観光振興動き出すも出生率低下【6月定例会まとめ】

気仙沼市議会6月定例会が、26日で閉会しましたので、そのポイントを報告しましす。

特徴は、観光振興です。移転新築する道の駅「大谷海岸」は来年2月、震災遺構とセットのパークゴルフ場は今年9月のオープンに向けて、指定管理などの準備が進んでいます。大島の亀山整備にも乗り出します。

【NHK朝ドラを受けて実行委員会を設置へ】

NHKの朝ドラの舞台となることが決まり、市役所内に推進室を設置し、庁内に対策本部、官民による実行委員会も急いで立ち上げ、撮影を支援するほか、観光や物産の振興策に取り組みます。100年に1度のチャンスといわれていますが、三陸道の全線開通、震災10年の節目と重なり、1000年に1度のチャンスだと思います。

避難階段が近隣住民を救った民家の保存、市総合体育館への防災倉庫整備、保育所の民設民営化の方針、小・中学校のタブレット導入前倒しなど、新しい話題もありました。

【合計特殊出生率1.16に低下】

復興が仕上げに入り、ようやく観光振興に力を入れ始めたのですが、深刻なのは少子化の問題です。気仙沼市の合計特殊出生率(女性が産む子どもの平均数)は2019年で1.16でした。2018年は1.31、2017年は1.38と県平均並みを維持してきたのですが、母数が減って変動しやすくなっているとはいえ、この下げ幅は気になります。

※下の表は気仙沼市の地方創生人口ビジョン。2020年の出生率は1.60の目標だった

このほか、テーマ別のポイントをまとめましたので、関心のある方はご覧ください。PDFデータはこちら→2020.6月定例会のポイント


6月定例会のポイント

医療・福祉                                      

【新型コロナ対策】

・1人10万円の定額給付金の支給率は96.5%(6/18)

・新型コロナ対策臨時交付金の2次配分は8億4300万円

・県の休業協力金の申請受付は426件(6/10)。想定は最大914件

・協力金対象外への独自支援10万円の申請は227件(6/10)。想定は最大560件

・感染症クリニックは5/27~6/10までの問い合わせ6人、受診3人

・感染症リスクが高いため、小・中学校の今年のプールは中止

・県の休業協力金の対象外となった業種については、農林水産業まだ拡大することでほぼすべての業種が対象となる

・市職員の歓送迎会は自粛してきたが、月末前には判断したい

・市議会の視察費1061万円、政務活動費(1人当たり月1万円)の半分144万円を返上

 

【市立病院は選定療養費で他院への紹介状増】

・4月から導入した選定療養費の分析は新型コロナのため困難

・紹介状は他の医療機関から市立病院が10%減、その逆は5%増

・市立病院と民間医院との情報共有のため、医療関係者が交流する方策を医師会等と協議する

4、5月の紹介状
2019年 2020年 増減
市立病院から他院へ

(うち市内)

694

(264)

730

(394)

+36

(+130)

他院から市立病院へ 428 385 -43
合計 1122 1115 -7

 

【大島歯科医院の公募断念】

・休院している大島歯科医院は、運営者を公募する予定だったが、困難と判断し、週1回の巡回診療を保健所と相談している

・公募を検討しているという記事を見て、市内外から複数の問い合わせがあり、現地も確認してもらった。しかし、採算性で難しく、診療機器を交換してほしいなどという話もあり、「公募することに意味がないと分かった」と菅原市長

 

まちづくり・震災復興                                 

【NHK朝ドラを盛り上げるため官民プロジェクト検討】

・「100年に1度の機会と捉え、その価値を最大化することに全力投球する」と菅原市長

・市役所に仮称プロジェクトモネ推進室、庁内対策本部を設置。庁内本部には①集録支援②観光プロモーション③物産プロモーション④移住定住推進⑤シティプロモーション⑥統括、のチームを編成し、各課を充てて担当者を指名する

・経済団体、金融機関、まちづくり団体、交通事業者などに呼び掛けて(仮称)気仙沼プロジェクトモネ実行委員会を発足させ、全市を挙げた取り組みを強力に推進する

 

【三陸道全通対策】

・ハーフインターの注意喚起などを地図にまとめ、紙媒体とウェブで発信する

・大島大橋でも効果があったSL案内看板を設置する

・ラジオやSNSを活用したリアルタイムの渋滞情報発信も検討する

 

【復興庁の延長】

・復興庁の設置期間が10年延長されたことで、地震・津波被災地域は令和3年度から5年間で残された課題に取り組むことになった

 

【民間遺構保存に市有地無償貸し付け】

・民間遺構として保存する旧阿部家の移転先として、南気仙沼復興市民広場の一部1559㎡を無償貸し付けする

・旧阿部家は、阿部長商店会長だった阿部泰治さんが三階建ての自宅に外階段をつけ、近所の人たちの津波避難先としたことで、震災時に約20人助かった教訓を伝えるため、長女の憲子さんが保存する

