産業とまちづくりで伝えたい27のポイント【気仙沼市議会2月定例会報告③】

気仙沼市議会2月定例会の報告第3弾は、水産や観光をはじめとする産業関係、まちづくり関係です。

【中小企業・小規模企業振興基本条例を制定】

産業系で注目したいのは、中小企業・小規模企業振興基本条例の制定です。

市経済を支える中小企業・小規模企業を振興する姿勢を明確にするための理念条例で、関係団体で構成する条例化委員会を昨年11月に設置して検討を重ねてきました。思いが詰まった分、理念条例としては異例の細かさですが、まち大学構想やDMOなどを盛り込んで具体性を持たせました。

中小企業・小規模企業振興会議を5月に設置し、施策の状況を確認していきます。今後の取り組みに注目していきます。

 

そのほかのポイントは箇条書きにしましたのでご参照ください。


【新魚市場2階に情報発信施設】

・2階の水産情報発信施設はゴールデンウイーク前にオープンの予定。映像中心の展示になる。愛称募集、記念イベントの中で市民の参画を考えたい

・浄化施設の管理委託料は市と卸売業者で震災前と同様に折半の予定だったが、市で全額負担することにした。

・新魚市場の光熱水費について、市と卸売業者との負担は年度ごとに覚書を締結して確認

・当面は専用スペースを用意して場内でのフカヒレ切断を認める

【ウェブセミナーから仕事を生み出す】

・2017年度のセミナーを受講した8人、2019年度の10人が仕事を受注し、月で最高3万円の収入になっている。今後は地元の経営者向けセミナーも開催する。セミナーは3年間の事業と考えており、その先は仕事を生み出す取り組みをしたい。「新年度に策定する行革大綱の中で市の事務をトライアル的に出していく試みも考えたい」と菅原市長

【DMOと海外視察】

・ツェルマット視察は前回が手探りだったため、今回は学び直しをしてくる。クルーカードのデータ深堀と戦略、市民に理解してもらう取り組み、ガイド育成、財源確保も学びたい。メンバーは実務者を中心に11人を想定し、うち2人は高校生にしたい

・観光地としてのキャッシュレス化は、国の補助の情報収集をする。

・クルーカードは2月末で会員1万7190人。観光だけでなく消費喚起の仕組みもあり、加盟店72店を100店にしたい。手数料の交渉もカード会社と進めており、4月には間に合わないが、次の加盟店募集のときには間に合わせたい。キャッシュレス化との連携についても新年度に取り組めるように検討している

【国民宿舎からくわ荘は4月から休館】

・唐桑町にある国民宿舎からくわ荘は今年3月末で休館する。昭和43年の建築で、指定管理者である有限会社SATOUより指定管理期間を2021年3月末から短縮することが申し入れられたことが理由。市も「満足してもらえるサービスを提供してもらうためには大規模修繕等が不可欠」と判断して了承した。指定管理料は年730万円だった

・隣接する唐桑半島ビジターセンターは宮城県が気仙沼市への施設移管を前提にした大規模改修または建て替えについて、新年度の早期(夏ごろまで)に検討することにしており、御崎野営場、漁火パークの在り方とともに国民宿舎の在り方を検討していく。

・気仙沼市は宴会機能の部分継続を提案したが、調理場から宴会場まで遠いために料理を運ぶコストがかかって難しかった。

・国民宿舎の年間宿泊者は震災後に復興特需で1万9000人と急増したが、最近は2500人と震災前に戻っていた。唐桑の観光関係者は「休館しても町内の宿泊ニーズは既存施設で受け止められる」との回答があった。

【消費税引き上げて2.5割増しプレミアム付商品券】

・10月の消費税増税による低所得者と子育て世代の影響緩和策として、プレミアム付商品券を発行する。対象は市民税非課税の約1万5000人、2016年4月~2019年6月生まれの子どものいる世帯主約1100人。2万5000円分の商品券を2万円で販売する。販売見込みは約4億円で、そのうち8000万円がプレミアム分。システム改修、郵送、商品券作成、臨時職員雇用などの経費は約4000万円。8000万円のプレミアム分を市民に配分するために4000万円の経費がかかることが課題

【地域電力会社へ500万円出資】

・出資額を500万円とした根拠は、資本金の10%であり、一定の権利を持つ3%以上で検討し、他事例も参照した

【モーランド本吉のパークゴルフは今秋オープン】

・モーランド本吉のパークゴルフ場は土地の一部を貸す形で今秋には利用できるように検討している

【地域おこし協力隊は13人に】

・移住者のアフターフォローは、移住定住支援センターに登録したサポーター(71人)に協力してもらう

・新年度の地域おこし協力隊員は13人に。水産資源研究、DMO、まち大、まるオフィス、地域エネルギーに、モーランド本吉が加わる

【公民館のまちづくりセンター化は環境が整ったところから】

・公民館のまちづくりセンター化について、「言葉が独り歩きしているが、センター化ではなく、市民による主体的なまちづくりが目的。中間支援組織の必要性を痛感している」「機運と環境が整ったところから移行したい」と菅原市長

【新月公民館は体育館増設で事業費1.6倍に】

・新月公民館には地域要望の体育館を増設して移転新築することにした。総事業費は当初の2億3000万円の1.6倍となる。日常生活の中で生涯にわたりスポーツに親しむことが目的。体育館整備は今後整備される公民館の基本となる。

【まち大学構想】

・多くの市民が関われるテーマ設定を検討している

・各種講座や塾の再編、新規講座も検討していく

・内湾のまち・ひと・しごと交流プラザは4月13日にオープンニングセレモニーを予定

【地域住民活動補助も統一へ】

・自治組織への地域住民活動補助は旧市町統一の方向で検討する

【本吉PAへの物販施設整備に意欲】

・6月まで整備する休憩施設とは別に、物販施設の整備については「運営者がいれば土地と建物は市が何とかする」と菅原市長。国土交通大臣も「いいところだね」と述べ、市長は「市もやりたい」と答えた

【循環バスの路線拡大は困難】

・市内循環バスの1日平均乗車数はスタートした29年12月で80人、現在は100人以上。1日14便で年間経費は2200万円、収入は680万円の大幅赤字となっているため、路線拡大の要望に応えるのは難しい

・高齢者の足の確保は公共交通だけでは難しく、他地区の事例を研究する

 

 

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