防潮堤がなくなっても災害危険区域は変更しない?

気仙沼市の災害危険区域について問題提起します。少し難しい問題ですが、津波災害から住民の命を守るために厳しい規制が伴う災害危険区域の在り方について、多くの方に一緒に考えてほしいです。

【災害危険区域。浸水域の74%で建築制限】

気仙沼市は、防潮堤やかさ上げなどの対策を施しても、巨大津波で浸水することが想定されるエリアを災害危険区域に指定しました。津波シミュレーションをもとに、震災の浸水域18.65㎢のうち13.9㎢を対象に、住宅や保育所などの建築を制限しています。詳しくは気仙沼復興レポートの「危険区域と災害リスク」または「最悪の想定に備える」をご参照ください。

災害危険区域内では建築が制限されますが、想定浸水深が2m未満であれば、盛土したり、基礎を高くしたりするなどの安全対策をとれば、特別に建築が認められます。これを除外認定といい、今年6月末時点で、住宅42件、アパート10件、災害公営住宅3件、民宿やホテル4件など計65件の申請を受けています。

【43海岸でシミュレーション設定と差異】

災害危険区域は津波シミュレーションで設定しました。明治三陸津波級の「レベル1津波」を防ぐ防潮堤を整備しても、東日本大震災と同じ「レベル2津波」で浸水するエリアを指定したのです。しかし、2012年7月に指定後、防潮堤の計画が次々と変更となり、市によると43海岸でシミュレーション時に設定した高さが変更されました。

レベル1津波に対応した防潮堤が整備されたことを前提にしていたのに原形復旧になったり、原形復旧で津波シミュレーションをかけたのにレベル1津波対応の防潮堤ができることになったりと、災害危険区域を決めるための前提条件が変わってしまったのです。

下表にも記載しましたが、2011年7月9日に災害危険区域を指定した直後、7月11日から29日まで開催した防潮堤に関する初の市民説明会で、すでに災害危険区域の設定と異なる防潮堤計画(有無や高さ)が示されており、もっと早く変更を反映させて災害危険区域の見直しを検討できなかったかと悔やまれます。

【区域見直し検討へ再シミュレーションも、変更せず】

災害危険区域は津波から命を守るために指定しているので、市は災害危険区域の見直しを検討してきました。約3000万円かけて再シミュレーションも行いました。

しかし、今月9日の市議会東日本大震災調査特別委員会で「現行の災害危険区域を維持する」と市の方針が示されたのです。その理由は「津波シミュレーションの結果、復興事業に影響を及ぼすような大きな影響は無かった」ということでした。災害危険区域に基づいて国から事業採択され、予算措置された復興事業が完了しようとしている中、気仙沼市以外に再シミュレーションを行う予定の市町がないことも理由の一つとして挙げられました。

再シミュレーションは、最新の防潮堤計画だけでなく、地盤隆起に伴う水準点改定も反映させました。当然、想定浸水域はこれまでより拡大したり、縮小したりした地域もありましたが、拡大した範囲に建物がなかったそうです。津波シミュレーションの不確実性について認める答弁もありました。ただし、混乱を防ぐために再シミュレーションの結果は公表されませんでした(現在、情報公開請求中です)。

【影響はないと説明はあったが】

今後、議論を深めていきますが、現時点で私が思っている問題は次の2点です。

・防災上、本当に災害危険区域を変更しないで大丈夫なのか

・災害危険区域を変更しないことによって不公平にならないか

気仙沼市のように防潮堤計画が大きく変更された市町はほかに例がないので、気仙沼市が率先してこの答えを見つけなければなりません。

防潮堤の変更箇所を一覧表にまとめましたが、市の報告によると、レベル1防潮堤が原形復旧・無堤となったのは23カ所、原形復旧・無堤からレベル1防潮堤ら変更されたのは12カ所です。例えば、日門漁港は無堤で災害危険区域を指定しましたが、海抜9.8mの防潮堤を造ることになった一方、気仙沼漁港の港町地区では海抜5mの防潮堤ができることを前提に災害危険区域を指定しましたが、無堤となりました。

【防潮堤の海側に住宅建築が可能になるケースも】

防潮堤の有無が変更になっただけでなく、地域との話し合いによって堤防高を下げた海岸もあります。

例えば鮪立漁港は海抜9.9mを8.1mに変更しましたが、それを決めるときには災害危険区域への影響についても議論しました。(堤防高が下がった経緯は2014年9月のブログ、計画変更については2015年7月のブログに詳しくまとめています)

