大船渡に完成した防潮堤を見てきました

気仙沼市は防潮堤の混乱が長引いていますが、隣の岩手県はどうでしょうか。10月17日、まずは大船渡市の状況を見てきました。防潮堤が一部完成した大船渡港、末崎町の門の浜漁港の事例を紹介します。
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この写真は、門の浜漁港に建設された海抜12.8mの防潮堤です。ここは碁石海岸に近く、高台には小学校と中学校もあります。震災前に8.5mの防潮堤がありましたが、岩手県による災害復旧事業で4.3m高くなりました。
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地盤が頑丈なため、既存の防潮堤を撤去せず、その上に増設する形で防潮堤は高くなりました。
沿岸・養殖漁業が盛んな地域で、岸壁側にはカキ処理施設などがたくさん建設されています。そこで働く夫婦に話を聞くと、内心ではいろいろな思いがありながら、復興が遅れることを懸念して計画を受け入れたそうです。しかし、完成した壁を見上げながら、「こんなに高くなくてもよかったんだ。少し高くしてもらえれば…」とつぶやいていました。新たな防潮堤による津波の流れの変化に不安があるといい、税金の使い道として適正だったのかどうかも悩んでいました。「気仙沼の人にも見てほしい。計画が決まる前に見てほしい」と話していました。
気仙沼では、大きな防潮堤はほとんど傾斜堤(土盛りしてコンクリートで被覆するタイプ)で、ここまで巨大な壁はなかったと思います。大谷の野々下に完成した直立堤も海抜9.8mです。ただし、まだ計画はハッキリ示されていない小泉地区の二十一浜漁港は海抜14.7mの防潮堤を狭いエリアで建設することになります。
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次は大船渡港です。大船渡市の中心部、魚市場から少し離れた場所で、防潮堤の一部が完成していました。この防潮堤は「特殊堤」と呼ばれ、幅1mもないようなる薄い壁で津波を防ぎます。目に見えている部分は薄いのですが、基礎はがっちりしていて、鋼管杭が地中18mまで打ち込まれています。
高さは海抜7.5mですが、埠頭の地盤が1.8mほどあるため、実際の見た目は5.6mだそうです。気仙沼だと、大川河口、商港岸壁に同じような高さとタイプの特殊堤が計画されています。本吉町小泉地区の蔵内漁港には、海抜9.8㍍の特殊堤が計画されています。見た目の高さは8.1㍍ですから、すごい光景になりそうです。
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現地で見た正直な感想は、津波は防げるかもしれないけど、たくさん停泊しているタンカーや漁船が衝突したら大丈夫だろうかということです。気仙沼での説明では、設計の対象は津波だけということでしたが。車両が出入りするためのゲート(陸閘)も大型化するのでしょうから、構造的な弱さはどうしても避けられないと思われます。
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せっかくなので、新しくなった大船渡魚市場を見学してきました。すごく立派でした。市場3階には食堂があって、混雑していました。私はサンマセット880円を注文。ごはん、サラダはおかわり自由。おいしかったです。
大船渡市と陸前高田市の方々と話をする中で、気仙沼との経済的なつながりの強さを感じました。三陸道がつながると、県境や市町の壁を越えて、連携していかなければなりません。陸前高田市では国立の震災復興祈念公園が計画されています。まずは情報を共有できる仕組みを考えたいと思います。
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1 Comment

  1. 津波避難

    防潮堤のレポートは、大変参考になります。

    防災関係の開発をしているものですが、

    建設費など詳細を教えていただけると大変ありがたいです。

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