防潮堤説明会。ついに「模型」登場!

いろいろと分かりにくい防潮堤の説明会ですが、ついに模型が用意されました。しかも、要望されたわけでもないのに、県が「少しでも分かりやすく伝えよう」と積極的に製作したのです。

魚市場説明会①

模型が登場したのは、12月12日に開かれた気仙沼魚市場背後地への防潮堤説明会。魚市場と海鮮市場「海の市」の間に海抜5mの直壁を設置するのですが、どの位置がいいのか説明するのも、意見するのも難しいところです。

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いつもの説明会は平面図を資料として渡して、パワーポイントを使って行政が説明するスタイルです。しかし、今回は模型を囲みながらの説明で、意見も自由に言える雰囲気になりました。

防潮堤の位置は、➀「海の市」に寄せる➁魚市場に寄せる➂その中間・・・の3案があります。模型も3パターンの防潮堤を用意し、それぞれのメリットとデメリットを伝えました。トラックの模型もあり、防潮堤の見た目の高さである3.5mがトラックとほぼ同じ高さであることを伝えました。DSC_8806

この模型は100分の1サイズで、4日で作ったそうです。担当は宮城県気仙沼地方振興事務所の水産漁港部。私は記者時代も議員になってからも防潮堤説明会をウォッチし続けてきましたが、行政側が模型を用意したのは初めてだと思います。

~説明資料も工夫~

しかも水産漁港部の説明はほかの海岸管理者より丁寧で、説明資料も頑張っています。この日も3案で「管理・操作性」「安全性」「利便性」「経済性」を比較した資料を添付しました。魚市場背後地の防潮堤は、利便性がとても大切です。陸閘(出入口ゲート)の位置一つでも影響するので、〝説明力〟がないと理解は得られません。

私はあまり行政側を誉めないのですが、南三陸町歌津の泊漁港の説明資料はとても分かりやすかったです。レベル1津波の考え方やその想定浸水域もしっかり示していて、住民に判断材料をそろえています。

《泊漁港の資料》_page004

《泊漁港の資料》_page005

魚市場背後地の防潮堤は、「海の市」側に寄せて整備する方向になりました。市場の繁忙期を避けて工事していく予定ですが、「海の市」と魚市場に挟まれた狭い空間での作業になるため、さまざまな調整が必要です。27年4月に着工すれば、3年で完成するそうです。

ちなみに、気仙沼市が計画している魚市場の新施設も模型で示されました。

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行政は「前例」があると動きやすいというか、弱い面があるので、他の地区でも防潮堤の模型が必要と思ったら要望しましょう。なにしろ、防潮堤は一度できたら造り直しは大変です。行政も地域もよく考えて判断しなければなりません。

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