一般質問の結果報告【6月定例会】

気仙沼市議会の6月定例会が終わりました。

まずは一般質問の結果をまとめましたので報告します。

細かなことは担当課に直接伝えているので、なるべく市全体の問題を取り上げました。

災害危険区域と再シミュレーションの問題、公共施設の縮小の問題、国勢調査データの分析と活用で議論しました。

災害危険区域の議論は平行線でしたが、今後の論点を整理できました。

公共施設は人口減少の中、議論を本格化させるために市の考え方を確認できました。

国勢調査を活用していこうという考え方は共通しているので、市の取り組みを見守ります。

質問の詳細は下記の通りです。

 


今川悟一般質問

令和4年6月21日

 

 新任期の最初の一般質問のスタートに、私が議員を目指すきっかけとなった災害危険区域の問題を取り上げます。

 

① 災害危険区域と再シミュレーション結果公表について                         

 

災害危険区域の見直しを検討するための津波シミュレーションの結果が完全公開されましたので、次の4点について質問します。

 

〔質問1〕 公開されたシミュレーション結果と災害危険区域を比較すると、想定浸水域が拡大したエリアと縮小したエリアが確認できます。その要因を説明してください。

 

菅原市長 これは捉え方の違いなのでやり取りになるか分かりませんが、災害危険区域の変更のための再シミュレーションと言っていますが、そのためにはやっていませんということを何回も当局としては話しています。再シミュレーションをする前の段階では、私と今川議員はだいたい同じようなことを考えていて、そういうことはやらないとダメなんだと思っていました。しかし、そういうものではなかった、ということが市の公式な見解ですし、ましてや国もそういうことは考えていない。他の市町村もやっていません。ということがある意味結論です。

そのうえで、私は個人的にやって良かったと思いました。行政的には想定すべきものではないけれど、個人的には流れの中でやった結果が市民の安全を確認できたので、よかったなと内心は思っています。しかしながら、実際、行政の進め方としては、それが想定されて復興事業が行われていないということも事実だったということが我々の学習です。

もちろん結果として大きな差異があれば、それは直さなくてはなりません。それがないということを確認できたいという意味では、我々の感覚です。それと、人の安全の問題ではく、復興事業の正当性、事業費をかけてやった仕事で、それらに何らかの修正を加えられるかというと、加えられません。そのことも11年間でハッキリしました。

その中において再シミュレーションがどういう位置づけになるのか、ということも我々は勉強しました。その上で、誰かが大きな不利益だったり、気仙沼市の復興事業そのものが正当性をなくして、国から見放されたり、ということが起こらないように、これまで対応してきました。そのために時間もかかったというより、かけざるを得なかった。国や他の自治体の反応もはかりながら、進めるために時間がかかりました。

何よりも大切なのは市民の安全です。そのことが確認された点では、私は個人的には良かったと思っていますが、多くのことを勉強させてもらいました。そのことをよく分かって頂きたい。そのうえで質問に対して答弁します。

災害危険区域と、今川議員の情報公開請求に対する再シミュレーション結果の公表についてでありますが、想定浸水域が拡大したエリアと縮小したエリアが存在する要因ということですが、再シミュレーションは、災害危険区域を指定した時と同じ基本条件で行っております。

差異の要因としては、国土地理院が平成29年2月28日に見直した地盤隆起に伴う水準点及び平成31年3月時点の防潮堤計画や津波防護に資する面整備事業などを反映したことによるものと推測しております。

 

〔質問2〕 令和元年8月の東日本大震災調査特別委員会で、災害危険区域を現状のまま維持する方針が示されました。その理由として、再シミュレーション結果と災害危険区域のシミュレーションに大きな変化は確認されなかったことを挙げました。この「大きな変化」について考え方を示してください。

 

菅原市長 「大きな変化」についての考え方でありますが、「大きな変化とは、復興事業に影響を及ぼすような変化のことである」と令和元年8月9日開催の東日本大震災調査特別委員会でもご説明申し上げました。

また、再シミュレーションの結果、浸水域が拡大・縮小する箇所は確認されましたが、安全について保守性の原則で判断し、災害危険区域を維持すると説明したところであります。

