代表質問で子育て支援など9つの成果【市議会定例会】

24日の気仙沼市議会定例会で行った代表質問の概要をまとめました。私が所属する会派未来のメンバーは4人とも子育て世代ですので、子育て支援に力を入れました。

90分の質問の成果としては

・人口減少と少子化の実態は相当厳しく、まずは職員が理解して市民に説明できるようになるべきと共通認識をもてた

・私立幼稚園でも保育料が第2子は半額、第3子は無料となる制度(兄姉が小学3年生以下の場合)が周知されいないことを認識してもらい、分かりやすい情報発信に努めることを約束してもらった

・公立の保育所と幼稚園だけでなく、私立の幼稚園と保育施設を含めて子育て環境を考えていく姿勢を確認できた。特に私立幼稚園との役割分担などで市の方針を定めて具体的に話し合うことになった

・さらなる高校再編が避けられない状況を教育長に説明してもらえた

・市長と高校生が話し合う機会の設定について前向きな答弁があった

・ふるさと納税を活用し、目的を明確にして寄付を募る取り組みにとても積極的な答弁があった

・防潮堤を巡る中央防災会議専門調査会の座長の発言について、「きちんと整理しておく必要がある」との答弁を得た

・お伊勢浜海水浴場の砂浜再生の課題を確認できた

・土地区画整理事業の土地利用について詳細なデータと課題を確認できた

です。

【会派代表質問の質疑要旨】

今川 会派未来を代表して質問しますが、質問の中で「選択と集中」を求めていくので、質問も「選択と集中」を心掛けました。私たちの会派はメンバー4人で計12人の子どもがいる現役の子育て世代です。そこで、今回は子育て支援を中心に質問いたします。

人口減少と少子化対策について                        

今川 28年度の施政方針の中で、地域の社会問題の解決を伴う復興へ向けて、本市が抱える最大の課題を「人口減少、少子化の解消・状況緩和」としています。その課題解決に向けた市長の意気込みを伺います。

質問① 本市における人口減少と少子化の問題は、若者の市外流出によって、全国的な問題よりも深刻です。地方創生の人口ビジョンによって明らかになった課題を市民と共有しなければ、効果的な取り組みを進めるのは困難です。市民との認識共有についてどのように考えていますか。

菅原市長 人口流出や少子化が抱える課題は、行政だけでなく市民、産業界共通の課題として認識し、行動していかなければならないと考えています。このことから、けせんぬま創生戦略会議や分科会に市内の各団体や各世代の方々に参加してもらったことに始まり、市広報や地区懇談会、各種会合など多くの機会を捉え、市民に対して本市の状況を伝えるとともに、産業界や関係機関とも課題を共有し、協力しています。今後も認識の共有を図っていきます。

今川 30年前に比べた出生数は全国平均で3割の減少ですが、気仙沼市は7割近く減少しています。若者流出によって親世代が減少しているためです。しかし、小・中学校の再編説明会では「これから子どもが増えるかもしれないからもう少し待ってほしい」という意見も出ている。気仙沼の少子化の深刻さが伝わっていないからだと思います。生産年齢人口も激減する。まずは全職員が人口ビジョンのデータを理解・分析して、市民に説明できるようになってください。

菅原市長 議員が感じたように、統廃合の説明会で地域から意見を言われても、残念ながら人口減少は地域が思っているようなレベルではありません。まるで違う次元に入っていることを上手に説明すべきではなかったかということだと思います。今後、一つの説明のポイントと思う。市民が詳しくなくても、大体分かっていればいいと思いますが、私や職員、議員の皆さんは分かっておかなければなりません。

質問② 少子化対策が遅れるほど親世代が減少し、その効果が薄れてしまいます。国の地方創生予算に依存していては、自治体間競争に乗り遅れてしまいます。28年度の予算編成において、けせんぬま創生戦略会議の分科会や市議会一般質問で提案された子育て支援、教育環境の充実のための施策は、どのように扱われたのでしょうか。多子世帯の保育料減免のように、せっかくの施策も子育て世代へのメッセージとなって伝わらなければ意味がありません。少子化対策へ対する市長の思いを、子育て世代に分かりやすく示してください。

