気仙沼市の2024年の人口動態がまとまりました。
2024年12月末現在の人口は56,300人と1年間で1,352人(2.3%)減少しました。世帯数は55減の26,145世帯でした。旧市町別に合併前と比較すると、唐桑で38.5%も減少しています。
人口減少の原因は、出生数を死亡者数が大きく上回ったことです。住民基本台帳に登録された2024年の出生数(届け出日ベース)は179人と前年より26人減った一方で、死亡数は1,126人と33人増えたことで、「947人の自然減」となりました。転入は1,212人、転出は1,617人と「405人の社会減」もありました。
震災前の2010年から2024年の経過を見ると、「自然減」が目立っています。
出生数はこの10年で半減しました。1970年代前半の団塊ジュニア世代と比べると、10分の1程度まで落ち込んでいます。これは何度も説明してきた通り、全国的な少子化に加えて、高校卒業とともに進学や就職で市外に出て、その多くが戻ってこないためです。
■若者流出で少子化加速
このことは、各年の出生数と現在の年齢別の人口を比較すると分かります。例えば、1985年に市内で生まれた子どもは1,019人でしたが、2023年12月末時点で1985年生まれ(38歳)の市民は471人(男性249、女性222人)と半減しています。この差が解消されないと、子育て支援等で出生率を引き上げられたとしても、分母となる親世代が少ないため、実際の出生数は減少を続けてしまいます。
人口ピラミッド(2023年12月末現在の住民基本台帳に基づく)から分かるように、団塊世代が75歳以上の「後期高齢者」に入っており、人口減少はさらに加速する見通しにあります。少子化対策、Uターン、移住定住政策に力を入れるとともに、高齢者が生き生きと活躍できる社会づくりが一層求められています。