 

〔質問3〕 シミュレーションの大前提である防潮堤の計画が変更されたのに、災害危険区域をそのままにしておくことについて、市民、そして次世代にどのように伝えていくのですか。

 

菅原市長 災害危険区域をそのままにしておくことについて、市民・次世代にどのように伝えていくのかについてでありますが、令和元年8月9日開催の東日本大震災調査特別委員会でご説明したとおり、当初のシミュレーション時から防潮堤計画が大きく変更された地区については、変更により想定される浸水状況の変化などもお示ししており、その影響について一定程度の理解をいただいていると認識しております。

災害危険区域は、住居の用に供する建築物等の建築を制限し、住宅の立地を避けるべき区域であることから、津波被害から二度と同じ惨事を繰り返さないよう、住民の命を守り、防災意識が薄れないよう伝えていくことが大事だと考えております。

また、区域の設定はあくまで不確実性を含んだシミュレーションによるものであり、その後、建物の数や位置も変化することから、避難の判断については、より保守的に考えるべきものであることも伝えていきたいと思っております。

状況が変わって再シミュレーションした結果が出ます。それでもなお変えないというのは、もともとシミュレーションは現実ではなく、微妙な誤差は必ず含まれます。その誤差のことと復興事業を市民が納得する形でスムーズに行うこと、そのバランスを考えなければなりません。そういう範囲内であったと私は考えます。それが今回全く違う結果が出るところがあって、命に関われば全く違う対応を私は国とやりとりしたと思います。そのことをしなくて済んだということです。

 

〔質問4〕 災害危険区域内の建築制限適用除外認定について、令和2年6月定例会の一般質問において、正しい設定でのシミュレーション結果に基づいて運用するよう求めました。しかし、答弁は「対応を変えることは不公平感を生む」「災害危険区域内には家を建てないようにより強く話していく」と現行のまま運用する内容でした。その後の除外認定申請の推移、申請時における市の説明内容について説明してください。

 

菅原市長 除外認定申請の推移、申請時における市の説明内容についてでありますが、本年3月末までの建築認定件数は96件で、昨年同月末と比べると1件増となり、横ばいで推移しております。

申請前の事前の問合せ・相談等については、災害危険区域に関する条例第3条に掲げる用途の建物を建築してはならない旨説明しておりますが、説明してもなお建築したい意向の方には、同条例第4条の規定による必要な調査・確認を行い、建築認定基準を満たす場合は、建築制限適用除外認定しております。

 

今川 この再シミュレーションの予算が議会に計上されたときの説明では「災害危険区域の見直しを検討するため」としていたので、その後に「復興事業の検証のため」と言い直していることは承知していますので、そこは見解の違いということで、私は(予算を認める前提となった)この表現を貫き通したいと思います。

防潮堤計画が異なることによって縮小・拡大するところが出たと思っていました。災害危険区域のシミュレーションをした時と43カ所で異なり、登米沢では14.7mの防潮堤が無しから有りに変わっています。防潮堤計画の変更はどのように影響したのですか。

 

小野寺住宅課長 津波を防ぐ構造物として防潮堤、河川堤防、三陸道、土地区画整理による盛土かさ上げを反映させました。防潮堤に関しても大きな変化はなかったと市としては捉えています。

 

今川 私は「大きな変化」について、市長と同じように命の方で考えています。命に関わる大きな変化はどのくらいかというと、何回も引き合いに出していますが、唐桑の鮪立漁港は9.9mの堤防高を8.1mに下げました。そのときの説明会ではL2津波だと超えていく量が70倍に変わるということでした。災害危険区域は堤防高9.9mを前提に防潮堤の背後地は1m未満の浸水想定になっていますが、情報公開で示された再シミュレーションによって堤防高8.1mだと浸水深は5~6mで防潮堤の背後地が堤防高まで満杯になることが分かりました。これは「大きな変化」にならないのですか。

 

小野寺住宅課長 繰り返しの答弁になるが、大きな変化とはとらえていません。そこに住んでいる方を対象に戸別訪問して危険性や安全性について説明しています。

 