菅原市長 今年度は子育てママたちの意見を取り入れながら子育て情報誌を作成し、結婚に向けた啓発セミナーも初めて開催しました。28年度も地方創生戦略会議分科会や市議会の意見も参考に、いくつかの事業を進める準備をしています。新年度予算では仮称・鹿折認定こども園や仮称・気仙沼児童センターの整備、学童保育施設の充実のほか、学校・保育所等へのエアコン設置を行い、環境の改善を図っていきます。また、子育ての経済的負担軽減策として、多子世帯の保育料減免の拡充を含め、小規模保育所保育料を軽減することとしており、出産の分野では特定不妊治療費の助成を継続します。

このほか、予算には計上していませんが、地方版総合戦略づくりにおいて分科会から課題提案のあった、子育てパパ・ママや若者へのタイムリーな情報提供に対応するため、子育て情報のウェブ版開設などを検討します。行政の取り組みだけでは不十分なため、産業界やNPO、地域との連携を進め、市全体で子どもを産み育てる環境の醸成に努めます。

今川 保育料の減免は、公立の保育所や幼稚園だけでなく、民間幼稚園でも小学校3年生以下の兄姉がいれば、私立幼稚園でも第2子は保育料が半額、第3子は無料になります。しかし、せっかくの支援制度が知られていません。幼稚園に通う保護者は分かっていても、これから産もうか悩んでいる人に伝わっていないことが残念です。

菅原市長 減免をすることは真面目に市職員もしているが、伝わっていないということは、仕事を一生懸命やることと、思いがあるかという差だと思う。そのことは、先ほどの人口ビジョンを何のためにやっているかという思いが不足していることと同じです。先ほどの教育委員会の話と合わせて反省しています。

今川 地方創生のアンケートでは、子どもは3人ほしいのに実際は2人でとどまっている家庭が多いことが分かりました。その理由は「子育て、教育にお金がかかるから」。だから、行政の期待する子育て支援策として「第3子の保育料・教育費に対する支援」が最多でした。しかし、実際には第3子の保育料無料化を始めているのに、うまくPRできていないので伝わっていないのです。せっかくの支援制度がもったいないと思います。30歳代に比べて20歳代は3割減少するように、これから親世代がどんどん減少していきます。子育て支援は急がないといけないのに、新年度に対策があまりにも少ないのが残念です。地方創生に頼るだけでなく、市として独自に取り組む対策が必要です。ショッキングな人口ビジョンを公表するとともに、少子化対策を示さないと市民は不安になります。

吉川保健福祉部長 今後の事業展開は検討しているものもあります。各課連携して総合的な施策を展開していきたいです。

今川 国は多子世帯の保育料減免を拡充していく考えですが、残念ながら認可外の保育施設は対象になっていません。対象施設に移行することを支援することが大切です。意見交換会だけでなく、具体的な対策を話し合ってください。

小野寺・子ども家庭課長 認可外の保育施設とは定期的に意見交換を行っています。多子世帯への支援は地域型保育事業への移行で制度に乗っていけるので、市としても今後とも話し合いを通じて移行促進を図りたいです。

 質問③ 市児童福祉施設等再編整備計画に基づいて公立保育所の再編が進められています。しかし、初めて親になる市民にとっては、民間の保育施設、幼稚園の区別がよく分かりません。子育て世代の目線で、子どもたちのための保育環境・幼児教育環境を整えるため、公設民営化や幼保一元化など、公私立の垣根を越えた議論が求められています。急激な少子化、市立保育所の非正規職員の保育士の増加によって、その必要性はますます高まっています。市の考えを示して下さい。

菅原市長 再編整備計画は公立の保育施設等を対象としましたが、本市の保育並びに幼児教育の基本的な考え方として、認定こども園の整備推進と公立施設の適正配置、民間施設との役割分担が重要であると認識しています。本年度は小規模保育所の保護者を中心に計画の内容や認定こども園の仕組みなどについて説明してきたほか、私立幼稚園など民間施設との意見交換会を定期的に開催しました。今後の計画推進にあたり、児童数の動向や地域バランスなども配慮し、公設民営化や幼保一元化の可能性も含め、民間施設や教育委員会との幅広い議論や調整を図りながら、適切に進めていきます。また、公私を網羅し、仕組みや費用などが分かりやすい情報提供に努めます。

