市長演説

気仙沼市議会6月定例会が、13日に開会しましたので、初日の内容を報告します。
まずは2期目に入った菅原茂市長の施政方針演説です。この4年間の方針を示す大切な演説でした。
基本的には復興の加速を中心に、既定路線の事業について住宅再建や産業再生への意気込みを語りました。注目したいのは、中長期的な財政シミュレーションの実施、そして復興計画を踏まえて第二次気仙沼市総合計画の策定に着手する方針を示したことです。人口減少対策として、将来的に災害公営住宅の空き室を活用し、長期滞在型のリピーターをつくる「第二市民構想」への挑戦はユニークです。
日本災害復興学会長の室崎益輝教授も提唱している「復興は地域が抱える社会問題の解決を伴わなければならない」という表現も引用しており、積極的な取り組みを期待したいです。「国内外の人々にとって最も住みやすいまち、滞在してみたいまちの創造」を目標に掲げるなら、相応の力を注ぎ込まなければなりません。
防潮堤については「地域ごとの合意形成に努め、必要な場所に適切な規模・構造での整備を進める」としました。被災跡地を利用した運動広場整備の可能性に触れてくれたことは嬉しかったです。
締めくくりは「気仙沼市がどのようなまちを作っていくか、どのような豊かさを求めていくか、復興の進展と並行して市民のコンセンサスを作っていきたいと思います。これからの地方の生き方のモデルとなるようなまちづくりを進めてまいります」でした。地方ならではの豊かさを見つけ、大切にしていくことが気仙沼の生き残りにつながるという思いは私も同じです。論戦を通して、具体策を見つけ出したいです。
この日は、新市立病院の事業費増加、災害公営住宅の完成の遅れ、仮設店舗の撤去費用についても報告がありました。災害公営住宅は約4割もが予定より2~13カ月遅れる見通しです。
自治会館の復旧に対しての100%補助、建て替えなどに対する80%補助の方針説明もありました。旧本吉町、旧唐桑町、旧気仙沼市によって補助率がバラバラのままなことは問題ですが、財政難の中で一歩前進したことは評価したいです。
定例会は7月2日まで続きます。23、24日は市長の施政方針に対する4会派の代表質問、25、26日は一般質問があります。
一般質問は私も行う予定です。震災から3年、最も優先すべき防災対策が後回しにされていることを問題提起します。1200人以上の犠牲を出して得た教訓の検証も十分に行われていません。災害危険区域と住宅再建支援策の矛盾点も追及します。震災前の気仙沼市は国内外から注目される防災都市でした。津波常襲地帯である限り、防災がまちの存続を左右します。気仙沼から新しい取り組みを発信する力を取り戻したいです。
※写真は気仙沼市ホームページにある菅原茂市長の写真です。

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