今川 ここも見解の違いということになりますが、私は大きな変化だと思います。鮪立を引き合いに出すのは、唐桑はL1とL2の津波が似通っていて、防潮堤計画を変更することで災害危険区域の変更が大きくなるからで、本吉地域はL1とL2の差が大きいので防潮堤計画が変更されても、災害危険区域に大きな変化はなかったことを確認しています。

特に鮪立地区は防潮堤計画の変更の際に再シミュレーション結果を示していますので、私も印象深く残っています。さらに1/3を無堤化する変更もしていますので、災害危険区域上は浸水想定が1m未満だったところが防潮堤の外に出ました。それも大きな変化にならないのですか。

 

小野寺住宅課長 同じ答弁になりますが、大きな変化とはとらえていません。

 

菅原市長 大きいとか小さいとかの言葉だけでとらわれるのは言葉遊びみたいになってしまいます。ですから、何のためかということを考えなくちゃいけないということで、本市は命を確認してきたということです。

 

今川 その辺も見解の違いになってしまうのですが、このシミュレーションの大前提の部分が変更されたのに、災害危険区域がそのままということで、市としては大きな変化ととらえていないことですが、担当課長は代わっていきます。住民も代わっていきます。そのときに、どういう前提のシミュレーションで災害危険区域が指定されているのかを伝えていくことが大切です。しかし、市が大きな変化がないという認識のまま伝えることに心配があります。

私がしつこくこの問題について質問しているのも、問題を風化させないためという目的もあります。見解の違いと言われても、4年に1回以上は必ずこの問題を取り上げたいと思います。伝えていくことについて、担当課の職員の引継ぎはどのように行われていますか。

 

小野寺住宅課長 これは大きな問題でありますし、現在でも災害危険区域の適用除外認定という事務もあるので、ここは建築してはいけない区域とまずは説明しながら、それでも建てたいということになると、条件などを相談しながら対応をしています。それに対しては職員が必ず現地立会いし、どれだけ盛土したらいいかなどを丁寧に事務対応しています。

 

菅原市長 一番怖いのはだんだん風化して逃げるべき人が逃げないとか、安全でないところに家を建てることを許してしまうとか、その許し方が拡大されることだと思います。そのことについてはしっかり引き継いでいかなければならないと思います。

それで今回、最大の津波想定が公表されるタイミングで再シミュレーション結果を開示する回答をしていました。それは職員が考えてくれたことなのですが、私は非常にこれが正解だったと思っています。

シミュレーションについて議論になり、今川議員も大変こだわっているけれども、それでも人の命は守れないかもしれない、想定外がおこったじゃないか前回は、という精神のもとに、今回は防潮堤が壊れるし、満潮で地盤沈下もするということでシミュレーションをかけて、だから逃げましょうということを説明できるようになりました。これが大事だと思っています。そういうことがいえるようになった時に公開して、こういう議論ができると判断した本市の職員はたいしたものだと今思いました。

 

今川 災害危険区域の区域に関しては復興まちづくりの考え方もあったので、それをいまさら変更しろとは思っていません。ただし、建築制限の適用除外認定という制度は将来も残っていきますので、この部分はこれからも継続して議論しなければと思っています。

そこで問題なのが、何回も例に出している鮪立地区です。いま黄色いエリアで1m未満の浸水が想定される場所なのに、10m近いL1津波が直撃するエリアができ、防潮堤背後地でも5m近く浸水するエリアが出来てしまっているのに、1mの盛土をすれば家を建てられるエリアになっています。それは命を最優先するという考え方と矛盾していませんか。

実際にそういう例はまだないそうですが、災害危険区域の中で浸水深が大きく変わったところについては、今後見直していく必要はありませんか。鮪立の申請があったら認めるのですか。

 

小野寺住宅課長 災害危険区域であれば適用除外の手続きの中で事務を行っていくのですが、災害危険区域外になればそのまま建てられるという判断になるかと思います。それは建築確認の書類はこちらには来ないで県の土木事務所に行くからです。

 

今川 これから新しい情報公開請求によって、除外認定でどういう地域に家が建っているのか継続して調査していきます。除外認定についてどのように運用しているのか、今後しっかりと議論していきたいと思います。