今川 認定こども園の新設を計画している面瀬地区を例に話をします。再編整備計画を検討していた25年度は、地区内の岩月保育所、前沢保育所、そして一緒に再編する松岩保育所を合わせて83人の児童がいました。ところが、27年度には計48人まで減っています。こども園にはある程度の規模が必要ですが、子どもが多いといわれる面瀬地区でもこのような状況です。しかも、地区内にある私立幼稚園は定員200人に116人という状況。さらに子どもは減っていきます。認定こども園をつくるのはありがたいが、民間のことも考えてほしいです。私立幼稚園との意見交換会ではどのような意見が出ているのですか。公立が民間を圧迫することになってはいけないのではないでしょうか。

小野寺・子ども家庭課長 本年度も2回ほど意見交換会を開き、新制度、再編計画と市の考え方を説明しました。「市と民間の役割分担を図りながら進めてほしい」という意見が出ました。

菅原市長 公私の問題は、議員が言うように「公立が民間を圧迫してはいけない」ということにとどまるのか、「できるだけ公はやらない方がいいのだ」という風に考えるのか、「そうもいかない制度なので公は最低限ここまでやるのだ」というようところを、ものすごくはっきりした政策として持っておかないと、手直しの連続になってしまい、その手直しが不十分な状態になっていることを指摘していると思います。

そういう意味で、本来の我々の役割、民間の力、例えば片方に偏った場合に職員が集まるのかという問題も含めて、よく検討した上で、市としての在り方がこうあるべきだという基本を持って、それで議論を巻き込むようにしたいです。話し合いの場だけをつくるだけでなく、本当に議論するという姿勢で臨まないとうまくいかないと思いますので、今後はそのような方向で指導していきたいと思います。

吉川部長 児童数の推移やニーズだけでなく、面瀬地区は民間施設もあり、三陸道のインター、新病院のアクセスもあり、人の流れ、車の流れ、働く場所などで当時計画を立てたときのイメージと大きく変わっています。施設の配置に関しても、隣接する松岩、階上のみならず、市全体のバランスの中で考えなければならない課題も出てきました。議論した上で、間違いのない対応をしていきたいです。

質問④ 急激な少子化は、公立保育所や小・中学校再編のみならず、高校の統廃合にも及んでいます。いずれも数合わせで再編を進めれば、施設がなくなった地域に焦燥感を生むばかりです。今後の小・中学校再編には、保育所や幼稚園、そして中学区ごとに設置してきた公民館を含めた地域全体の将来像が必要です。また、気仙沼西高校に続く高校再編が予想される中、地域の高校教育についても県任せにはできません。地域が主体となった将来的な高校再編の検討組織設置について、リーダーシップを求められている市の考えを伺います。

 白幡教育長 県立高校は県教育委員会の所管ですが、市としては地域の実情に応じた戦略的かつ柔軟な学校運営の在り方を含め、本市の未来を担う生徒の育成について、今後とも県立学校との意見交換や現状把握などに努めていきます。

今川 気仙沼西高の統合が決まる際、同窓会とPTAで本吉地区全体の高校の将来像を考える組織を早急に設置してほしいと要望しました。その後、県への働き掛けは行われていますか。

白幡教育長 気仙沼西高と気仙沼高の統合の話が中心に進んでおり、それ以降を見通した話し合いは十分ではありません。昨年の気仙沼市の出生数は326人です。この子どもたちが高校に入る段階で、どうしても30人くらいは一関や仙台に抜けていくので、地域の高校生の数は300人を割ってしまうと思われます。1学年4クラスの小さめの高校が2校持つかどうかという数に減ってしまうのです。そのことを考えると、地域の高校再編を考えないわけにはいかない状況にあります。宮城県がこれまで進めてきた統合は、鼎が浦と気仙沼、気仙沼西と気仙沼のように地域で性質の似た高校の統合でした。

しかし、これから先に残っている高校を考えると、それぞれの個性がハッキリしていて、これまでの流れで統合を考えるには無理があると思います。次の統合は避けられないし、性質の違った高校ができざるをえないのです。その高校が地域の将来を担う子どもたちを育むのにふさわしい学校になるのか、地域を挙げて議論しなければならないと思います。そういう意味では、そのことに気付いた地域の1人1人が向き合わなければならないと考えています。

今川 県によると、本吉地区の中学校卒業予定者数は27年で752人ですが、32年には607人、35年には518人と見込んでいます。昨年の南三陸町の出生数は80人で、気仙沼市と合わせても406人にしかなりません。一方で、気仙沼西と気仙沼が統合しても、本吉地区の全日制の定員は600人で、私立の東陵高校もあります。新県立高校将来構想の第3次実施計画(29~32年度の再編方針)は28年度に公表されます。急がなければなりません。

