気仙沼市が計画している新しい魚市場の内容が報告されました。
国から計160億円の支援を受けて、高度な衛生管理ができる施設を整備します。
新しい荷捌き所(魚を並べて入札にかけるところ)は、体育館のように壁で覆うことにより、開放されていた現施設よりも衛生的になります。マグロ類を取り扱う低温売り場もできます。
鮮度維持に欠かせない貯氷・砕氷設備、冷海水設備のほか、防災倉庫、クッキングスタジオ、観光客用の見学スペースも整備する予定です。被災した水産振興センター(船員講習会などを実施していた施設)も施設内に複合化する方針です。見学はガラス越しになりますが、「旭山動物園のように、上からの視点、下からの視点を楽しめるように工夫した」というから期待しましょう。
施設が新しくなるデメリットもあり、今までのように構内でサメのヒレを切り落とすような作業ができなくなります。「荷捌き所は作業場ではない」という指摘を水産庁と保健所から受けているそうです。
いろいろ大変になるようですが、高度な衛生管理は流通には当たり前になろうとしています。気仙沼だけ乗り遅れることはできません。増えることが確実のランニングコストの負担方法、津波対策を含め、知恵を出し合って前に進みたいですね。年明けに着工し、29年3月までに完成させる予定です。
なお、市の説明で一番びっくりしたのは、いま使用している北側桟橋とA・B棟は、サンマ棒受け網とカツオ一本釣りの水揚げにしか使用しなくなるということです。つまり、夏から秋にかけての盛漁期以外は、あの施設はほとんど利用しないというのです。単純に構内の面積が2倍になるのに、水揚げ量が伸びなければ、ずいぶんと閑散とした雰囲気になるかもしれません。
単発的なイベントには利用できるそうなので、いろいろとアイデアをひねりたいですね。好評だった「市場で朝めし」もいいですね。