 

2 人口減少時代の公共施設再編について                                         

 

人口減少に対応した公共施設の在り方などをまとめた気仙沼市公共施設等総合管理計画は、平成29年3月の策定から5年が経過しましたので、その成果と今後の課題について質問します。

 

〔質問1〕 目標としていた全延床面積の25%削減について、現在の達成状況と今後の見通しを説明してください。また、計画を推進するための庁内組織である施設マネジメント検討委員会の取り組みについても示してください。

 

菅原市長 延床面積削減目標の達成状況についてでありますが、令和3年度末時点で約1.85%、面積にして約6、739㎡の削減となっております。

内訳としては、新設等により増加した面積が約15、586㎡、解体や譲渡等で減少した面積が約12、855㎡、学校跡施設の貸付けにより減少した面積が約9、470㎡となっております。

今後も、目標達成に向けて、全庁的な視点で俯瞰し、施設類型を超えた集約化や複合化、統合や廃止、払い下げなどを検討してまいります。

公共施設管理に関する庁内組織については、公有財産に係る従来の庁内各委員会を統合し、今年度から、公有財産の取得、管理、運営、処分及び利活用等について、経営的視点から総合的に検討する「気仙沼市ファシリティマネジメント委員会」を立ち上げております。

昨年度は、本委員会の前身となる施設マネジメント検討委員会を3回開催し、公共施設等総合管理計画の改訂や、公園の個別施設計画の策定等について審議しております。

 

〔質問2〕 個別施設計画で地区集会施設については「地元自治会への譲渡」を検討することにしていますが、その検討方法とスケジュールを説明してください。特に唐桑地区で毎年建て替えを計画している集会施設について、建設と合わせて譲渡の話し合いをすることが必要です。令和8年度以降には本吉地区で大規模改修が続く見通しにありますので、計画的な対応を求めます。市の考えを示してください。

 

菅原市長 現在、市所有の集会施設は、気仙沼地域30施設、唐桑地域13施設、本吉地域29施設の計72施設あり、うち61施設が指定管理となっております。

個別施設計画には記載いたしましたが、実際には譲渡を受ける自治会等にメリットがなく、譲渡に至る可能性は低いことから、同計画の改定の際は、譲渡に関する内容は修正すべきものと認識しております。なお、統合等で用途が廃止された場合においては、民間譲渡の対象にはなるものであります。

 

 

〔質問3〕 個別施設計画のうちまだ公表されていない社会教育系施設の計画策定状況と策定が遅れている理由を説明してください。

 

小山教育長 社会教育施設等長寿命化計画策定の進捗状況についてでありますが、文部科学省作成の「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」を準用し、本年3月末に一旦作成いたしました。

しかしながら、社会教育施設等の全体棟数34棟、延べ床面積46、226㎡のうち、一定の整備が必要な目安とされる建築後30年を経過した施設が15棟にも上ることから、年間約4億円と多額の改修費用が必要となる試算結果が出るなど、財政的に暗礁に乗り上げており、今後、計画に値する内容とすべく、さらに調整して7月の完成を目指してまいります。

 

 

〔質問4〕 個別計画が出揃った後、危機感を持って計画を抜本的に見直すべきと思いますが、市の考えを伺います。

 

菅原市長 個別施設計画の見直しについてでありますが、本計画は、実績や財政状況、社会情勢等の変化を踏まえ、策定から5年ごとに見直しを行うこととしております。

計画の見直しに関しては、事業費のローリングにとどまらず、人口減少等による公共施設の利用需要の変化に対応する必要があると考えますが、設置の経緯や地域の実情に併せて財源の見通しを考慮した上で、施設ごとに政策的な判断をしてまいります。

なお、上位計画である公共施設等総合管理計画は、令和38年度までの人口減少や財政状況の推移を踏まえて策定したものであり、基本的には今後も本計画に沿って公共施設等の機能の適正化、投資的経費の平準化に努めてまいります。

 

〔質問5〕 計画で課題となった「施設の利用料の適切な設定」を解決するため、令和4年2月に「公共施設の利用に関する基本方針」が策定されました。この方針に基づいた取り組みの状況、料金改定へ向けたスケジュールを説明してください。

