気仙沼市は27年度、地方創生の先行事業に取り組みます。まず2億6372万円を予算化し、プレミアム商品券発行や子育て支援給付金、福祉施設の人手不足対策、漁船員確保、空き家の活用などを計画しています。
地方の人口減少を危惧し、東京への一極集中を改善するために国が掲げた「地方創生」。地方の積極的な取り組みを支援する自由度の高い交付金(地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金)を用意しました。
本格的な取り組みは、各自治体が「地方版総合戦略」を策定してからになりますが、先行事業が始まります。宮城県などが計画している宿泊費用の補助などもこの一環です。
目玉は2割増し商品券
気仙沼の予定事業は下表(PDFはこちら→気仙沼市の地方創生事業)の通りです。目玉は2割増し商品券です。1万円で1万2000円分の商品券を購入できます。期限付きで発行するため、既存の気仙沼商品券とは別に実行委員会ほ組織して新しい商品券を印刷します。このため、9300万円の事業費のうち事務費が1880万円、換金手数料が420万円もかかってしまいます。
一方、出生や転入のお祝いに贈られる商品券1万円は、既存の気仙沼商品券の予定です。中学生以下の子どもが3人いる家庭には、子育て用品を買った場合に1万円を支給しますが、わざわざ申請しなければなりません。地方創生の取り組みなのですが、縦割り行政、アイデア不足がさっそく露呈し、心配です。
もちろん、観光、産業面で気仙沼らしい取り組みも予定しています。全国の料理人を対象にした料理コンテスト、気仙沼へのUターンやIターンを支援するバスツアー、漁船員になるための面接や研修への支援、介護スタッフを確保するための支度金・移住費用助成など、期待の大きな事業もあります。
これからは地域間競争の時代です。アイデアとやる気によって、地方に格差が生じていきます。復興とともに地方創生に取り組むことは容易ではありませんが、地域一丸となってがんばりましょう。