小中学校再編計画を見直す考えはなし【一般質問の結果報告①】

気仙沼市議会6月定例会が終わりました。まずは一般質問の成果を報告します。

今回の質問は、「小中学校再編計画の見直し」と「市民に分かりやすい市道整備」の二つをテーマにしましたので、まずは学校再編から報告します。

【12年後の中学1年生は225人】

再編計画の見直しについては、残された統合計画(第3段階の対象校)に注力するという方針は変わりませんでした。新しいビジョンが必要なことは教育委員会も認識していますので、今回はその考え方を引き出すことを目的としました。

詳しくは後半の質疑概要を見てほしいのですが、今回のポイントは

・子どもの数は中学1年生が437人、小学1年生は392人、そして令和2年度生まれが225人と今後確実に児童生徒数が減少していくこと

・平成24年に策定した再編計画は令和3年度までの10年計画となっていること でした。

つまり12年後の中学1年生は225人になると分かっているのに、中学校を8校(現在は11校)に再編する計画のままになっているので、それで本当にいいのかここで立ち止まって議論しましょうと訴えたのです。

新しい計画は必要なのですが、それが見えてしまうと今の統合が進まなくなるかもしれない、ということが教育委員会の本音の答弁でした。しかし、統合の後にまたすぐ新しい統合となる可能性があるなら、今のうちからしっかり議論することが誠実な対応だと思います。

議員個人の指摘では方針が変わらないので、今後は賛同者を募って教育委員会を動かしていきたいと思います。

※下表は今年5月現在の中学生、そして住民登録数から予想した今後見通しです

 


今川悟の一般質問概要

2021.6.23

 

  1. 新たな小・中学校再編計画について                    

気仙沼市義務教育環境整備計画は平成24年度から令和3年度までの10年計画として策定されました。計画の最終年度ですが、残る7組のうち6組は合意形成の見通しが立たないままですので、今後の対応など4点について質問します。

 

【質問1】 第三段階の対象校となる階上中や条南中の保護者説明会では、次の統合も視野に入れたとも捉えられる説明内容となりました。こうなると、次の統合が気になって第三段階の話し合いが進めにくくなります。この際、第三段階の残された計画を引き継ぐ形で、新たな計画づくりに取り組む考えはありませんか。

 

小山教育長 新たな小・中学校再編計画についてでありますが、今後の児童・生徒数減少の実態を考慮し、子どもたちが集団の中で社会性や人間性を磨き合い、チャンスや能力を開く機会を広げるために、計画で示す学校統合は必要であると考えることから、第3段階を進めるスタンスに変わりはなく、令和4年4月以降のできるだけ早い時期での統合を目指してまいります。

義務教育環境整備計画は、文部科学省が望ましいとする学校規模を目指しながらも一律にそれを適用するものではなく、通学距離や地域ごとの歴史的な背景も考慮した、子どもの立場に配慮した計画であると理解しております。一方で、児童・生徒数の減少は、学校での集団活動や協働的な学習に支障を来し、社会性の育成などの面で困難を生じる重大な状況となっていることから、第一に現計画を推進し、統合を機とする新たな学校づくりに取り組むべきと考えております。

本市における出生数の推移から次期計画の必要性は明らかであり、計画策定に要する時間、実行までにかかる時間を考えますと、現計画の見極めの後、適正規模を主眼として新たな計画策定にほどなく進まなければならず、まずは第3段階に注力しなければならないものと考えております。

 

今川 質問の目的はすぐに計画を見直せということではなく、これからの話し合いを進めやすくするため、現段階での考え方をお互い整理することです。「残された部分をしっかり進めたい」ということは分かるのですが、行政の持っているどの計画でも計画期間が終われば、延長や改定の手続きが必要となります。今定例会に提案されている総合計画もその通りです。義務教育環境整備計画を策定した時は「今後10年間の学校規模・配置の適正化に向けた取り組みの計画を示すものです」とハッキリうたっているので、10年経って見直さないというのはおかしいと思います。内容はそのままでも計画期間を延長する手続きは最低必要ではありませんか。

 