 

菅原市長 公共施設の利用に関する基本方針についてでありますが、本方針は、公共施設の継続的かつ安定的なサービスを提供するため、使用料等について公平・公正となるよう統一的な算定基準を定め、受益者負担の適正化を図ることを目的として策定したものであります。

具体的には、使用料及び利用料を徴収する公の施設を対象として、当該施設における人件費などの維持管理に要する費用について、公益性の高さなどに応じ、市と受益者の負担割合を算定し、現行の使用料等を検証することとしております。

現在、各施設に対し、基本方針に基づく試算による使用料等を照会しているところであり、今後、結果に基づく検証を行い、今年度中に各施設における料金改定の実施時期等について、方向性を定めてまいります。

 

今川 最初に計画の進捗管理について確認します。今年2月の改定で新しい文章が加えられていましたが、毎年の進捗は市のホームページなどで公開するのですか。

 

菅原市長 建物なので時間とともに勝手に小さくなるわけではありません。売らなくていいものを売ることもありません。したがって、25%削減するのは、25%というものすごく大きな意味合いとして意識したうえで、一つ一つの建物のときにそれが25%達成にどういう意味合いを持つのか、ここはゼロにできるのか、こっちは100%を維持したいのだけれど75%でもいいかもしれない、80%でもいいかもしれない、そういうような調整していくことなので、1年で区切って何%なのかという数字は出せますが、あまり大きな意味を持たなくて、一個一個のことについて議員も分かるわけですから、そういうところで議論していくことが大事だと思います。

そうでないと進まないと思います。勝手に切るわけにもいかないし、建て替えも改修も譲渡もしょっちゅう起こることなので、そのことを確実に行っていく。そのときに25%に向かってどういう意味を持つのかを検証していくことが大事だと思います。

 

今川 25%にこだわっているわけではないのですが、今年2月に追加された個別施設計画の進捗及び効果が出ているのですが、それは年度ごとに目標値も示されています。例えば令和4年度であれば11施設減らして令和2年度比で延べ床面積を2.23%削減するという数値が出ています。この進捗管理はしないのですか。

 

菅原市長 国の指針やガイドラインに沿って書かざる得ない状態にありますが、実際に起こることの検証のシステムの方がよっぽど大事だと思います。それは数字上は出すのだと思いますが、それで実際は管理できないと思います。そういう性質のものなので、本来の性質のところを着目していかないといけないと思います。

 

今川 その本質のところへ行くために、施設分類ごとの管理をお願いします。保育所の統合に伴って床面積を減らしたからと言って目標達成かというと違う気がします。集会施設は面積が増えているわけですから、施設分類ごとに目標を立てていった方がいいと思います。

 

菅原市長 数字を出すことはできます。市職員にやってもらおうとも思いますが、もう一つはお金との関係です。更新をするから小さくできる、更新するから統合できるというようなこともあり、その更新については教育長からの答弁にあったように、お金がなければできませんので、1年も2年もずれる可能性があるし、もしかしたら5年平均でずらさない限り無理だということになると思います。ある程度整合性のある計画を立てようとすれば、そのことの変化の大きさを考えたとき、1年ずつの、計画というものの評価をこだわったり、評価されたりする必要があるのかということ、職員の仕事が意味なく増えない形で公表していきたいです。

 

今川 どちらかというと延べ床面積の削減率よりも、施設の更新や大規模改修が重要だと思います。社会教育系施設だけで年間4億円かかるという話でしたが、すでに個別施設計画が策定されている分だけでも10年間で139億円、毎年14億円の更新費用がかかり、これに社会教育系施設が加わることになります。これが毎年計画通りにいくわけがなくで、翌年度以降に繰り越していくことになれば、残った年度の平均はますます高くなります。だから、毎年とまでいかないにしても、見直していくという話だったので、できれは施設分類ごとの進捗状況の公表をお願いします。

 