質問⑤ 人口減少と少子化の対策には、さまざまな政策的指標が考えられますが、本市特有の若者の流出防止に対する目標値設定は特に重要です。高校2年生へのアンケートでは、「将来的に気仙沼へ帰郷・定住したい」という回答が、「したくない」という回答と拮抗(6:4)しました。まずは「したくない」という高校生を減らすことが重要です。そこで、これを一つの指標とし、定期的に調査を行うとともに、高校生と市長の意見交換会を提案しますが、市長の考えを伺います

 菅原市長 議員お話の通り、「したくない」を減らすことが大事であると考えています。対策としては、高校生から意見を直接聞いたり、高校生に対する期待などについて、こちらから話したりすることが重要と考えています。どのようなスタイルが良いか、学校、生徒、NPOなどの意見を聞きながら検討します。定期的な調査は各種取り組みの総合的な成果指標として、高校生の帰郷・定住意向は重要な指標になると考えています。方法を整理した上で、学校の協力についてお願いしていきます。

今川 高校生のアンケートは、高校生自身で調査できないでしょうか。その結果をもとに議論し、そこに市長も参加するというのはいかがですか。

菅原市長 一つの方法だが、市が押し付けることはできません。学校には学校の教育方針があります。高校生の対話では、こちらから話したいこともあります。高校生が地域のことを学ぶのはいいのですが、社会や政治を学ぶことにものすごく熱心な高校生が多くなることは疑問です。子どもの時、高校生の時に熱中することはおろそかにしてほしくないです。そういう意味でも学校と話をして考えたいです。

協働のまちづくりとアイデアを実現する組織体制について        

今川 集中復興期間から復興・創生期間へのステップアップに伴い、施政方針で掲げた「ワクワク感のあるまちづくり」は、地方創生のカギとなる幸福感の醸成にもつながる重要なテーマとして共感します。その実現に向けた課題について伺います。

質問⑥ 「ワクワク感のあるまちづくり」には、市民参加のまちづくりが大切です。そのためには、市民の提案を受け入れて実現していくための組織体制が求められますが、肝心の職員不足が心配です。28年度は約290人の応援職員を必要とする見込みとしていますが、現時点での確保見通しを示してください。合わせて、定年退職する職員、再任用の状況も示してください。異動規模が大きければ、復旧・復興に影響します。異動内示の時期を早める必要があると思いますが、市長の考えを伺います。

菅原市長 28年度の応援職員は現在、全国の自治体からの申し出状況を集約中ですが、2月1日時点の市任期付き職員を含めた234人を若干下回ると予想しています。必要人員の290人の確保が難しい状況にあります。定年退職する職員の再任用は、33人のうち14人を予定しています。職員の異動内示時期は、復旧・復興業務などの事務執行が円滑に進むように、これまでよりも早期に行う準備をしています。なお、本年度から再任用は基本2年になるので、これまで以上の戦力化が図られると思います。

吉田総務課長 再任用は面談や本人希望を確認しながら行っていますが、本人の健康や家庭の事情などによって、例えば本人が希望しても環境が許さないということもあります。40%という数値はここ最近の傾向です。いずれにしても本人の判断となります。

質問⑦ 限られた職員数で、新たな施策に対応するためには、事業や業務の「選択と集中」が求められます。昨年10月に公表した28年度予算編成方針と予算要求要領で、通常事業の「選択と集中」を各部署に求めましたが、新年度予算にはどのように反映されましたか。毎年の懸案となっている5年以上続く既存事業の廃止と見直し、終期設定について、その成果も示してください。

菅原市長 成果としては、例えば、緊急雇用創出事業の終了に向け事業を整理し、一般財源を投入しての事業継続を最小限にしたこと、ごみ収集業務の全面委託化と合わせて資源ごみの収集回数を増やしたこと、太陽光発電設置補助の対象を震災被災者の住宅再建に伴うものに限定したことにより、震災復興交付金基金を財源とすることができたことなどです。限られた職員数で新たな施策に対応していくためには、予算編成時のみならず、行政改革の視点で継続的な取り組みが必要です。現在作業を進めている第二次行政改革プログラムの策定の中で全庁的な検討を進めます。