2014年9月の説明会では、堤防高の変更に伴う津波シミュレーション結果が示され、海抜9.9mだと背後地へのレベル2津波の越流量は2000㎥にとどまるが、海抜8.1mに下げると70倍の13万7000㎥になると説明されました。背後地の地形がすり鉢状のため、想定浸水域の拡大はわずかですが、浸水深は1m未満だったのに5m前後になるという結果でした。

【鮪立、小鯖で】

鮪立漁港の防潮堤はセットバックして道路との兼用堤となり、一部区間は無堤となりましたが、現在の災害危険区域は海岸線沿いに海抜9.9mの防潮堤を造る設定で決まっています。被災宅地をすべて買い取ったわけではないので、災害危険区域を変更しないと、防潮堤の海側でも土地のかさ上げなどによって住宅を建てられることになるのです。レベル2津波どころか、レベル1津波からも守れない住宅の建築を市が認めることになってしまいます。

こうした問題は、レベル1津波とレベル2津波の差が小さい海岸で見られ、隣の小鯖漁港でも同じことが起こり得ます。ほかの海岸はレベル1津波よりレベル2津波がはるかに大きいので、もとから海岸近くに住宅を建てられるような場所はほとんどありません。

なお、市が買い取った被災宅地の払下げを受けても、住宅を建てることはできません。

※下図は鮪立漁港の災害危険区域(上)と、防潮堤計画変更の説明会で示された最新の浸水想定(下)です。いずれも黒い線が防潮堤のラインです。現在の災害危険区域は1m未満のため、かさ上げすればどこにでも住宅が建てられます


※小鯖漁港でも現行の災害危険区域と防潮堤計画変更後のレベル2津波シミュレーションが大きく異なります。上図が現行の災害危険区域、下図が説明会で示された変更後のシミュレーション結果です。

【区域内外で住宅再建に格差】

防災上の指摘から矛盾するかもしれませんが、災害危険区域を変更しないことは住宅再建の支援策で不公平が生じる可能性があります。

災害危険区域は移転促進区域となっていて、区域内に住んでいた世帯は防災集団移転に参加できたり、がけ地近接等危険住宅移転事業によって建設費への利子補給を受けたりすることができ、被災宅地を買い取ってもらうこともできます。ローンを組まずに移転した人、災害危険区域指定前に再建した人のために市独自に手厚い支援策を用意していますが、除外認定を受けて災害危険区域内で再建した場合は、仮設住宅などからの引越費用補助(上限20万円)しか利用できません。

これは、防災の観点から災害危険区域内での再建を推奨しないという市の方針があるためです。再シミュレーションによって拡大、縮小した範囲に建物はないという説明でしたが、危険区域の内か外かは再建支援にも影響します。除外認定を受けた世帯は浸水域の際に多くあるため、再シミュレーション結果を検証する必要があります。

【浸水深は除外認定に影響大】

そもそも、津波シミュレーションの不確実性を市が認めているので、あまりに厳しい制限、支援の格差は考え直さなければいけないと思います。場外認定を受けて盛土かさ上げなどの安全策を施す場合、津波シミュレーション結果が基準となりますが、その根拠が不正確になっていればなおさらです。

こうした問題を防ぐために、災害危険区域にグレーゾーンを設けている市町もあります。区域外に移転もできるけど、かさ上げなどによって区域内で再建することも支援している市町もあるのです。防災と被災者支援のバランスをとりながら、復興する手法として検証していきたいです。

今後、津波防災まちづくり新法による最悪の想定が公表されれば、建築制限と日頃の備えの使い分けていくことになります。今週中には、再シミュレーション結果の情報公開請求に対する回答がある予定です。市議会で議論も含めて続報していきます。

 