菅原市長 公共施設の管理計画をつくって、全国的にこのままではできないということです。単純に言えば。60年だ80年だと言っていますが、一部では100年も使うものも出てくると思います。そのうえで国として、補助政策をしますことがあり、そのためにみんな計画をつくったのだと思います。その前提で見てほしいです。いろいろなことを出すのはいいのですが、その分、職員の仕事がどんどん増えて、そのことに意味があればいいのですが、それより本質的なところを見てほしいです。

教育長の答弁の中で「暗礁に乗り上げた」とありましたが、それは私がこう書いた方がいいと言いました。実際、そういう状況です。で、こまま出せないよと返しました。その中にもっとひどいのは、国の指針の中に過去にいくら使ったかというものに光熱費も入っていることです。光熱費と建て替えは関係ないのに、過去にいっぱい使っていたように見せるために光熱費も入れてこのぐらいだったら、新しい方が光熱費が入らないからできるような数字をつくろうとしているみたいなのがあって、それは必ず質問されてそこで止まってしまうので、どう解決できるかをやってもらっているのですが、なかなか難しいということです。それは本市だけではないので、国が建て替えや更新を応援することもポイントになると思います。

 

今川 この計画を市民が知ることで公共施設の在り方を一緒に危機感を持って考えていくという意味では、なるべく情報は発信しなければと思って質問しています。

特にこの個別計画をよく見ると、本吉地域の集会施設は令和8年度から11年度の間で19施設の大規模改修を計画しています。費用はこの4年間で10億円以上です。現実的にはこのように進むとは思わないのですが、このまま維持していこうとすると、こういう問題が出来るということを市民と共有すべきだと思います。

集会施設の譲渡は自治会にメリットがないので、記述を削除するという答弁でしたが、気仙沼地区で集会施設を所有している自治会とのバランスを考えてください。本当は譲渡に舵を切るべきではありませんか。譲渡しないというなら、すべての自治会の集会施設を市が建てるくらいの気持ちでやっていかないと、ずっと不公平な格差が続くことになってしまいます。この格差は解消されていくのですか。

 

菅原市長 私も計画を見て、こういうのが入ってたんだなと今さらながら気づきました。実際、受けることはないと思いますので、それを前提に気仙沼地区のことを考えていくことになると思います。それは一回には起こらないので、一つ一つの流れの中で対応しながら、流れの中で判断せざるを得ないと思います。記載を削除するにしても、とりあえず残しておくにしても、可能性があれば譲渡してもいいと思うのですが、あり得るのは二つを一つに統合することで、残念ながら人口が減って、片方は売りましょうかみたいな話は出てくるかもしれません。また、別な形で使うからということが出れば一番いいと思います。

ハッキリしておいた方がいいのは、そのことを譲渡しないからといって25%削減は23%いいとはならないことです。やっぱり25%削減は堅持しなければならない目標と思っています。

 

今川 全体の公平性という視点で見直しを考えてほしいです。市長は所信表明でも必要な見直しに言及していますので、計画を5年ごとに見直すということは間違いありませんから、また議論していきます。

最後に質問した受益者負担の適正化についてですが、けっこう値上げが想定されると思います。激変緩和措置として1.5倍を上限としていますが、見通しはあるのでしょうか。

 

伊藤財産管理課長 負担の平等化を念頭にしています。見通しについては他市の事例を見ながらということもありますが、現実的に公共施設それぞれ目的は異なりますので、施設によって偏りもあると思います。回答はまだ全部出ていませんが、いま出た分を見ると、あまり大きく変わる施設は多くないのかなと思っています。ただ、一部の施設では負担の割合がだいぶ変わってくると思いますので、他市の例も参考にながら今後適切に見直していきます。

 

今川 年度内にはということなので、まとまった段階で情報共有お願いします。基本方針の中の事例で、体育館のトレーニングルームなど不特定多数の個人が利用する施設については、対象原価を年間利用者数で割るという計算式が出ていましたが、これだと大きく変わるのではありませんか。

 

伊藤財産管理課長 まだ検証していないので答弁は控えさせていただきます。あと一つの考え方として、使用料と利用料の施設は少し分けて考えなくてはと思っていまして、利用料の施設に関してはインセンティブの部分がありますので、そういったことも加味してみていきたいと思っています。

 

今川 これから人口減少の中で厳しい判断が迫られると思いますので、あらためて情報共有をお願いします。

 

