鉄路からバス専用道になったJR気仙沼線で、専用道の工事が進んでいます。8月10日の気仙沼市議会東日本大震災調査特別委員会では、2020年(平成32年)以降に9割が専用道になる計画が説明されました。
BRTの経過は、2014年の気仙沼復興レポート④、2015年7月、2016年1月のブログをご覧ください。
【来春には松岩駅を復旧】
BRTへの移行が決定した後、柳津~気仙沼間55.3㎞の約9割をバス専用道にする工事が進められてきました。2016年7月時点の専用道率は4割で、その他の区間は新しい河川堤防を越える橋梁の整備が必要なため、なかなか延伸できませんでした。
JRの情報をまとめた気仙沼市によると、来年春から面瀬川と港川の橋梁が完成し、尾崎から松岩駅、南三陸町境から小泉まで専用道が延伸する予定です。再来年の春以降には大川と津谷川の橋梁が完成し、松岩駅から南気仙沼駅、小泉から本吉駅まで延伸する計画となっています。2020年の春以降には本郷、沖ノ田川の橋梁が完成すれば、計画していた9割の専用道化が達成されます。
専用道の延伸に伴い、松岩、南気仙沼の駅は元の位置に戻ります。今のところ、松岩は最知のような小規模、南気仙沼は志津川のような中規模な駅舎を整備する予定だそうです。利用者の多い南気仙沼駅については、地域と話し合いの場を用意するようにJRへ働き掛けています。
今後も専用道にする計画がないのは、本吉町の津谷長根から津谷大沢までの区間です。国道45号と平行したルートですが、海岸に近すぎて津波対策が図りにくいため、国道45号を走行することにしました。赤牛、大沢の使わなくなった軌道の一部は、JRの用地協力によって防潮堤にします。
【新駅設置は路線バスとの競合課題】
地域から要望があった新駅設置の状況についても説明がありました。
すべての現地をJRが確認していますが、すでに新設された八幡大橋駅、11月の移転に合わせて新設する気仙沼市立病院駅のほかは、課題があって実現の目途はついていません。最大の課題は路線バスとの競合であり、市が設置している地域公共交通会議で今後調整していきます。そこで方針が固まれば大きく動き出すことになりますが、総合的な判断が必要になります。
市役所駅は現市役所を取り壊さないと実現しなさそうですねぇ…。市役所に駅がほしいニーズもあるでしょうけど「あの辺」に駅がほしいというニーズもあるわけですし「気仙沼八日町駅」として実現させていただいて、新市役所はどこかの駅のそばで駐車スペースがしっかりとれるところに持って行くというような検討がなされてほしいものです。遠い将来でしょうが…。