造成地に規格外の石埋設。損害賠償8500万円の調停へ【気仙沼市】

29日に開かれた気仙沼市議会臨時会に、損害賠償額決定と調停申し立ての議案を提出されました。損害賠償額は3社計8536万5千円にも達し、その原因となった工事について市と施工業者と見解がかみ合わず、調停に進むという異例の事態です。その経緯を報告します。

■造成地内に大量の石を埋設

問題が発生したのは、鹿折地区で行われた水産加工施設等集積地用地造成工事(その3)です。約4500平方㍍の盛土造成を、滋賀県大津市に本店を置くアルファー建設が役4億6486万円で請け負いました。工事期間は25年6月28日から26年5月30日です。

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引き渡された用地で、27年2月に水産加工場の杭打ち工事を行うための試掘調査が行われると、土の中から大きな石が出てきました。このままでは工事に入れないので、工場の施工業者に依頼して敷地内に埋まっていたすべての支障物を除去。隣接地を含めた除去作業に要した8391万6千円、除去作業によって工場稼働が1カ月遅れたことのなどによる損失144万8682円を損害賠償として求められました。現場写真を見ると、たくさんの岩石が埋設されていたことが分かり、工事に問題があったことは間違いありません。

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■市からの指示があったかどうか

争点は、責任の所在と損害賠償費用を誰が負担するかです。

造成で混入する岩石は、直径25㌢程度(造成が30㌢の層ごとに転圧することなどが理由)までと気仙沼市が決めていました。しかし、土の中から出てきた岩には70㌢のものもありました。なぜ、こんな大きな岩が埋められていたのでしょうか。

アルファー建設が市に提出した報告書や意見書によると、当初は購入した土で盛り土する予定でしたが、市の指示によって陸前高田市から出た土砂を受け入れることになりました。その土砂は、含水率が高い粘性土か、または石まじりのものだったといいます。大きな石は持ち帰ってもらい、搬出先の業者に依頼したが改善されず、市の監督員に相談したら「大きい石は表面に出さないように指示があった」と主張しています。

陸前高田市から搬出され土砂は、両市で交わした覚書で「最大径30㌢以内」とする基準を決めていました。アルファー建設は、規格外の石を運び入れた陸前高田市側の業者にも責任があると指摘していますが、気仙沼市は「結果的に規格外の石が入っていたことが問題。受け入れ側でもチェックできた」としています。

■市と業者の見解相違。紛争審査会の調停へ

アルファー建設が主張する市の監督員への相談についても、「報告を受けた記録、指示を出した記録はない」と完全否定しました。当時の監督員への聞き取り調査でも相談を受けた事実は確認されず、市は「規格外の石が混入していることを認識していたのに、市へ報告がなかったこと」を問題視しています。陸前高田からの土砂を受け入れた他の工区では、このような問題はなく、埋設されていた石が「陸前高田から運ばれたものなのかも証明されていない」としています。

市と業者の言い分が異なるため、工事請負契約に定めていた通り、宮城県建設工事紛争審査会に「調停」を申し立てることにしました。調停は民法の和解としての効力を持ちますが、もし調停が成立しなければ、裁判所の確定判決と同じような効力を持つ「仲裁」を申し立てます。請負契約では、両者ともこの仲裁判断に服することを取り決めています。

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調停、仲裁には時間がかかるため、水産加工会社と代理施工で除去作業を行った業者への損害賠償費用は、市がいったん支払います。そして市は、アルファー建設が全額負担すべきだと調停で主張することになります。

規格外の石が混入していた用地は、他にも確認されており、アルファー建設が除去作業を進めています。この費用についても市と業者どちらが負担するか争うことになりそうです。

なお、気仙沼市は工事現場をチェックするために監督員(市職員)を置き、工事終了後の完成検査も合格にしています。人手不足ではありましたが、大量の岩石が入っていたことに気づけなかった市側の責任もあります。

1 Comment

  1. 大北耕三

    造成地に規格外の石拝読いたしました。従来の開発公社の癖です。行政の担当は地盤工学会で専門就職。そこにJVが教授との忖度構造がこのようになったようです。facebookでshareしたいと思います。Fのボタンを追加頂ければ嬉しく思います。

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