 

3 国勢調査結果の分析と活用について                                        

 

令和2年10月に行われた国勢調査の集計結果が順次公表されていますので、その分析と活用について質問します。

 

〔質問1〕 これまでに公表された集計結果から、本市の世帯構成や配偶関係、就業状況などが明らかになりました。その結果をどのように分析して庁内で共有したのか説明してください。

 

菅原市長 集計結果の分析及び庁内での共有についてでありますが、人口構造や世帯構成、配偶関係等、これまで公表された集計結果については、本市に加え、国、県、他市町村の状況や前回調査時との比較を行い、相違する要因を分析し、庁内で共有しております。

なお、集計結果については、市ホームページで公表するとともに、市政懇談会や人口減少に関する市民会議など、様々な機会を活用し、広く市民と状況や課題を共有してまいります。

 

〔質問2〕 今年1月に公表された人口等基本集計で、3人以下の世帯が8割になっていたことが分かりました。気仙沼の強みであった多世代同居世帯の効果を整理し、支援策を検討する考えはありませんか

 

菅原市長 多世代同居に向けた支援策の検討についてでありますが、本市の全世帯に占める3世代等世帯の割合は、平成27年で23.7%、令和2年で20.1%と減少しており、全国でも平成27年で9.4%、令和2年で7.7%と減少傾向にあります。

本市では、生産年齢人口の減少や未婚化・少子化の進行等により、多世代同居に至らず、高齢者のみの世帯が増えており、これまで家族が担ってきた介護や外出時の送迎等については、地域や事業者、関係機関と連携しながら、住民同士の支え合い活動を中心に推進してまいります。

なお、多世代同居は望ましい居住形態でありますが、多様な価値観を地域として受け入れることも、人口減少対策の観点においては大切な要素と考えております。

 

 

〔質問3〕 公表されたデータのうち、特に就業状況に関する集計は本市の産業界においては重要な資料となります。このようなデータと分析結果について、市民と共有する取り組みについて伺います。

 

菅原市長 就業状況に関するデータと分析結果についてでありますが、県では本年9月末に従業地・通学地集計を加えた分析結果を公表することとしており、その結果を踏まえた本市の就業状況を分析し、市民や産業界と共有してまいります。

 

今川 庁内で共有した国勢調査の分析データを見ましたが、しっかり分析してありました。これは国勢調査のごとに取り組んできたのですか。

 

後藤震災復興企画課長 これまではExcelデータ方式での提供を行っていましたが、今回はグラフや図を使って見やすいようにしました。

 

今川 市民にも公表しませんか

 

後藤課長 ホームページの活用もありますし、市民と交流する機会があるときは説明に資料として用いていきたいと思っています。

 

今川 多世代同居については、私もいろいろと数字を追ってきているのですが、20%まで減ってきて思った以上に少なくなったと感じました。震災があって災害公営住宅へ入居したことも影響していると思いますが、特例措置を検討したことはありますか。

 

後藤課長 例えば塩竃市などで三世代世帯の新築やリフォームに補助金を出しています。本市では新婚生活の補助金があり、同じように新築やリフォームに補助金を支給しています。限りある財源の中では、人口減少対策につながるかということで、幅広い視点から検討したいと思っています。市民会議によって市民の皆様と情報や課題を起用有して、より多くのアイデアを頂きながら選択していきたいです。

 

今川 国勢調査のデータを共有して、打てば響くところに政策を売ってほしいと思います。多世代同居でおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らすことで、子育てとか介護とかで支え合ってもらっていますので、いろいろな応援の中で検討してほしいです。

これから従業地調査の結果が出てきますが、中小企業振興会議などで共有されますか。

 

平田産業戦略課長 9月に分析結果が公表されますので、その内容をきちんと確認したうえで、産業界に対して情報共有します。基幹産業である水産業とか、地域経済循環によって分析しているので、活用できるかどうかも含めて関係団体と相談しながら進めていきたいです。

 

今川 産業分野別の平均年齢、世代構成も国勢調査は明らかにしています。令和2年の結果ですので、勝が低くなる前になるべく早めに共有してください。

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