質問⑧ マンパワーのほかに、財政的な理由も新規事業の実現を難しくしています。しかし、復興に向けて市民が一丸となり、注目を集めている今のタイミングこそ新たな挑戦と希望が必要です。そこで、増加を続けているふるさと納税の活用を提案します。本市は寄付の目的を「まちづくり一般」「教育の充実」など大まかな項目から選択する仕組みになっていますが、具体的な事業への応援を求める「ガバメントクラウドファンティング」が各地で成果を上げています。市民や職員の提案をコンペ方式で募り、ふるさと納税で実現することで、財源の心配をせず、本当にやりたいことを実現できます。導入に対して市の考えを伺います。

菅原市長 ガバメントクラウドファンディングは、自治体自らがプロジェクトオーナーとなり、目的を明確にして寄付を募る方式であり、財源を理由として実現に至らなかった事業の実施や、本市への応援者増加が期待できる手法として有効と考えることから、全国の先行事例を参考としながら、コンペなどの事業提案方法も含め、導入に向けて積極的に検討します。その際には、ハード事業としての実現性だけでなく、運営の確実性などにも注意していく必要があると考えています。

今川 ふるさと納税は特典が注目されていますが、目的も大切です。福岡県大牟田市は炭鉱電車の移設・展示の費用に支援を呼び掛け、目標3000万円に対して900万円が集まっています。広島県神石高原町では、犬のさっ処分ゼロを目指した保護施設整備に1億円の集めようとしたところ、2億4500万円も集まりました。長野県白馬村では、閉校の危機にあった県立白馬高校に国際観光学科を新設することで、全国から生徒を集めるための寮整備に支援を呼び掛け、目標3000万円に1300万円が集まっています。気仙沼市に寄せられたふるさと納税は、穴埋めに使われているようで、大曲コミュニティーセンターや最終処分場施設の修繕、市道の維持補修などに充てられているのがもったいないです。

導入に当たっては、新しい取り組みだけでなく、震災後に始まった子どもの居場所づくり、高校生のまちづくりを継続するための支援も考えてください。気仙沼市は人口流出が課題ですが、その分だけ市外に出身者がいるということでもあります。気仙沼のためになるようなメッセージ性のある取り組みを期待したいです。

赤川部長 どういう事業に充てるかは、本当は取り組みたいけど財源的な手当てがなくて取り組めなかった事業もあります。そうしたものも洗い出したいです。

菅原市長 本来やるべきだったのは「龍の松」だったと思います。財源を自分でつくりだすことで職員の訓練にもなりますので、積極的に検討してみたいです。

復興・創生期間における防潮堤、砂浜再生、商店街形成の課題について   

今川 集中復興期間から移行する復興・創生期間において、施政方針で「残された課題」とした事業のうち、防潮堤、海水浴場、にぎわいのある商店街形成について伺います。

質問➈ 今年2月8日付けの朝日新聞宮城県版において、中央防災会議の「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」の座長を務めた河田恵昭(よしあき)氏のインタビュー記事が掲載されました。その中で、東日本大震災後の津波対策について重要な方向性をまとめた調査会の座長が、明治三陸地震津波をレベル1津波として堤防高を決めたことに、「自治体が誤解か曲解をしたようだ。明治三陸は特別なケースで、モデルにすること自体が間違いだ」と発言しています。防潮堤計画を揺るがす発言だと思いますが、この発言に対する市の見解を伺います。

菅原市長 堤防高については、中央防災会議の基本的な考え方が公表された後、国から「設計津波の水位の設定方法」が示され、それに基づいて宮城県沿岸域現地連絡調整会議で、頻度の高い津波の一つとして明治三陸地震津波を含め、津波高を設定しました。河田教授の発言は、今後、防潮堤整備を進める上できちんと整理しておく必要があるものと考えています。現在、宮城県の見解を求めていますが、今のところ十分な返答はありません。

質問⑩ 気仙沼市がお伊勢浜海水浴場で実施した砂浜再生シミュレーションについて、その状況または結果を示してください。震災による地盤沈降によって、お伊勢浜だけでなく、小田の浜、小泉、大谷でも砂浜の再生が心配されていますが、砂浜再生の課題、今後の取り組みを伺います。

