2020年(令和2年)に実施された国勢調査の結果が、昨年11月に公表されました。
結果は段階的に公表されますが、今回は配偶関係や住居状況などのデータが出てきました。
【晩婚化の傾向も】
気仙沼市の配偶関係は下表の通りです。「有配偶」は現在も夫や妻がいる人で、「未婚」はまだ結婚したことのない人、「死別」は妻や夫が亡くなった人、「離別」は現在離婚状態にある人で、再婚した場合は「有配偶」に戻ります。
この表を見ると、男女別に5歳階級ごとの状況が分かります。これを5年ごとに比較していくと、未婚率、離婚率ともに上昇していることが分かります。晩婚化の傾向も強くなっています。
【生涯未婚率は20年で3倍に】
例えば、50~54歳男性の未婚率(統計では50歳時点の未婚率を「生涯未婚率」としています)は2000年で9.9%でしたが、2020年には30.2%と3倍になりました。ちなみに、全国平均は24.4%。県内の14市の中では塩釜(32.6%)、白石(30.7%)に続く3番目の高さでした。
下記の表はこの20年間の推移です。5年ごとに年齢区分が上がっていきますので、色別にデータを斜め読みしてもらうと世代ごとの推移が分かります。(縦読みすると世代間ギャップが出てしまいます)
心配なのは30代の未婚率が高まっていることです。これまでの傾向からすると、いまの30代前半の男性が50代前半になると40%超が未婚となると予想できるのです。この影響はさらなる少子化にも直結します。
結婚するかどうかはもちろん個人の自由ですが、市が独身者に行ったアンケート調査では「一生結婚するつもりはない」と回答した人は8.6%でした。よい出会いがあれば、結婚したいという人は多いと思います。
未婚率が上昇すれば単身者が増えるということですので、社会としての対応が必要になります。高齢の単身者のための行政サービスだけでなく、地域や民間側も社会の変化に対応していかなければなりません。
市役所で抱え込まず、データをもっと民間と共有して、これからのことを議論していくことで、備えができるかもしれません。
※未婚率の上昇と結婚支援については12月議会で取り上げました。詳細は12月24日のブログで紹介しています。
【離婚率も増え続け、40代、50代は10%超】
離婚率を見ると、40代、50代女性で10%を超えていて、こちらも20年前と比較すると2倍ほどに上昇しています。
離婚率の上昇は全国的な傾向で、50~54歳女性の離別者の割合は全国平均が10.8%となっており、気仙沼市は13.7%で県内14市では東松島(15.0%)、石巻(14.1%)、塩釜(14.0%)の方が上回っています。
【世帯人数は80%が3人以下】
世帯人数の状況は下記グラフの通りです。3人以下の世帯で80%を占めました。同じ家に住んでいても生計が別な場合は、分離してカウントされるので、実際にはもっと4人以上の世帯が多いと考えられます。
震災前の2010年では、3人以下の世帯は71%でした。
【公営住宅の割合は震災前の5倍に】
住居の状況は、持ち家が70%と都市部に比べると高い状況ですが、災害公営住宅が整備されたことで公営住宅の割合も10%を占めています。
震災前の2010年の調査では、持ち家が77%、公営住宅は2%、民営借家17%でした。
民営借家の世帯数は2010年で4229世帯でしたが、2020年には3215世帯に減りました。
公営住宅で暮らす2358世帯の家族状況は、49%の1154世帯(うち712世帯は65歳以上)が単身、17%の396世帯が夫婦のみでした。52世帯は三世代同居でした。