三浦教育部長 策定時には第三段階の最終年度は平成33年度(令和3年度)とされていましたが、平成28年に見直した際、表現を「33年度を目途」と表記しなおしました。このことの説明が不足しているとの質問ですが、昨年9月に常任委員会に説明はしているものの、議会全体には説明ができていない状況なのでお詫びします。教育委員会としては昨年コロナがあったこと、決まるのが直前であった大島中学校のことがありますので、期間をあらためていつまでと示すことは非常に難しい問題が発生すると考えまして、計画をそのまま現在も続けていきたいと考えています。

 

今川 「33年度を目途」というのは計画の中でそれぞれの学校の統合時期を示しているものなので、計画そのものの期間をしっかり延長するなり、見直しするなりしてほしいと指摘しています。行政として計画をつくって、目標がすべて達成されていなくても計画期間が終われば次の計画をつくるのは当然の仕事です。28年に見直したときのように、教育委員会内部としてでもいいので期間延長手続きだけはとるべきだと思います。市長はどのように考えていますか。

 

菅原市長 総合計画のように期間ファースト、10年ごとの見直すんだとしているときはそのようにすればいいと思います。今回、本市において復興計画は総合計画に入れる形にしたので、今川議員の話に沿ったといえればいえますが、総合計画に入れなかったとして途中で道路をやめるのかということにはならないということもあり、一概には言えないと思います。義務教育環境整備計画の場合は、期間よりも目的が大事で、令和3年度では達成できなくて4年度になってしまうのだということなら、より必要性は高まっているということでもありますので、教育委員会が現在の考え方でということであれば、私としてはこれを早く達成して次の計画に進んでいただきたいと思っています。

 

今川 議論が平行線になりそうですが、私は計画期間が終われば延長・改定の手続きしてほしいと思います。先日、階上中、条南中の説明会を傍聴しましたが、説明内容はこれまでと変わっていて、その先の将来ビジョンの大事だという説明が加わっていました。総合計画の後期計画の中にも「現計画の先に新たなビジョンを持ちながら進める」と記載しています。新たなビジョンとは第四、第五段階のことと思いますが、そのビジョンがあってこそ残りの第三段階が進むと思います。

市長が言う「目的が大切だ」ということは否定しません。目的を果たすために次のビジョンが必要です。総合計画にある「新たなビジョン」とは何ですか。

 

三浦教育部長 新たなビジョンとは次に統合計画を立案する場合にどういった考慮が必要かということを教育委員会内部で話し合っていますので、その内容を何点か説明します。まず一つとして、学校統合の必要性と学区拡大とその程度、地域との関係、地域の歴史的背景等との面との折り合いをどのようにつけるか、さらに小学校と中学校とではその考え方も違ってくることなどがありますので、かなりの熟議が必要です。その次に児童数減少から見ると大括りにならざるを得ないがゆえに、一部地域に偏ることなく市内全域にわたる統一的な考え方に基づく計画にしなければならない。さらに、今始まったばかりの教育改革、例えばICTによる遠隔教育の効果も今後検証する必要があると考えています。それから最後に、人口減少等に伴う地域ごとの長期的な変化も見据える必要がありま。以上の4点を主な柱として捉えまして、市民の声も入れてしっかり時間をかけて確実なものにする必要があると考えています。

 

今川 そういったことを議論する場所がそろそろ必要になってきていると思います。これまでの議論では、教育に限らずに地域づくりや子育てとか福祉を含めた新しい学区というものを考えていかなければならないという答弁もありました。そういうことをこれから議論しないで第三段階を進めるのはすごく難しいと思います。それを議論しないで進めるリスクも心配されます。せっかくと統合したら、想定していなかった次の統合が待っていたということがないようにしてください。

現在の子どもの数ですが、中学三年生は433人で中学一年生437人と横ばいで、小学六年生は393人、小学一年生392人と横ばいにあり、いまの小学校や中学校では統合の必要性をいまいち感じにくい状態です。しかし、令和2年度生まれは225人という現実があり、それは10年前の計画策定時には見えなかったことですから、いよいよその先のビジョンを考えなければならない時期に来ました。しかも、今年1月から5月までの出生ペースだと、令和3年は190人になります。階段を下りるように段階的に子どもの数が減っています。このことを説明会で共有すれば、保護者から「次の統合はどうなるのですか」という話が出てくると思います。教育委員会はもう一度考え直してください。私も答弁を持ち帰ってよく考えますので、教育委員会の中でももう一回話し合ってほしいです。

 

