気仙沼市運動施設の在り方検討委員会【初会合報告】

気仙沼市は5月1日、運動施設の在り方検討委員会を設置しました。初会合では委員会の検討項目、スケジュールなどを確認しました。これから毎月集まって話し合いを重ね、11月に提言書をまとめる予定です。陸上競技場、芝生の多目的広場など、震災前になかった施設への期待が高まります。

■南気仙沼の市民広場も検討

震災後、野球場やテニスコート、運動広場などに仮設住宅が建ち、市民のスポーツ活動が制限されています。一方で、復興事業によって新しい広場整備が計画され、少子化による学校統廃合による跡地活用によって、活用しきれないほどのスペースが確保されようとしています。

下図は南気仙沼(内ノ脇)に計画されている復興市民広場です。復興計画ではグラウンドゾーンに設定していました。
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そこで市は、全市的な運動施設の配置を見据えながら、各施設の役割や機能を考えようと検討委員会を設置しました。体育協会、スポーツ少年団、野球、ラグビー、サッカー、陸上、パークゴルフ、テニス、スポーツクラブから選出された委員14人で構成し、体育協会の小山謙一副会長が委員長、陸上競技協会の坂本幸市郎会長が副委員長に就任しました。

■学校跡地含め全市的に

委員会の検討項目(下表参照)は、全市的な運動施設の配置、南気仙沼地区に計画されている復興市民広場(仮称)の内容、震災によって使用できなくなった運動施設の復旧方針、統合後の学校の運動施設の利活用などです。特に注目されるのは、約5haもある復興市民広場の計画です。

委員会の検討項目

市は、「特定の競技や地区に偏らない全市的な検討を」「検討には屋内施設を含める」「3年後に統合する気仙沼西高校の跡地、気仙沼向洋高校の旧校庭、中学校の仮設校庭、波路上ふれあい漁港の背後地も活用策を検討してほしい」と説明しました。西高跡地は、市として陸上競技場の整備を宮城県に希望しています。

■「芝生の多目的広場を」

委員からは、各競技で練習場所が不足し、市外での大会開催を余儀なくされている現状が報告されました。多かったのは「芝生の多目的広場を整備してほしい」という意見でした。

なお、体育協会からは26年12月、市に体育施設整備の要望書が提出されています。その中では使用不能となっている施設の代替機能確保、多目的広場整備、市総合体育館と本吉総合体育館の施設整備、市民プール建設、陸上競技場整備、室内テニスコート建設、合宿所整備などを求めていました。

今後、毎月1回のペースで会合を重ね、11月に提言書をまとめる予定です。初回の発言は控えめでしたが、議論は次回から本格化し、市からも一定の方針や資料が示されていきます。スケジュールは下表の通りです。

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この委員会に期待されるのは、震災前以上のスポーツ環境を整備するための構想づくりです。競技だけでなく、小さな子供たちが自由に遊びまわれるスペースづくりという視点も必要で、市民の意見を広く聴く機会も欲しいですね。行政側には限界もあるため、民間の支援を活用して施設整備も期待したいです。

1 Comment

  1. 将来ビジョンは大切ですが…
    学校統廃合が進めば、グランドの活用、付属施設としての旧校舎活用、学校プールの市民プール化が見込めるのに統廃合の行く末が不確定なまま土地取得と施設建設を進められるのは「復興の足かせ」になるはずです。市営球場の早期復旧・本吉陸上競技場の近代化程度にとどめ、プールについては当面旧西校プールの譲渡を受けて市民開放するのが良いのでは無いかと思われます。
    とにかく今は住まいと生業の復興にマンパワーと資材・機材の供給キャパシティを集中していただきたいと考えます。

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