【質問】フラップゲート防潮堤の導入は?

【質問】今回は防潮堤のフラップゲートについて、質問します。昨日、市民有志の会が気仙沼市に対して、防潮堤にフラップゲートを設けるよう要望書を出しました。(河北新報6月27日)
フラップゲートは、被災前の津波対策に力を入れる徳島県が推進している技術であり、国も県もこの技術に注目しているようです。

そこで、気仙沼市としてフラップゲートに対する見解を、実際に現在進行中の防潮堤計画に組み込むことができるかどうかを中心にお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

【回答】防潮堤問題を盛んに議論してきた気仙沼市では、当初から可動式防潮堤の可能性が浮上していました。
最初に出てきたのは、海底から鋼管が浮かび上がる「浮上式」でした。しかし、県知事から完全否定されたため、「海中式」のフラップゲート、「陸上設置式」のフラップゲートへと可能性を探りました。県は、海の中への設置は最後まで難色を示していました。

海抜5.1mの防潮堤が計画された内湾の魚町地区では、すでにコンクリート防潮堤の上へのフラップゲートの設置が決まっています。条件は「余裕高」である1m分ということです。
防潮堤を勉強する会は、隣の港町地区(堤防高5m)へ2m分のフラップゲートを要望し、菅原市長も乗り気ですが、魚町へ影響することなので県としては認めにくいと思います。妥協案として1m分を認める可能性はありますが、魚町と異なって背後地のかさ上げ高が低いため、1mのフラップゲートでは海が見えないことに変わりはありません。

魚町や港町は気仙沼では珍しく堤防高が低いのでフラップゲートの可能性がありますが、ほかの地区は7~14mですので、フラップゲートという議論にはなっていません。むしろ、沖の海底にフラップゲートを設置してくれれば、津波に流入量を防ぐことができます。

ちなみに、先進地といわれる徳島県は、陸閘(出入口用ゲート)へフラップゲートを導入していますが、堤体そのものへの設置は気仙沼が初めてと思います。

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