気仙沼の働く人を徹底分析【国勢調査2020結果】

2020年に行われた国勢調査の結果から、気仙沼の産業の課題が浮き彫りになりました。働く人の平均年齢、産業分野別、男女別の雇用状況などが数値化され、現状の課題と今後の展望が分かります。

国勢調査の結果は順次公表されていて、今回は就業状態等基本集計が統計局のホームページにアップされました。

データを4つの視点で分析します。

【女性の就業率アップも。60代で男女差ハッキリ】

まずは基本データです。気仙沼市には15歳以上の労働人口が5万5074人いて、そのうち2万8763人が働いています。5年前より労働人口が約3000人も減ったのに、働く人は335人の微減に抑えられているのは、女性や高齢者の就業割合が上がっていからです。

気仙沼市の労働力率(15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者の割合)は57%でした。男女別に見ると、男性は68%、女性は47%で、5年前より男性が4㌽、女性は7㌽もアップしました。それでも県平均より男性は3.2㌽、女性は5㌽それぞれ低くくなっています。

下の表は気仙沼市の就労状況をまとめたものです。家事を専業とする女性は7004人で、このうち2488人が20~64歳でした。

労働力が不足している気仙沼では、就業率が低めの50~60歳代女性が働きやすい環境づくりがカギだと分かります。60~64歳で見ても、男性の労働力率は83%なのに女性は57%にとどまっています。

また、75歳以上で働いている人も1356人もいることに驚きます。このあと紹介する、産業分野別の就労状況でさらに分析します。

【個人事業主は20年で半減】

次は働く人の地位です。

働く人2万8763人のうち、雇用されているのは2万2146人でこのうち正規従業員が1万5782人、パート・アルバイトが6120人です。

雇用者のいない個人事業主は2120人。5年前の2132人と変わりないのですが、20年ほどで半減(平成12年の旧気仙沼市だけで3798人だった)しました。

【建設業が落ち着いて製造業が回復】

産業分類別の就業者数と平均年齢は2010年、2015年と比較してみました。

分野別だと、農林業、医療・福祉などで働く人が増えた一方、漁業、運輸業、卸売・小売が低迷しています。復帰夕・復興事業が落ち着いたことで、建設業が減って製造業が増えていますが、いずれも震災前の水準からかけ離れています。

全体の平均年齢は51.13歳で5年前より1.57歳アップしました。農林業だけでなく漁業も平均60歳を超えました。建設、運輸、飲食・サービス業などの分野でも平均50歳を超えています。

【働く人の2割が65歳以上に】

最後に、分野別に働く人の年齢と性別を分析しました。全体的には働く人の20%が65歳以上になりました。

農林業で働く824人のうち63%が65歳以上で、さらに191人は75以上でした。最も働く人の多い卸売・小売りは、高齢者、そして若者の働く場所になっています。

男女別では、男性は建設業、女性は医療・福祉に偏りがあります。建設業は85%が男性、医療・福祉は73%が女性でした。

女性の20代前半は製造業、後半からはは医療・福祉で働く割合が増えていました。

※さらに詳しいデータや分析内容を知りたい方はご連絡ください。勉強会も希望があれば開催します。

※7月には従業地調査結果が公表されます。どこで働いているか、重要なデータです。

 

 

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