1000年に1度の洪水想定を公表【気仙沼大川、鹿折川】

宮城県は気仙沼大川と鹿折川を対象に、1000年に1度の洪水の浸水想定を公表しました。これまで想定していた50年に1度の大雨に比べると、雨量が3~4倍になるため、浸水範囲も拡大します。

【全世帯へ防災マップ配布】

近年の異常気象で豪雨被害が相次ぐ中、2015年に水防法が改正されました。これまでの施設整備を基本とした「計画規模の雨量」ではなく、「想定し得る最大規模の降雨」を前提とした洪水浸水想定を公表することが義務付けられました。

対象は2級河川までで、気仙沼大川と鹿折川の浸水想定は宮城県河川課のホームページで5月に公表されています。

計画規模と想定最大規模の洪水浸水想定区域図のほか、河岸の浸食が心配される範囲、浸水が12時間以上続くかなどが分かる想定図もあります。想定最大規模の浸水図は2種類ありますが、1つは範囲を区切ってシミュレーションした結果のため、さらに範囲を広げた参考図の方で気仙沼市がハザードマップを作成します。この防災マップは全世帯へ年度内に配布する予定です。

 

【想定雨量は3~4倍に】

気仙沼大川の場合、1日当たりの計画雨量は193ミリでしたが、想定最大規模だと563ミリになります。計画規模と比較すると、浸水想定区域も大幅に拡大します。

しかし、震災前に作成したハザードマップと比べると、そんなに大きな違いはありません。これは、震災後に河川堤防を高くしたり、宅地をかさ上げしたりしたことを反映させたからですが、東新城、上田中では拡大が目立ちます。

※次の図は気仙沼大川、鹿折川それぞれの最大規模、計画規模の浸水想定です

鹿折川の雨量は計画規模は193ミリですが、想定最大規模だと738ミリになり、上流部での浸水域拡大が目立ちます。

今後、各家庭に配るハザードマップの作成に当たり、避難所などの見直しも行われます。

さらに、来年度以降には津波の想定最大規模浸水想定が公表される予定です。現在の災害危険区域は東日本大震災と同規模の津波が再襲来した場合の想定浸水域ですが、この津波が満潮時に発生し、地盤沈下も起き、防潮堤は津波が乗り越えると破壊されるという「最悪の想定」で浸水域をシミュレーションします。命を守るための備えですが、住民の混乱が心配です。

※気仙沼市の現在の防災マップ(洪水)は最大規模の内容に変更します

 

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