というものが観光にとって大事だということは共有されています。そこからまず議論始まっています。ツェルマットはそういうことだったと思うんです。だけど、観光業者そのものからもらうことはなかなかできないんじゃないか、あくまで、宿泊税は観光業者だとか、宿泊業者からいただくものではないわけです。そこが宮城県としての話し方にあの課題があるというふうに何回も指摘しています。いらっしゃる観光客の皆さん方に、次来た時はもっと良くなりますよというために出していただくのが宿泊税です。そのことを前提に、県の方が私はこれは進むんだと思っていますし、少なくとも県がやらなくても仙台市はやるわけです。ということで、いずれの形かで行われるという前提で考えた時に、県が仙台市は200円、その仙台における宿泊においては、仙台市が200円で、県が100円ということで、知事は県下一律でと話していて、郡市長も県下一律でと言っています。だけど、県が300円もらった時に私たちが200円いただいていいかというとそうではないんだと思いますが、一定の金額は必要だと思います。配分するのは非常に自然だと思います。というのは、あの私たちは議員さんが賛成するかどうかはわかりませんけども、その権利は持っているわけです。条例を作るのもそんなに難しくないと思います。例がいっぱいあることですので、一定割合というものは、まず一旦配分するということが必要じゃないですか。一方で、観光これからやりたいんだけども、今宿泊者が少ないところがあります。そういうところはやっぱり何かの枠があって、申請して私こんなことやってみたいっていう、環境税方式の部分を加える必要があるということを県の方にお話をしているところです。

ただ、あの今川議員がおっしゃったように、地元で宿泊税に真っ向反対の業界があったりして、首長さんたちもそのいろんな意味で広い議論ができない状態でありますので、本市としては観光推進機構で共有されていることと、ほぼそのことが宿泊税が導入されるだろうという前提の中ですと、お話をしたところです。

規模がどうのっていうことは、ここでは差し控えますが、本市は25万泊でありますので、100円なら2500万で200円なりに5000万ということになります。すべての人から取った場合に、まあ目勘定という意味ではそういう感じだと思います。

 

今川 最後の質問にしますけれども、観光協会への補助の話がありました。事業補助じゃなくて、観光協会の団体運営補助ということで、続けて2300万円余りを出していますが、これはもう恒久的な部分で安定財源として見ていいということですか。例えば、宿泊税が加わった場合の議論なのですけれども、これに上乗せしていくのか、これを財源に差し替える形になってしまうですか。これにプラスしていくということであれば、多分、観光関係者の方々もいいと思うんですが、もともと出したものは出さなくなって、そっちを財源を付け替えるというのはなかなか理解が難しいんじゃないかなと思いますけれど、もしそこに関する考えがあれば伺います。

 

菅原市長 宿泊税の一部が市に来ることに幸いになったとして、そのまま観光協会の予算になるってことは、ないと思います。観光協会については、役目に対して支援をするということになりますし、当然のことなら、県から私たちがもらっているペーパーでも、実際にその徴税をしていただくことになる宿泊業者については、何らかの手当的なものはあるし、当然その方たちとっても、今はどんな影響があるかわからないから、自分たちの商売仕事に対しても何らかの支援が必要ですねと、その手間の問題と支援の問題とが出てくると思いますが、そのことと観光協会の運営というもの、今後どんどん変わっていく可能性がありますので、そのことをパッケージで考えるというのは、少しあの早いし考えすぎと考えます。

 

今川 安定財源かどうか。

 

菅原市長 再生1年目だと思います。これを下回らないような補助を出していく仕事をしていくように、観光推進機構の方では観光協会に当然期待している状況だと思います。

 

今川 時間がない中で詰め込んで質問してしまいましたので、次回以降、いろんなタイミングを見まして、決算等もありますので、その中でまた議論を続けさせていただいております。質問を終わります。

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