気仙沼復興レポート020「集会施設の市有化と課題」

毎月11日に発表している気仙沼復興レポートの第20弾です。PDFデータはこちら⇒復興レポート⑳集会施設の市有化と課題

今回は「集会施設の市有化と課題」をテーマにしました。合併前の市町で異なったままの集会施設の管理運営方法ですが、防災集団移転や災害公営住宅で整備する集会施設との整合性がとれなくなっています。

地域の集会施設を行政がどこまで面倒を見るのかも大きな課題です。全国的には公共施設の再編や機能の見直しを進めているのに、復興予算が充てられる被災地の復興事業は正反対の道を進みかけています。

復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page001 復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page002 復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page003 復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page004 復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page005 復興レポート⑳集会施設の市有化と課題_page006

 

 

5 Comments

  1. O.M

    先生、こんばんは。

    このレポートとはちがう方向からの質問をさせていただきます。

    自治会を構成する住民側の自発性について、先生はどのように感じていますでしょうか?
    確かに、ハコモノありきで物事が進んでいるようにも思えますが、自治体としてはその理論に頼らざるを得ないという部分があるのではないでしょうか。

    自治会は、名の通り「自ら治める」ことが本義だと思います。生きるために必要なことを住民は自発的に行う、これが自治会だと思います。しかし、公共の役割が肥大化した影響で、最近では住民があまりにも自治体まかせにしている部分が多いように思います。
    正直な話、震災後に「東北はコミュニティのつながりが強い」と言われてきましたが、私は本当にそうなのか、とやや懐疑的です。弱いとは思いませんが…

    気仙沼における施設重複とは話がずれてしまうかもしれません。そして、過去に地方自治体が散々手を打ったことかもしれませんが、住民の自発性を喚起するような方策はあるのでしょうか?
    お答えをいただけないでしょうか、お願いします。

    Reply
  2. 今川 悟 (Post author)

    おはようございます。
    サラリーマン時代は地域の活動にほとんど参加しなかった私も、議員になってから自治組織の大切さを強く感じるようになりました。
    気仙沼市は自治会がお金を積み立てて会館を建ててきましたが、行政が建てるところが出てきたことで、公平性が崩れてしまいました。必要だから積み立ててでも建てた会館に比べると、市が建てた集会施設への地域の思い入れが異なるのは仕方がないとは思います。
    復興で如実になりましたが、自治体にとって自治組織はとても大切な存在です。地域の意向をとりまとめたり、合意形成したりすることができるのは、住民に信頼された自治組織と代表者があるからといっても過言ではないでしょう。
    しかし、その自治組織の存続には課題があります。
    現在の自治組織の役員までは、青年会活動から始まり、親として子供会の活動を支えてきた世代です。しかし、私たちのような世代は、青年会活動も子供会活動もかつてのような盛り上がりはありません。娯楽や趣味が多様化し、地域のコミュニティーに依存する必要がなくなっているのかもしれません。

    ご指摘の通り、「自ら治める組織」が本義ですが、活動が縮小したまま組織だけ残せば、「行政の下請け」になる心配もあります。今でも、自治会長の多くが行政委員を兼務したり、市広報の配布、会議の出席など、ずいぶんと多忙な状態にあります。そうした現状が、あらたな役員のなり手不足を招いています。

    肥大化した公共の役割を見直し、自発性を喚起するには、財政面での危機的状況を行政と住民が共有する必要があります。そのうえで、現状の負担の中で行政に任せること、税的な負担を増やしてでも対応してほしいことを分類しながら、「サービスには負担が伴う」ということを理解してもらうことが大切だと思います。その一方で、「自ら治めること」の楽しさを体感してもらう仕掛けづくりも考えたいところです。

    Reply
  3. O.M

    先生、丁寧な回答ありがとうございます。

    もうひとつだけ、前々からしたかった質問ですが、今回は思いきって質問させていただきます。

    先生がおっしゃるように、緊急時にこそ、自治組織だけではなく、市長や役所の代表者の信頼度がものをいうと、私も感じています。新しい公共のあり方を考え直し、住民の自発性を呼び起こすことは、財政の面からいっても重要に感じます。

