きょうは気仙沼魚市場に計画されている防潮堤(海抜5m)の説明会に行ってきました。
地域産業の集積地であるこの地区に、防潮堤整備は必要ですが、課題は位置と出入口です。船が接岸して水揚げする魚市場の海側には造れないので、背後地に計画しています。
そうすると、魚市場から臨港道路への出入りが不便になってしまうのです。県は、調整中の部分(海の市付近)を含めて計5カ所に陸閘(開閉ゲート)を設置する方針を示しました。防潮堤の海側にトラックターミナル(魚運搬のためのトラック待機場所)ができるので、ゲート閉鎖後に取り残された車両のため、防潮堤を乗り越す道路も1カ所に用意します。
非常用の乗り越し道路は幅4mで、津波襲来が予想されるときは一方通行となります(当然、市場から外へ出る方向へ)。魚市場屋上へ通じるスロープは防潮堤の海側にあるため、今までのように津波避難のために魚市場以外から車を上げることは不可能になります。
今のところ、ゲート閉鎖の基準は決まっていませんが、今までの流れからすると、津波注意報が発表されれば閉鎖することになりそうです。もしもゲートが閉鎖されれば、1カ所にしかない乗り越しゲートにトラックなどが殺到して混乱する可能性があります。
それが盛漁期であれば、大量の魚が魚市場構内に取り残されることになるかもしれません。命が何りよ優先ですが、水産関係者にとってみれば、年に数回のこともある津波注意報のたびに、魚を放置することは死活問題になります。震源が遠ければ、津波注意報解除まてせ何時間もかかることがあります。放置して売れなくなった魚を、公的に補償してあげる仕組みがなければ、大きな問題になってしまいます。27~28年度の工事を予定しています。
この日は、港町の防潮堤計画についても説明がありました。
港町~南町の一部区間で防潮堤を整備しない分、魚市場から続いてきた防潮堤を気仙沼プラザホテル下の崖に接続しなければなりません。それには、港町の臨港道路を横断するように陸閘を設置することになります。幅は12mくらいの巨大なゲートが津波注意報のたびに閉鎖され、通行止めとなることも大変なことです。沿岸の大動脈が突然断たれれば、車で避難する人が右往左往する心配があります。
このように、防潮堤計画は避難計画と密接な関係にあるのですが、残念なことに、防災の担当者との相談は十分ではないようです。