災害危険区域設定時の堤防高と市民説明会の整合性の検証  2019.8.6 今川まとめ
海岸名 設定値 現計画 市民説明会との整合性
農地海岸 中井地 L1 11.2 原形 4.5 × 7/24の市民説明会では原形
中の浜 L1 11.3 原形 4.5 ×
社松 L1 11.2 原形 4.2 ×
船尻 L1 11.3 原形 4.5 ×
鶴ヶ浦 L1 7.2 原形 3.0 × 7/13の市民説明会では原形
田の尻 原形 3.0 原形 4.0 × 7/29の市民説明会では原形
横沼 L1 7.0 原形 4.5 ×
登米沢 L1 14.7 原形 4.5 × 7/27の市民説明会では原形
県管理漁港 鮪立 L1 9.9 L1 8.1
小鯖 L1 11.2 L1 9.9 × 7/27の市民説明会で9.9mに訂正
小々汐 L1 7.2 原形 2.8
港町 L1 5.0 無堤
浦の浜 L1 7.6 L1 7.5 × 7/29には7.8mで説明
日門 無堤 0.0 L1 9.8 × 7/17の市民説明会ではL1
建設海岸 田の浜 無堤 0.0 L1 9.9 × 7/24の市民説明会ではL1
岩井崎 無堤 0.0 L1 9.8
亀山磯草1 L1 7.0 L1 7.0
L1 7.0 原形 3.2
亀山磯草2 L1 7.0 原形 3.2
亀山磯草3 L1 7.0 原形 3.2
亀山磯草4 L1 7.0 原形 3.2
磯草 L1 7.6 L1 7.0 × 7/29の市民説明会では7.0m
高井浜大向 L1 7.0 L1 7.0
L1 7.0 L1 7.0
L1 7.0 原形 4.5 ×
中沢 L1 7.0 L1 7.0
L1 7.0 原形 4.5 ×
中島(登米沢) 無堤 0.0 L1 14.7 25年1月の説明会でL1に
下の浜 L1 11.2 原形 ×
よさ尻 L1 11.2 原形
港湾 梶ヶ浦 L1 7.2 原形 3.0
小々汐 L1 7.2 原形 2.8
治山 高石浜 L1 7.2 原形 6.2 × L1は11.3m
田中浜 L1 11.8 原形 3.9 防災の丘はセットバックでは
小田ノ浜 原形 4.3 原形 3.5 × 7/29の市民説明会では11.8m
へノ浜 原形 4.5 原形 4.0 × 7/29の市民説明会で4.0mと説明
温浜 原形 5.2 原形 4.5 × 7/29の市民説明会で4.5mと説明
市管理漁港 無堤 0.0 L1 11.3
岩井沢 無堤 0.0 L1 11.3 × 7/25の市民説明会でL1
滝浜 無堤 0.0 L1 11.3 × 7/24の市民説明会でL1
津本 無堤 0.0 L1 11.2 ×
神止浜 L1 11.2 原形 4.4
L1 11.2 L1 11.2
藤浜南 原形 2.0 L1 9.9 × 7/24の市民説明会はL1
藤浜北 原形 2.0 L1 9.9 ×
実吉・西舞根貝浜 L1 9.9 原形 2.6 × 7/24の市民説明会は原形
鶴ヶ浦 L1 9.9 原形 2.5
L1 9.9 L1 7.6
L1 9.9 L1 7.6
杉の下 無堤 0.0 L1 9.8
長崎 原形 2.0 L1 11.8 × 7/29は原形で説明。結論は原形
横沼 L1 7.0 原形 5.1 × 7/29の市民説明会は原形
要害 L1 7.0 原形 4.1
津谷大沢 無堤 0.0 L1 9.8 × 7/27の市民説明会はL1
土台磯 L1 14.7 原形 4.5 × 7/27の市民説明会は原形
小田浜 L1 11.3 原形 × 市民説明会は原形
金取 L1 11.3 原形 ×
笹浜 L1 11.3 原形
長浜 L1 11.2 原形 × 市民説明会は原形
今朝磯 原形 原形 × 市民説明会はL1(9.8m)

※2017年7月11日・市議会東日本大震災調査特別委員会資料

※市民説明会は2012年7月に開催。災害危険区域の津波シミュレーションの設定と説明会の説明が異なる海岸は「×」、同じ海岸は「○」とした

※赤字の海岸は今川が追加


 

気仙沼市の災害危険区域を巡る動き  (2019.8.19今川まとめ)
2011 6.1 国交省による市街地復興パターン調査がスタート(2012.3.9まで)

・住宅再建の意向調査、市街地かさ上げのための津波シミュレーションなどをコンサルタントに委託

7.11 今後の住まいに関する意向調査を発送(締め切りは25日)

・市内への居住意向、居住形態、希望地を調査

9.9 宮城県が気仙沼市内の防潮堤の高さを公表
9 復興パターン調査の津波シミュレーション結果が市に提供される
10.7 気仙沼市震災復興計画を策定
10.31 国土地理院が震災による地盤沈下を反映させて水準点を改定
12.7 津波防災地域づくりに関する法律が成立

・最悪の想定に基づいた津波シミュレーションの実施と公表を義務付け

2012 3~5 災害危険区域指定のための津波シミュレーションを実施

・県が示した堤防高で設定

5.17 宮城県が海岸ごとの堤防高や復旧スケジュールを公表
5.26 災害危険区域説明会スタート(6.2まで16会場)
6.5 災害危険区域指定へ向けた個別相談会スタート

