使途未定の復興交付金161億円

気仙沼市議会東日本大震災調査特別委員会(12月5日)で復興交付金の情報提供があったので報告します。

被災地復興のために国が支出する復興交付金。気仙沼市にはこれまで2220億円が配分され、主に防災集団移転や災害公営住宅、土地区画整理に使用しいます。復興庁と被災自治体が協議し、定期的に追加配分を申請しています。国が設定した「集中復興期間」が27年度で終わってしまう予定のため、復興交付金にも限界があり、被災地はとても焦っています。

復興交付金は地元負担がほとんどなく事業が行えるので、できるだけたくさん配分してほしいのですが、さまざまなルールがあって被災地の思い通りにはいきません。そこで、国は自由度の高い「効果促進事業」という制度を考えました。防災集団移転などをより効果的に行うため、事業費のプラス20%分を一括配分したのです。一括配分の事業費の上限も1億円から3億円に引き上げられました。

気仙沼市には計266億円が一括配分され、津波避難シミュレーションや海抜表示などの防災事業、土地区画整理事業隣接地のかさ上げ、中学校の仮設グラウンド整備、小泉海水浴場への駐車場整備、大島ウエルカムターミナル整備、鹿折への公営墓地整備などに活用します。

11月の追加配分によって、使途が決まっていない効果促進事業費は161億円になりました。新たに災害公営住宅向けの事業が認められ、コミュニティバス、生活サポート施設なども可能になったほか、今まで認められなかった追悼施設も復興交付金で対応する方針が示されました。市役所内でアイデアを出している段階で、これから絞り込んで国との協議を進めていきます。

なお、効果促進事業は自由度が高いといえども、国民に増税を求めて確保した予算であり、無駄遣いは絶対に許されません。震災との関連性、復興への必要性、公益性がチェックされます。活用策は被災地によってさまざまで、アイデア勝負でもあります。

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