【説明会報告】大島大橋アクセス、防潮堤、ウエルカムターミナルの完成遅れる

遅れましたが、18日に開催された「大島架橋・浦の浜漁港防潮堤工事・(仮称)大島ウェルカムターミナル整備事業の合同市民説明会」の報告です。橋は予定通り平成30年度末に開通しそうですが、アクセス道の全線開通、ターミナルのオープンは32年度にずれ込むことが説明されました。遅れは予想されていましたが、住民の落胆と怒りは想像以上でした。
まずはそれぞれの説明内容です。

【橋へのアクセス道の全通は32年度内】

大島架橋事業は橋とアクセス道を合わせ、国道45号(鹿折)から浦の浜(大島)まで県道大島波板線として延長8㎞を宮城県が整備します。11の工区に分けて工事しますが、波板橋から磯草までの5.5㎞は予定通り30年度末に開通することが説明されました。
しかし、国道45号から波板橋までの1㎞は31年度、磯草から浦の浜までの1.5㎞は32年度の完成予定となりました。全線開通までは、磯草から現在の県道へ暫定的に接続させます。【詳細は下図参照】
遅れの理由を気仙沼土木事務所は「当初の計画は少し無理があった。設計を進めるにあたり、いろいろなところで協議も必要だった」と説明しました。遅れを取り戻すのは無理で、これ以上遅らせないようにしたいそうです。

【浦の浜防潮堤は31年度末に完成】

浦の浜漁港の防潮堤工事は、宮城県によって平成31年度末の完成予定です。計画は今年2月に地域と合意したばかりのため、これから工事契約を締結し、年明けから工事に入ります。
防潮堤の背後地を盛土してウェルカムターミナルを整備するため、その部分の防潮堤は30年度中に完成させる計画です。
防潮堤工事に伴い、船着き場近辺の駐車スペースがなくなります。そのため、浦の浜商店街があったエリアに代替の駐車場ほ用意します。県が確認した車は150台ですが、同等のスペースを確保できるかどうかは「厳しい」と説明しました。

【ウェルカムターミナル完成は32年度へ。橋開通に間に合わず】

気仙沼市が計画しているウェルカムターミナルは、これから用地取得などを進め、来年10月から造成工事、31年10月の施設着工、そして32年度のオープンを目指します。
農水産物の販売スペースやトイレなどを整備する「ウェルカム施設」、飲食や物販の6店による「モール施設」、小型車88台、大型車6台などの「駐車場」をはじめ、バス停留所、広場などを用意し、観光と交通の拠点となる場所をつくります。
防潮堤と合わせて示された計画で、これまで何度も「橋の開通に間に合わせたい」と市は繰り返し説明してきました。ところが、橋の開通から1年以上遅れることになり、市は「復興庁との予算協議などに時間がかかった」とその理由を語りました。
橋が開通した直後はたくさんの観光客が訪れるのに、島内には駐車場もトイレも不足しています。この解消に期待されていたのがウェルカムターミナルだったのです。アクセス道の全線開通も遅れることで、住民は「責任問題だ」「島民を甘く見ている」と怒っています。
県は大島大橋の両端に整備する転回・駐車スペースにトイレを整備することを説明しました。

【橋開通まで1年4カ月で何ができるか】

ウェルカムターミナルの完成を急ぐため、防潮堤の工事と合わせて背後地の盛土を進めることになりますが、地質、県道の切り回しなど不安材料は残っています。浦の浜漁港の場合、フェリーの発着所となっていることから、不便が生じないように配慮した工事も必要です。島外から作業員や資機材を持ち込む島のハンディ、盛り土の土砂確保なども課題です。
そもそも今年1月の防潮堤説明会では、防潮堤の完成が31年度末と示されていたのです。ターミナルの完成については、住民も何度も心配してきましたが、市は「架橋に間に合うように頑張る」と繰り返すだけでした。それが突然、11日の大島地区市政懇談会で「31年度内の供用開始を目指す」と説明したばかりだったのに、その1週間後の18日は「32年度にずれ込む」と説明したのですから、怒りの声が高まるのは仕方ありません。
今後は、橋が開通した後の対応を早急に詰めなければなりません。このままだと、島の玄関口である浦の浜周辺は31年度、道路と防潮堤、ウェルカムターミナルのための造成工事の真っ最中となってしまいます。島の魅力をどのように感じてもらうのか、残り1年4カ月ほどでどこまでできるのか、そのまとめ役を誰がするのか。これは大島だけの問題ではなく、市としての具体的な行動が求められています。

 

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