小さな高校の在り方は?【県立高校将来構想審議会】

宮城県教育委員会の県立高校将来構想審議会が、小規模校の学びの在り方について検討を始めました。気仙沼・本吉地区の県立高校は、4校のうち気仙沼以外の3校(気仙沼向洋・本吉響・志津川)が1学年3学級以下の「小規模校」なので、県教委の新たな考え方に注目します。

【1学年3学級以下でも特例校として当面存続】

平成31年に策定した第3期県立高校将来構想(平成31年度~令和10年度)では、全日制課程の適正な学校規模の目安を「1学年4~8学級」に設定。適正規模を下回る学校は、速やかに再編の検討を始めることにしていました。

一方で、将来構想を具現化するための第1次実施計画(令和2年度~4年度)では、1学年2~3学級の学校は「特例校」として当面存続させ、地域の実情を踏まえて「分校化」する選択肢も示しています。ただし、特例校であっても在籍生徒数が収容定員の2/3未満となった場合は、3学級規模の学校は学級減を検討することにしています。

※第1次実施計画では気仙沼・本吉地区の中学卒業者がさらに減少していく見込みが示されています。令和6、7年に大きな減少幅となっています

【県立高校の1/4が小規模校化】

現在、県立高校65校のうち16校が小規模校という状況の中、一律に再編を進めるのではなく、地域の実情に応じた検討が必要になっています。こうした中、令和3年1月にに中央教育審議会で小規模校に関する考え方が示されたことから、宮城県でも小規模校の学びの在り方について検討を始めました。

【遠隔授業や学校間連携で工夫】

8月23日に開かれた県立高校将来構想審議会では、高校生や保護者に実施したアンケートの結果が示されたほか、志津川高校が取り組む公営塾や起業家教育などが説明されました。気仙沼市が始めた「気仙沼学びの産官学コンソーシアム」も紹介されました。

小規模校の課題とそれに対応する取り組みとして、県教委からは次のような考えが示されました。

このうちICT(情報通信技術)を活用した遠隔授業は、岩ケ崎高校などで始まっていて、今年度から本格配信されています。美術や数学などの授業を宮城野高校などから配信する仕組みですが、課題は配信する側の負担だそうです。

審議会委員からは、「気仙沼のような取り組みが広がればいい」「北海道は1学級の高校が多く、修学旅行などを町が支援している例もある」「小さくても理由があるなら残せばいい。特化したカリキュラムなどでいかに価値を与え、地方における存在意義を見せられるかだ」「県全体の高校が協力校になって支え合えばいい」などの意見がありました。

【大幅な定員割れ、学級減の可能性も】

審議会では今後、学校生活や学習に困難さを抱える生徒を支援する「新たなタイプの学校」について検討し、県教委は年度内に第2次実施計画(令和5年度~7年度)を策定・公表します。

気仙沼・本吉地区では、志津川高校が3学年合わせた定員360人に対して在籍数が149人(41%)、本吉響高校が同じく360人に対して179人(50%)と2/3を下回っており、学級減の検討対象となるのか心配されます。

また、中学卒業者がさらに減少していくため、特例校とはいえ、いつまでも再編を避けられない状況にあります。令和4年度は本吉地区の県立高校4校の全日制の定員計600人に対し、入試合格者は391人でした。中学卒業者は541人の見込みだったので、約3割の150人ほどが地元の私立の東陵高校、地区外の学校へ進学していることが分かります。県立高校とはいえ、存続と魅力化のためには地元の市町の支援策がより一層求められていくことになります。

 

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