■5年間で25㎝の隆起観測
国土地理院が震災から5年間の地殻変動量をまとめました。気仙沼市の観測点では、地震で65㎝沈降したものの、毎年4~7㎝ずつ回復し、今年2月には累計で25㎝隆起しました。地震で地盤が65㎝下がったけれど、5年で25㎝戻ったということです。
沿岸の観測局のうち、5年間で最も変動したのは石巻市の牡鹿です。地震で107㎝沈降しましたが、44㎝隆起しています。
まだ変動が続いていることから、震災後の隆起分は公共工事に反映されていません。防潮堤の高さ、宅地のかさ上げ高は、震災による地殻変動を反映させた基準点から算出しています。つまり、震災後に隆起した分は、設計より高くなってしまうのです。
■基準点は見直しせず
変動が続いているため、国土地理院としては基準点を修正する考えはまだないようです。隆起にともなう国の方針が示さないことで、公共工事には隆起分が反映されていません。このため、復旧した漁港の岸壁が高すぎて、漁業者が船への乗り降りや荷揚げ作業に苦労するという問題が発生しました。
■市管理の防潮堤へ反映を指示
気仙沼市の菅原茂市長は、市が管理する防潮堤の堤防高について、この隆起分を反映するように担当者へ指示しました。
気仙沼市の観測点は笹が陣にあります。この1年間で4㎝隆起しており、今後も隆起は続きそうです。志津川では5年間で35㎝も隆起しています。
お世話になります。
地盤の隆起は、漁港施設・防潮堤を工事する上で面倒な問題ですね。
本来、「漁港施設・港湾施設・海岸保全」等は、潮位を基準に施工されるもので、基準検潮所に基準高(基準面)が有り、それが基準になります。気仙沼では、神明崎の検潮所だったんですかね。
検潮所の高さは通常、潮位観測5年から10年の値による平均値で決定されます。
一般的には、各港に基準検潮所がないため、主要な検潮所の基準高と国土地理院の水準点を直接水準により高さの差を求め、各水準点の高さを補間して使用しています。
気仙沼港では、その差をTP+0.884を利用していますが、この値は震災前の値なので本来はこの補間量を更新する作業が必要になりますが、検潮所が復旧出来ていないので、国土地理院の水準点を利用してるですよね。
気仙沼に検潮所が復旧出来れば、この問題の解決に繋がると思います。
検潮所のことはよく分かりませんでした。勉強してみます。
隆起分を堤防高に反映させることについては、単純に電子基準点の変動量を差し引きすることになりそうです。
やはり、市としてもなるべく手間のかからない手法がいいのだと思います。
国土地理院に問い合わせたとき、三角点と水準点の違いを教えてもらいましたが、もう少し勉強が必要のようです。