    そこで、私が気になるのは、先生のような地方議員の存在です。
    地方議員は国や行政区長、地方自治体、住民との距離感が大事なのだと思いますが、住民との距離感をどのように保つべきなのか。私だけかもしれませんが、国会議員、市長、県知事と比べて、自分たちにとって一番近くにいる存在の地方議員を、いちばん身近に感じていない自分がいます。(これは地方議員の地域色が薄らいだため、と何かの本で読んだことがあります)
    そこから私が考えたのは、自治体と住民/専門家と住民/行政区長の間に入れるような、地方コミュニティのコーディネーター役を、地方議員が担えるのではないのか、いや昔は担ってきたのではないかということです。
    もし、地方議員が新しい核になり地方コミュニティの関係性の再構築ができれば、住民の自発性や行政負担の意識というものも変わるのではないでしょうか。

    先生の活動報告を見るに、先生は当たり前のように行っているのかもしれません。その先生にこのような質問をすることは的外れかもしれません。
    また、議員の方に、議員のあり方を問うことは非常に僭越ではありますが、『全体として、地方議員の活動の現状』『先生が考える地方議員のこれからのあり方』この2点についてお答えいただけないでしょうか。

    Reply
  4. 今川 悟 (Post author)

    O.Mさん、いつも奥の深い質問ありがとうございます。
    議員の役割については、私も模索中ですので、記者時代の経験も含めて現時点で思っていることを書かせてもらいます。

    震災時の議員の役割は、やはり地域のお世話役だと思います。気仙沼はまだ地域担当制みたくなっているので、避難所のお世話でリーダーシップを発揮した議員が多かったです。ただ、議員削減が進むと、地区の枠を超えてお世話するようなことは難しくなると思います。
    復旧・復興時には、市役所と地権者の調整も大切な役割でした。どんな事業も用地協力がないと進みませんが、行政の用地交渉のルールでは手土産一つ持っていけません。そこで、地権者と顔見知りだったり、地域のことを思って発言している議員なら、説得しやすいということがありました。私はその域には達していませんが、ベテラン議員ほどこうしたときに強かったです。

    こういう意味でも、議員がコーディネーター役になるということは、とても大切だと思います。土地問題のような利害調整をはじめ、情報、人と人、役所と市民を結べるのは、議員が最適だと感じているからです。
    一方で、地方自治法における議員の役割とは、議会の構成員であり、その仕事と権限は議会という組織に与えられていることも忘れてはなりません。つまり、議場で議論して議決することが本来の仕事であり、コーディネーターとしての役割はあくまでボランティア的な仕事であるのです。地方議員の報酬は、兼業を前提に議会活動分として設定されていると感じますので、専業議員と兼業議員の報酬や待遇を区別するような仕組みが必要です。
    ただし、震災がなければ、大規模な事業はほとんどないので、専業議員が必要かどうかは分かりません。例えば平常時は兼業態勢で、緊急時に専業になれるように仕組みも考えなければなりません。

    コーディネートは経験とセンスだとも思います。防潮堤説明会であった実例なのですが、行政の説明が分かりにくく、住民からの質問もほとんどないまま終わろうとしていたとき、地元の議員が間に入って、行政の説明をかみ砕いたり、住民を示して発言させたりして、とても納得度の高い説明会になったことがありました。当時は記者でしたので、発言できず、ただ見守るしかなかった私は、その議員に憧れて、政治の道に進むことにしました。しかし、得意な分野はそれぞれ異なり、私は情報と人のコーディネートに力を入れています。

    最後になりますが、議員がコーディネーターになる場合、大きな壁があります。それは選挙です。目立つほど選挙に有利になると考えると、行政側も住民側も慎重になってしまいます。せっかくいる議員を活用すればいいのにと思っても、それぞれ支持する政党や議員がいるわけですから、よくよく難しいということが分かりました。「議員が選挙のために活動している」という雰囲気を、議員側も住民側も無くしていかない限り、コーディネートとしての役割を担うという考えは遠のいていくのを痛感しております。

    Reply
  5. O.M

    先生、おはようございます。

    丁寧に答えていただき本当にありがとうございます。

    合併で市域が広がった気仙沼は新しい枠組みの地域編成が、しかもドラステッィクな動きとして迫っていると感じ、先の質問をさせていただきました。
    重ね重ねになりますが回答ありがとうございました

    Reply

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*