2018市議選の公約「ふるさとを、守りぬく。」の意味

いよいよ、気仙沼市議会議員選挙がスタートしました。インターネットを活用した選挙運動が認められていますので、まずは新しい公約、議員1期目の実績を紹介します。

公約といっても、議員は市長と違って市の政策そのものを約束することができません。議員に与えられる権限の多くは議会という組織に与えられたもので、条例を制定するにも、市の政策に反対するにも議会としての組織決定が必要だからです。ですから、私が掲げる公約は議員としてできることに限定しています。

【キャッチフレーズ「ふるさとを、守り抜く」に込めた思い】

新しい公約のテーマは、①復興から自立への道づくり人口減少と向き合った対策未来のためのチャレンジ…です。国が復興期間と定めた2020年へ向けて残った事業を進めるとともに、復興後を見据えた議論に力を入れますが、厳しい人口減少と向き合い、その中でも未来のための挑戦を始めようと考えた結論です。

こうした思いをもとに考えたキャッチフレーズが「ふるさとを、守りぬく。」です。気仙沼の今もこれからも大切にするという決意を込めました。

具体的な公約は、テーマ別に下記の一覧にまとめました。

【1期目の実績。防潮堤計画の見直し】

三陸新報社の記者を辞めて、議員になって4年が過ぎました。自分なりに一生懸命に気仙沼の課題と戦った4年間でした。特に防潮堤や小・中学校の統合計画の検証、防災に力を入れました。私の考えは、防潮堤は「本当に必要なものだけを造る」、小・中学校統合は「正しい情報を提供したうえで議論し、地元の意見を尊重する」、防災は「亡くなった人たちの思いを無駄にしない」です。

議会で議論した成果としては、都市計画税の課税区域の見直し、災害危険区域の設定ミスの解明、保育所再編計画の見直しなどです。

防潮堤は制度から徹底的に調査し、住民合意がされたものの必要性がない蔵内漁港草木沢地区の計画を白紙撤回させたほか、同じく本吉町の大沢、赤牛漁港の計画の見直しにつなげることができました。

県事業ですが、神山川の堤防計画も住民合意で工事発注もされた後に、住民とともに署名運動を展開し、無駄な区間を短縮して桜並木の一部を残すことができました。

ほかにも計画の見直しに関わった海岸がありますが、草木沢、赤牛、大沢、神山川を合わせて10億円以上の税金を無駄遣いさせずに済みました。

議員一年目で応募した第10回マニフェスト大賞(全国の地方議員を表彰する制度)で優秀賞を頂いたことも、その後の活動の自信となりました。毎月11日に気仙沼復興レポートを公表し、復興の現状と課題を取り上げました。

さまざまな取り組みについて詳しくは、このホームページの中で発信してきました。ホームページには4年間で39万回以上の閲覧があり、市民や専門家との新たなネットワークづくりという副産物もありました。

【私が考える議員の役割】

この4年間、議員の役割をずっと考え続けてきました。たどり着いた答えは、「責任を持って、気仙沼のことを考えるプロの仕事」です。

情報化社会の中、市民参加のまちづくりは当たり前になっていて、市民の声を代弁するだけでは、毎月36万4000円の報酬に見合いません。市民の声を聞いたうえで、その課題について多角的な視点で調査し、問題となった理由、どうすれば解決できるのか、仕組みそのものの改善も含めて提案し、実現することがこれからの議員に求められる役割だと思います。

復興事業をすべて成し遂げたとしても、市民の皆さんには漠然とした不安が残されています。市の財政、水産に依存した産業、人口減少と少子高齢化、さらに県内最低レベルの市道改良率など、とても難しい課題が山積したままだからです。

正直、すべてをすぐに解決するアイデアを私は持てていません。でも、諦めたら終わり…。小手先の対策ではなく、どんなに時間と労力がかかっても抜本的な解決策を見つけなければなりません。行政や一部の人だけで抱え込まず、市民と情報を共有し、みんなで対策を考え、具体的な動いていくことが大切なのです。

私にできるのは、市から提供された資料、議会での議論の争点、各種説明会の資料や意見などを、なるべく分かりやすく市民に提供すること、そして先進地を訪ねたりして解決策のヒントを探すこと、さらに具体的な動きを応援するとともに、自分もリーダーとなって動くことです。これからも、議員の仕事がないときは、まちづくり活動などで自分も積極的に活動し、議論だけでなく、実践をしています。

※下の人口ピラミッドは2015年と2045年の予測を比較したものです。行政と市民が危機感を共有できなければ、抜本的な対策には結びつきません。

【常識を疑い、批判を恐れない】

最期に伝えたいのは、議員としてこれからも大切にしたい思いです。それは、常識を疑うこと、批判を恐れないこと、多角的な視野を持つこと、自分と市民を信じることです。

今回の選挙も、私は選挙カーにスピーカーを付けないことにしました。公選法で許されているのが、「連呼行為」だけだからです。移動中の選挙カーでは、候補者の名前しか連呼してはいけないというルールなら、スピーカーは必要ないと判断し、連呼行為以外が許されている街頭演説用にハンドスピーカーを用意しました。みんながしているからという常識を疑ってみた結果です。

選挙前の個別訪問も控えました。これも公選法では禁止されているものの、後援会への勧誘名目なら「政治活動」として認められるという手法があるのですが、現職の議員は4月30日までの任期で報酬が支払われています。選挙前とはいえ、政治の空白期間をつくらないため、私は議員活動を優先させました。

一部の方からは、「個別訪問もしないでやる気がないのではないのか」とご批判を受けましたが、気仙沼を少しでもよくしたいという思いがあるからこそ、議員活動を優先させました。結局、議員になれなければその思いも実現できないのですが、市民の皆さんはこの4年間の活動をきっと見ていてくれたと信じることにしました。何より、自分を信じられないと、これからの4年間の活動にも自信を持てなくなってしまいます。信頼関係があれば、もっと思い切ったことにも取り組めるのです。

選挙は手段であって目的ではありません。そんな思いで、スピーカーのない選挙カー、自転車、徒歩で市内をまわります。変わった手法ですが、そこから見えるものもあります。私の思いを知ったうえで、大切な一票を託して頂きたいです。

 

 

 

2 Comments

  1. 渡井賢次

    実績の中で10億削減とありますが、この削減分で何かしましたか?教えて下さい。

    Reply
    1. 今川 悟 (Post author)

      防潮堤事業は復興予算で国が全額負担します。節約したお金は国に返すことになりますが、この復興予算は国民の増税による負担です。復興予算は特別会計になっていますので、返したお金は被災地のために使われることになります。

      Reply

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