【質問2】 複式学級の解消など理解が得られやすい統合から、学校規模の適正化を目指す統合へと移行していく中で、これまでのような進め方で結論を出すことは困難になっています。説明の対象人数が多くなると、特に統合のメリットとデメリットをより具体的に共有することが合意形成のために大切となります。復興事業では、話を戻さないための議事録づくり、話し合いを進めるための代表者による会議体の設置、第三者の協力などの教訓を学びました。プロパーの担当職員の配置も必要です。今後の話し合いの進め方について、課題と対策を伺います

 

小山教育長 話し合いの進め方の課題と対策についてでありますが、丁寧な合意形成の姿勢に変わりはありませんが、教育委員会からの一層明確な説明等により、話し合いの期間の短縮に努めてまいります。これまでも懇談会前に、保護者や地域の代表者との打ち合わせを行っておりますが、それを充実させていきたいと考えております。また、プロパー職員の担当体制を強化するとともに、担当職員の異動があっても進捗に影響が生じないよう努めてまいります。

 

今川 プロパー職員の考え方が示されましたが、いまもいなくはないけど、これからは計画作りから説明、統合までの間、5年なり10年なり担当するような職員を置くということですか。いまのように人事異動で出向してきた教職員、市の管理職が説明に当たるだけだと、どちらも長いサイクルで在職するわけではないので、プロパーの事務職員がしっかり面倒を見るべきだと思います。

 

三浦教育部長 教育委員会で昨年度から本年度にかけて「学校教育の在り方検討会」で計画の策定にあたってきました。学校教育課が主に関わりましたが、進行管理や会議の持ち方については教育総務課も相当お手伝いをしました。そういった取り組みを考えながら、教育委員会を挙げて取り組みたいです。

 

今川 テーブルに座って説明するのは幹部の方々ですが、自分事として関わっていけるように、説明の最前線に立つような職員配置をお願いします。本年度は教育長以外の担当者がみんな変わってしまいました。こういうことは避けないといけません。今後も説明会が続きますのでチェックしていきます。

 

【質問3】 急激に少子化が進む中、小・中学校再編と併行して新たな教育環境づくりが求められます。統合が決まってから取り組んできた学校行事や授業の連携を、統合に関わらず進めたり、複式学級解消や35人学級実現のために市独自に教員を配置したりする考えはありませんか。部活動の在り方についての検討状況と合わせて説明してください

 

小山教育長 次に、統合と併行した新たな教育環境づくりについてでありますが、教育委員会としてもご指摘の教育環境づくりを大切にして進めております。これまでも、ESDの取組等を通して、市内小・中学生合同の活動を充実したり、コロナ禍でも可能な活動方法を工夫して継続してまいりました。今後は、ICT活用によって、学校間連携をさらに促進してまいります。小規模校の多くは、現在、統合計画の対象となっておりますが、地域の皆様からの理解を得て、統合そのものとは切り離す形で、教育環境を充実させるよう努めてまいります。

35人学級については、現在、既に小学校97クラスのうち90クラス、中学校49クラスのうち45クラスが35人以下となっており、実態として進んでいる状況にあります。一方、現状でも予算の問題や教員不足から、欠員の補充ができないケースも出ており、35人学級を全面的に制度として取り入れることは特に教科担任制でない小学校で難しいものと認識しております。当面、県教育委員会への加配教員の配置を継続して強く要望してまいります。

また、少子化による中学校・部活動への制約についても、重大な問題と認識しております。市体育協会との話し合い等において、地域部活動について検討しておりますし、ICTを活用した部活動支援事業を継続しており、その充実策についても検討しております。

 

今川 国が35人学級を拡大する方針を示していますので、残り少ないのなら市としてがんばって実現する気持ちがほしいです。教育にお金を惜しまないという姿勢を見せないと、再編も進まないのと思います。残り7クラスだけなら、市で取り組むという考えはないのですか。

 

尾形学校教育課長 教員の配置は法律に基づき、それぞれの学校の学級数によって教員の定数が決まっています。ただ、中学校は教科担任制なので35人学級をつくることは可能ですが、業務が多くなれば子どもたちに寄り添う時間が減ってしまいます。小学校はさらに難しいです。

 