・遺構は「命のらせん階段」として震災伝承ネットワーク協議会の震災伝承施設に登録された

・貸付期間は20年間で更新可能。施設の維持管理費用は所有者が負担する

・施設は無料公開で、敷地外から見学してもらう予定

・市は施設の評価を「被災当時のままの状態を保存することで、震災の教訓と記憶を伝承する」「復興市民広場に隣接することで地域防災学習の観点での相乗効果を期待」などとして

【ケーウエーブに防災倉庫】

・市は旧ごみ焼却施設跡に防災物資の集積配送基地を計画していたが、橋の架け替えが必要なうえ、土砂災害の危険性もあり、復興庁から認められなかったため、市総合体育館の敷地内に建てることにした

・五右衛門ヶ原、気仙沼西高校跡地も検討したが、他の防災機関との連携、市内最大の避難所との連携を考慮した

・旧青果市場が公営住宅になったので、その代替機能として復興庁を説得した

・建設場所は市総合体育館の駐車場に入って右手にあるプール計画地。仮設住宅が建っていたところ

・倉庫は敷地面積6600㎡、建築面積900㎡、延べ床面積1800㎡。床面積は新築する新月公民館の2倍という広さ

・倉庫は災害時の支援物資の集積地とするため、普段の備蓄量は少ない

・市議会9月定例会に工事契約を提案し、10月の着工、年度内完成を目指す

・2階には事務室、2つの会議室、仮眠室もある

・普段は防災の会議や講習会に使うことは認められている

・ヤマト運輸の指導で効率性を考えた

・唐桑体育館、本吉総合体育館の搬入口改修と合わせた事業費は6億円

 

【パークゴルフ場の指定管理者決定】

・震災遺構前に9月オープン予定のパークゴルフ場の指定管理者を一般社団法人汐風倶楽部(佐藤敏典代表)とした。期間は令和8年3月末

・指定管理の公募には2社が応募。地域との連携などを考えて選定した

・汐風倶楽部は社員3人、嘱託6人で施設やコースの管理、受付、食堂運営などに当たる

・利用料金は指定管理者の収入とするが、不足分として市が年780万円の指定管理料を出す

・運営委員会を設置して関係団体とも連携する

・令和2年度は指定管理料、避難用スピーカー設置、備品購入費などとして市が4000万円を予算化した

※下表は指定管理団体の収支計画

【おためし移住を事業化へ】

・復興創生インターンは平成27年から令和元年まで12社73人を受け入れ、うち2人が市内に就職した

・2~3日滞在して仕事も体験できる「おためし移住」の事業化を進める

・移住・定住支援センターへの問い合わせは28年66件、29年164件、30年212件、元年171件

・ふるさとワーキングホリデーは前広に検討する

 

産業・経済・インフラ                                  

【新・道の駅大谷海岸は来年2月オープン】

・新しい道の駅「大谷海岸」は来年2月のオープン予定

・市議会12月定例会に指定管理者を提案するが、現在の第三セクター・本吉町産業振興公社を指名する方針

・売り場面積は仮設の3.5倍になる。社員7人、パート17人(現在は社員3人、パート8人)で運営する

・開店準備に充てるため4000万円を市が出資する

・出資金は引き上げず、配当が得られるようにする

・道の駅の移転新築の事業費は11億7500万円

・令和3年度で3億4000万円の売上、500万円の純利益を計画している

 

【亀山の山頂整備は数年がかりで】

・出国税を財源とした補助事業で亀山山頂の整備基本計画を策定し、老朽化したあずまやを解体して新設し、遊歩道を整備する

・基本計画は最長で令和4年度まで

・今回の遊歩道整備は東側であり、駐車場から遊歩道整備は別途検討する

・「最大の課題は山頂へのアクセス。それはそれで進める」と菅原市長

・大島の観光資源を生かした星空ガイド養成などに300万円を予算化した

 

【水道料金の値上げは12月に議会提案】

・来年4月を目標に各パターンを検討中

・8月に審議会、9月に議会説明、12月に議会への条例提案、4月まで数カ所で市民説明会を予定

 

【基幹農道のアクセス向上】

・三陸道の岩井崎ICから国道45号までのアクセス道として岩尻縦貫線と菖蒲沢線の改良が進む。施工延長は2795mで、一部はバイパス化して車道は2車線(幅員7.5m)と片側歩道(幅員2.5m)となる

・ほとんどの区間で工事発注が進み、年度内の完成を目指す。国道出入口付近の80m区間は工事費約1億円を予算計上した

・大谷小から国道45号までの改良工事も行われていて、こちらは延長525mのバイパス工事

 

