地方創生へのチャレンジ【気仙沼市】

国策によって始まった地方創生(まち・ひと・しごと創生)の取り組みですが、気仙沼市でも6月から本格的な議論がスタートします。26日に市議会に対して計画策定へ向けた体制とスケジュールが説明されましたので、その内容を報告します。

気仙沼市の地方版総合戦略は、人口減少克服と地域活性化を目指して27年度内に策定します。国の方針に合わせて2060年までの人口ビジョンをもとに、2015~2019年までの計画にします。今年10月までには暫定的な計画書を仕上げて国に提出し、交付金獲得を目指します。

■市民と協働で総合戦略策定へ

気仙沼市役所内には「けせんぬま創生戦略本部」、担当部署の「けせんぬま創生戦略室」を4月1日に設置してあります。6月14日には、総合計画審議会を活用した「けせんぬま創生戦略会議」を立ち上げ、市民や専門家の意見を取り入れる態勢を整えます。

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戦略会議の下に、「しごと」「定住・交流促進」「結婚・子育て・福祉」「地域づくり・教育」の4つの分科会を設置。それぞれ関係団体から推薦された委員、市民公募の委員、市の若手職員ら18人で構成します。

■「求む!アイデアと行動力」 戦略会議分科会の委員公募

公募委員は各分科会で2人を予定しており、5月26日~6月5日まで募集します。若者のアイデアを求めるために対象は概ね18~40歳の市民とし、無報酬ですが交通費は支給されます。菅原茂市長は「分科会は当局案なしで臨みたいので、アイデアを持っている人に委員になってほしい」と呼びかけています。計画にとどまらせないため、提案するだけでなく、誰が実行するかまで議論したいそうです。つまり、行動力も求めています。

市の力だけで解決できる問題ではなく、市は「市民との協同による地方創生」を目指しています。そのため、約3000人を抽出しての市民アンケート、若者や高校生、企業の意識調査を7~9月にかけて実施するとともに、自治組織や各団体にも提言を求めます。さらに各業界と意見交換し、市政懇談会で地区ごとの意見も聴きます。計画案に対するパブリックコメント(意見公募)も予定しています。

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先行した取り組みとして、すでに2割増し商品券、子育て世代への商品券支給、漁船員や介護スタッフ確保の支援、観光プロジェクトなど14事業の実施が決まっています。先行事業は、さらに全国で300億円規模で用意されているため、8月までの追加申請を検討していきます。

■10月までに暫定計画を提出

総合戦略は今後、10月まで暫定的な計画書を策定して国に提出し、来年2月には成案化します。

国は、地方や企業の「自立性」、夢を持つ前向きな「将来性」、客観的なデータで地域の実情を踏まえた「地域性」、直接的な支援効果のある「直接性」、そして結果重視の姿勢を示しています。東京への一極集中を防ぐために始まった政策ですだが、地方では新たな交付金獲得を目指した地域間競争が激化していきます。気仙沼市の生き残りをかけた挑戦ですので、ここを正念場と捉えて市民の英知を集めましょう。

 

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