10年以内に新庁舎を整備【気仙沼市】

気仙沼市は市町合併時に策定した新市建設計画を見直し、老朽化した市役所の整備に平成37年度まで取り組むことにしました。国に被災地の計画延長が認められたことで、新庁舎整備を追加したのです。

■現庁舎は築55年

八日町にある本庁舎は昭和35年の建築であり、県内で最も古いうえに耐震化もしていない庁舎です。第二庁舎の建設年次はさらに古く、旧鼎が浦高校の木造校舎を活用しています。

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■毎年1億円を積み立て、合併特例債を活用

今年2月の定例議会で菅原市長は「災害時に庁舎が被災しては申し訳ない」とし、建設費用として1億円を積み立てました。これから毎年、1億円ずつ積み立てていく方針です。

庁舎整備は必要性を認識しつつも、建設費用が課題になり、唐桑町と合併した新市建設計画では「整備の検討」にとどめていました。この計画は本年度で終わる予定でしたが、震災によって計画が進められなかったので、国が10年間延長することを認めたことで、「新庁舎の整備」に変更したのです。

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新市建設計画に位置付けることで、合併特例債が活用できます。事業費の95%をこの特例債による借金で用意でき、その借金(元利償還金)の70%は国が返済費用を負担してくれます。つまり、市の負担がだいぶ軽減されるのです。

市は、新庁舎整備のため1億円を毎年積み立ててと特例債では不足する費用を準備し、平成34~37年度に事業化する考えです。場所や規模等は未定ですが、先行する登米市の計画では総事業費が62億円規模になっているそうです。

■空き校舎活用の事例も

全国各地では、閉校した学校を市役所に改装するなどして、経費を抑える取り組みが増えています。私も富山県氷見市を訪ね、高校の旧校舎と体育館を市役所にした事例を視察しましたが、アイデアしだいで何とかなるということを知りました。

■新市建設計画の変更案に意見募集

なお、本吉町と合併した時に策定した新市基本計画も10年間延長します。新庁舎整備のほか、一般廃棄物の最終処分場整備、鮪立児童館の移転整備、各公民館の改修・整備、屋外運動場整備も加えました。市のホームページで変更案を公表し、今月22日まで市民の意見を募集しています。

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