教育・子育て                                     

【合計特殊出生率は1.16まで低下】

・プロジェクト1.90市民交流ワーキング、タウンミーティング、民間チャレンジャーの支援に301万円の予算を計上

・プロジェクト1.90の名称は市民ワーキングなどで検討する。その結果については「施策と一緒に発表すべき」と菅原市長

・令和元年の合計特殊出生率は1.16(平成30年は1.31、29年は1.38)

 

【面瀬保育所は民設民営。開所は1年遅れ】

・面瀬保育所は民設民営の方針。造成は来年2月で完了し、土地は市で用意するが、施設は民間で整備することで、基準額に対して国の1/2、市1/4の補助金が利用できる

・施設整備に対する市の独自支援も検討する。「事業者が現れるように魅力ある条件を出したい」と菅原市長

・保育施設の民営化ガイドラインは9月までに策定する。

・保育士確保の時間も必要となり、令和4年4月の開所は難しく、令和5年に遅れる。もともとのスケジュールが厳しかったこともある

・地域には民営化のメリット、デメリットを含めて説明する

・面瀬保育所の敷地面積は2501㎡。0-5歳の認可保育所で定員75人。ちなみに、唐桑保育所(定員60人)の敷地面積は3680㎡、建設費は3.2億円。建物の設計に1年、さらに建設工事入札から完成まで1年かかる。鹿折こども園は

新設する認可保育所の比較
定員 敷地面積 運営方法
面瀬 75人 2501㎡ 民設民営
唐桑 60人 3680㎡ 公設公営

 

【小・中学生へのタブレット導入は来年1月】

・来年1月に1人1台を目標とする

・LTモデルだと通信料が莫大(月2200円×3800人=月840万円)

・タブレットは卒業生が使っていたものを新入生に渡す

・保護者アンケートでは、87%の家庭でインターネット環境が整い、Wi-Fi環境は84%で瀬日されていた。市が通信料を負担してモバイルルーターを貸し出し、すべての家庭でタブレットを有効利用できるようにする

・社会教育施設にもWi-Fi環境を整備していく

 

  • そのほか

・公共施設のトイレへのユニバーサルシートは可能な限り設置していく

・来年10月に財務・庶務システム導入を予定している

・小・中学生のカバンの重さ(6/16抽出調査)は小1~3年で4.5㎏、4-6年で6.2㎏、中学生で10.7㎏だった

・LINEを活用した道路監視システムは本年度中の試験導入を目指す

 

基金残高(6/26補正後)
財政調整基金 105.5億円
復興基金(取崩型36億円分) 1200万円
復興支援寄付基金 1億1400万円

 

 

令和2年度一般会計の補正予算概要
面瀬保育所造成工事

9400万円

面瀬公民館隣接地の土地2501㎡を造成する。9月に入札、10月の工事着手、来年2月の完成を予定。施設は民設の方針。
住宅リフォーム補助

500万円

1件当たり50万円以上の住宅リフォームに、一律10万円を補助。持ち家で住環境の向上、衛生面の改善を目的とした工事が対象
タクシーデリバリー補助

480万円

新型コロナ対策として飲食店の弁当をタクシーで配達する事業を継続。1件の上限を1000円から1500円に引き上げる
飲食店応援商品券

650万円

新型コロナ対策として実行委員会が発行した2割増商品券(ホヤチケ)を追加発行する。500円×6枚を2500円で1万セット販売。割り増し分を市が補助する
漁師学校の企画運営

567万円

地方創生推進交付金を獲得したため、事業費を2倍にした。石巻市のフィッシャーマンズジャパンに委託し、漁師学校の運営、漁業求人の募集などに取り組む
漁船建造利子補給

100万円

20t以上の漁船を市内の造船所で建造するか、利子補給中に気仙沼魚市場へ水揚げすれば、3年間、年1%以内の利子を補給する
防災物資集積配送基地整備

6億730万円

市総合体育館敷地内に防災倉庫を整備し、支援物資の集積・仕分け拠点とする。本吉、唐桑体育館の搬入口改修も行う
地域防災計画の改訂

820万円

地域防災計画と水防計画を改訂するとともに、指定避難所の整理・見直しを行う
小中学校のタブレット導入

1億1122万円

新型コロナを受けて小中学生全員にタブレットを導入する計画が前倒しになったため、追加する2417台などの予算を計上
大島観光コンテンツ開発

300万円

大島の観光資源を生かしたツアーの実施、星空観賞ガイドの養成などに取り組む
亀山園地整備

709万円

亀山山頂整備に関する基本計画を策定するとともに、老朽化したあずまやの解体と新築、遊歩道整備に取り組む
半造レストハウスの改修設計

440万円

唐桑オルレのゴールにある半造レストハウス(昭和40年建築)を改修するための調査設計を行い、来年度に改修する予定
鹿折金山資料館の入口道路整備

2000万円

鹿折金山資料館に大型バスが乗り入れできるように幅員9m、全長53mの進入路を整備する

 


 

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