菅原市長 お伊勢浜海水浴場は震災後数年が経過しても自然の堆砂が見られないことから、26年8月から砂浜再生検討調査を実施しています。この調査では、防潮堤を約100mセットバックすることを前提に、深浅測量や底質調査などの現地調査、漂砂特性の解析、海浜シミュレーションなどを実施したところ、昨年末に受託業者から自然回復の可能性が低いことから、砂浜の再生には人工的な整備が必要であること、海底にはガレキが散乱していることなどが報告されました。調査結果をさらに精査した上で、年度内に地元に報告しますが、砂浜再生には多額の工事費や維持管理費が必要なこと、ガレキの種類についても特定する必要があることから、事業の実施を含めて引き続き調査・検討していきます。

小田の浜海水浴場は低気圧の影響で中央付近の砂が流失しましたが、これまでも流失と回復を繰り返していることから、今回も自然に砂が戻ると考えています。小泉海水浴場は離岸堤の復旧による堆砂が確認できることから、防潮堤整備に併せ、背後地に駐車場、シャワー室、トイレなどを備えた観光交流広場の整備を進めます。大谷海水浴場は地元振興会やまちづくり検討委員会から海水浴場の再開を前提として国道45号をかさ上げし、兼用堤とする旨の要望書が提出されていることを踏まえ、その実現に向けて関係機関との協議・調整を行っています。

菊池建設部次長 お伊勢浜は、今回の調査で自然に回復することができないと判明しました。今後の砂浜再生は、次年度以降に整備規模や事業費を算定して、実施できるかどうかも含めて検討していきたいと考えています。

質問⑪ にぎわいある商店街形成には、南気仙沼、鹿折、内湾の3地区で行われている被災市街地復興土地区画整理事業による土地利用の促進が欠かせません。しかし、土地区画整理区域内での住宅再建希望は少なく、土地の賃貸・売却を希望している地権者も多い状況にあります。居住人口の確保、土地利用の促進について、課題と今後の対策を示してください。

 菅原市長 意向調査の時期や内容は地区によって異なりますが、鹿折地区では市有地を除く524画地のうち262画地を住宅地に、176画地を商業用地に、86画地を工業地として換地を予定しています。そのうち住宅地209画地、商業地119画地、工業地53画地は自己活用の予定で、143画地が賃貸等を希望しています。

南気仙沼地区では、市有地を除く439画地のうち297画地を住宅地に、132画地を商業地に、10画地を工業地として換地を予定しています。そのうち住宅地223画地、商業地88画地、工業地10画地は自己活用の予定で、118画地が賃貸等を希望しています。

魚町・南町地区は、市有地を除く238画地のうち29画地を住宅に、113画地を店舗、事務所、それらの併用住宅などに、36画地を駐車場として自己活用の予定となっており、49画地は利用が未定で、11画地が賃貸・売却を希望しています。

一方で、応急仮設住宅及びみなし仮設住宅入居者への調査では81戸、地区内居住者で事業に伴う移転をお願いしている124戸、合わせて205戸のみが住宅再建の見込みとなっており、数字に大きな隔たりがあります。今後、両調査を突き合わせるとともに、権利者の意向をあらためて調査し、土地利用の見通しを明らかにしていきたいです。なお、そのほかに3地区の災害公営住宅681戸、南気仙沼地区防災集団移転団地15戸で居住が予定されています。

 

佐々木土地区画整理室長 今後の意向確認はURやJVと相談して検討します。災害公営住宅の入居が始まれば、事業者の再建の意欲も沸くと思っています。そもそも3地区とも被災前は街が形成されていましたので、そのような街になると確信しています。アンケート結果では、7割の方々が自己活用したいと答えました。

菅原市長 いずれにしても数字に隔たりがあることは事実です。自己活用するといってもすぐにではないかもしれません。時間がかかることもあります。公営住宅にいったん入って、出てから活用することもありえます。計画人口にできるだけ近づいて、事業としての非難を受けないようにしたいです。とりあえず、いろいろ調査をしてみる必要があります。

今川 意向調査に合わせて、土地利用の課題にも踏み込んで聞いてほしいです。土地区画整理区域内でグループ補助の活用する事業者数は把握しているのでしょうか。

日下商工課長 市内では計779事業者がグループ補助の認定を受けています。認定者リストは公表されていますが、どこで再建するかは把握できていません。今後、把握に努めます。

今川 本日は少子化対策をメインに質問しました。大きな課題を早く解決して、人口減少や少子化対策へもっと力を注げるようになることを期待して、会派未来の代表質問を終わります。

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