今川 質問通告書をよく読んでほしいのですが、私はいまいる職員で35人学級を実現してといっているのではなく、市独自に教員を配置していこうという話をしています。他の市町で取り組んでいる例もありますので、できない理由よりもどうしたらできるのかを一緒に考えていきたいと思います。課長も本当は実現したいと思っているはずですので、次は実現するために行政が何をすればいいのかという答弁を期待しています。

 

【質問4】 小・中学校の施設改修について、長寿命化計画では「第三段階の統合が見極められた段階で、新統合計画の検討に入ることになるが、その進行に合わせて改修計画を具体化した見直し版を作成する」と説明しました。「必要確実な施設」は状況に応じて検討するという説明もありました。震災後に学校施設は新しくしていません。さらにしばらく施設改修を行わないという方針だと感じましたが、その真意について伺います

 

小山教育長 小・中学校施設の今後の改修方針についてでありますが、文部科学省のガイドラインに基づき本年3月に策定した「気仙沼市学校施設長寿命化計画」において、長寿命化改良及び大規模改造などの改修手法を示したところではありますが、具体な改修時期については現段階で示しておりません。

改修時期については、第3段階の統合が見極められた段階で、新たな統合計画の検討に入っていきたいと考えており、その進行とその先の想定の中で、必要確実な施設を見極めたうえで、改修や改築などの手法と、その時期について具体化してまいります。

なお、その間、必要確実な施設において、老朽化が進み対応が必要となった場合は、状況に応じて改修等を検討するほか、児童生徒の良好な学習環境や安全を確保するため、日常の点検や修繕などを引き続き行ってまいります。

 

今川 第三段階が見極められてから次の計画という説明ですが、それは何年くらいと考えていますか。1年くらいなら分かるし、2年も仕方ないかなと思いますが、3年だと見極めは終わってなければないないと感じます。教育委員会の考え方を確認します。

 

三浦教育部長 統合問題は現在も対象校に説明を行っている最中ですので、ここで年限を申し上げますと、それをリミットと捉えられることもありますので、現在のところでは差し控えさせてもらいます。

 

菅原市長 関係ないところで口を挟むようで申し訳ないのですが、見極めという言葉が最初に使われたのは長寿命化計画でした。そのときの見極めとは、例えば大島中学校と鹿折中学校のように今年3月末に結論は出ましたが、統合するのは来年4月のように、第三段階が課題となっているところが全部うまく進んだとして、少なくても1年の時間あります。しかし、その1年というのは次の計画をつくるのにものすごく大事で、ある意味で時間が迫っているので、見極めという言葉を使いました。ところが、今回の答弁ではできないことも含めて見極めともとれるように書かれてしまっているので、私はこの答弁を書いた人は最初の意図で書いていると思っています。一方で、今川議員のいうこれからの時間の流れを質問したいのもすごくよく分かります。また部長がもう一年あれば確実だというのが出てきたときに、きょうお話をして何か年数を言ってしまうことによって足かせになることを恐れる事情も分かりますので、皆さんがそういう認識のもとで進めればいいと思いますし、いみじくも今川議員がおっしゃったように、今の中学生や小学生の人数の流れがあるように、ある意味、数字を見ればというところはあると思います。私もこの答弁を見るに当たって、教育委員会から各学校の予想生徒数見て、なるべく早く第三段階を進めて早く結論を出すことに注力することが適切だと思いました。

 

今川 その第三段階を進めるためにも次のビジョンは早くつくったほうがいいと思います。残った学校の説明会や雰囲気をみると、見極めという言葉が使えるレベルではなく、むしろすでに「当面は無理」と見極めないといけないくらいの厳しさを感じます。この1年、2年で劇的に進むとは思えません。早く次の計画づくりに入った方が、遠回りだけどゴールが近くなると思います。

1 Comment

  1. Mr.Peki-chan

    市全体で年間出生数が200人前後、先延ばしになればなるほど、中学なら1校化、小学校は南北2校化が視野に入ってしまいます。せめて中学校の南北2校化で早期決着を図るべきですよ。気中条南統合校と階上大谷統合校を先行させるとその2校への集約に繋がってしまうと思わられます。南が階上以南で良いのかも何とも言えないし、少なくとも北が浜見山なのは南に寄りすぎでしょう。学区の線引を先行すれば自ずとどの校舎を使うかは見えてくるものと思います。

    Reply

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


*