気仙沼市議の辞職勧告決議について

本日10月1日、気仙沼市議会は熊谷雅裕議員に対して議員辞職勧告を決議しました。飲酒運転の目撃情報が議会に寄せられたことへの最終結論です。目撃情報を基本とした勧告は異例のこととは思いますが、「酔って覚えていない」という言い分などに対し、政治倫理条例への抵触を問い、熊谷議員と議長を除いた全22議員連名での議案提出となりました。

発端は市民から議会に届いた匿名の告発文でした。大島の仮設住宅に住むという住民からで、「市議が飲酒運転をし、車から酩酊状態で降りてきたところを見てしまいました」と調査と対処を求める内容でした。議員が特定されていなかったので、市議会は全議員を対象に確認しましたが、名乗り出る人はいませんでした。

しかし、その後の調査によって、複数の目撃者から新たな証言が得られたことで議会としての厳しい対応が求められます。この目撃者は、船着き場から仮設住宅まで車で追跡し、「市議会議員が飲酒運転をして大丈夫なのか」と声をかけたことが分かったのです。目撃者は複数で、議長と副議長が話を聞いてきました。こうした事実をもとに、熊谷議員に弁明を求めましたが、「(船を降りてから)どうやって帰ったかまったく記憶がない」と疑惑解消には至りませんでした。

市議会としては飲酒運転をしたかどうかをこれ以上問うことはできませんが、議員としての倫理を問うことはできます。実は平成14年にも似たような疑惑があり、政治倫理条例を制定したうえで辞職勧告決議をしたことがあります。今回もこの政治倫理条例に抵触することを理由に、辞職勧告を出しました。詳細は決議案を読んでもらえば分かると思います。

気仙沼市議会は、4月の選挙から定数を6人減の24人にしております。数が減った分、一人ひとりの議員に今まで以上の役割が課せられます。しかも、今は震災からの復興期という重要な時期です。名誉棄損、議会内の対立というリスクもあります。その中での決断でしたが、こういう時だからこそ、議員の本質が問われていると思って決議案に賛同しました。この一件は、議員個人の問題ではなく、気仙沼市議会に対する市民の不信感につながるおそれもあります。そうならないため、今まで以上に議員活動を頑張らなければなりません。

この辞職勧告について、ホームページで発信することを悩みましたが、自分にとって不都合な情報だからこそ、しっかり意見を述べるべきだと思いました。議員になっても、正義と真実を追求する「記者魂」は忘れません。なお、辞職勧告に法的拘束力はありません。

平成26年10月1日

気仙沼市議会議員 今川悟

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