・がけ近による利子補給を期待して1時間待ちの行列

6.8 被災地域の不動産鑑定評価を公表

・震災前より2割前後下がる

6.14 災害危険区域に関する条例を市議会へ提案

・「区域の指定に当たっては被災された方々に丁寧に説明し、理解を得ながら進めるとともに、区域の見直し・変更が生じた場合には事前に議会に説明することを強く要望する」と付帯意見をつけて25日に可決

6.22 災害危険区域内の宅地の公費買い取りを宣言
7.9 災害危険区域を指定(13.8㎢/浸水面積18.65㎢)
7.11 海岸防潮堤等整備に関する市民説明会・意見交換会をスタート

(29日まで12会場)

7.30 今後の住まいについての意向調査を発送(締め切りは8.20)

・住宅再建の手引を同封し、住宅の再建方法、防災集団移転や災害公営住宅の希望箇所、災害危険区域内の宅地の買い取り希望などを調査。

9.20 市議会一般質問への市長答弁

・シミュレーションにおける防潮堤の高さは、2012年3月時点での宮城県データを基本とし、6月定例議会前に一部が変更となり、公表された防潮堤の高さに整合させて設定しました。

・今後、個々の防潮堤の計画が具体化され、背後の状況により防潮堤  整備を行わない場合や、高さを原形復旧にとどめる場合、または位置が海岸から大きく後退するケースなどが予想され、最終的に決定された段階で、必要に応じ、再度シミュレーションを行い、設定区域の変更について検討を行うこととしています

10.12 災害危険区域の設定データの情報開示
10.18 三陸新報で設定ミスの記事

・建設部は「各地区の堤防高が決まった段階で年度内にも津波シミュレーションを再び行い、危険区域を変更したい」とコメント

10.22 住まいの再建に係る市独自支援策の案を市議会に説明
12.19 市議会一般質問への市長答弁

・防潮堤の設置場所と高さは、その背後のまちづくりの基本となるものであり、住民に居住の制限を課する災害危険区域の設定と一体となってその意義を有するものと考えている。よって、今後防潮堤の位置などの計画を変更する際には、必要に応じて再度津波シミュレーションを行い、災害危険区域の設定に及ぼす影響について十分に検討した上で決定することが必要と考えている。

・災害危険区域の変更を行うこととする際には、十分な説明などを行いながら対応する。

12.29 今後の住まいについての意向調査を発送

・防災集団移転、災害公営住宅の希望地区などを調査

2013 3.1 市誘導型防災集団移転の仮申し込みスタート
6.28 災害公営住宅仮申し込みスタート
7.24 災害危険区域内の被災宅地買い取り説明会(7.31まで6会場)
2014 6.25 市議会一般質問への市長答弁

・再シミュレーションは施設や背後地整備の計画が固まった段階

・民有地を自力でかさ上げした地盤高は反映させない

・災害危険区域の変更の是非を含めて検討する

8.20 内湾地区の災害危険区域を指定(0.116㎢)

・当初は2012年10月の予定だったが防潮堤議論で遅れた

11.11 気仙沼復興レポート⑨「危険区域と災害リスク」を発表(今川HP)
2015 12.16 市議会一般質問への市長答弁

・市内で整備予定の87海岸107地区のうち43海岸47地区で堤防高が変わっている。地元と協議を進める中で、個別にシミュレーションを行った小鯖地区、鮪立地区、鶴ヶ浦地区は影響があると捉えている。

・災害危険区域の変更は、まず再シミュレーション結果が住戸に影響を及ぼす場合、関係する方々の事情を聞いた上で、計画の変更を行うかどうかを決定する。できるだけ不利益を被る人が出ないようにすることを原則としたい。

・見直しによって被災宅地が新たに災害危険区域となる場合は、対象者の意向により、被災宅地の買い取りや防災集団移転への参加を案内する。見直し前に受けた被災宅地の買い取りや各種の住宅再建に影響が生じることはない。すでに再建した住宅が新たに災害危険区域となる場合には、今後の新築、増改築に制限が生じることなどを十分に説明するとともに、個々の事例によっては利用可能となる支援制度も案内しながら理解を得ていきたい。

・災害危険区域の変更は、計画がすべて固まってから津波シミュレーションをかけるのが正しいと思うが、大きな影響があるところは早くしていきたい。災害危険区域の考え方については、どこまでシミュレーションの結果だけに頼っていくかとなると、ある程度は運用というところがないと、住宅再建や土地利用に不利益が出てしまう。そういう観点で考えていかざるを得ないと思っている。四角四面でやっていくことにやや無理がある。やがて、津波防災地域づくり法によって、より保守的な形で設定される。災害危険区域だけに頼るよりも、より安全な対策が取れると思う。

・津波シミュレーションにはお金がかかり、復興予算で確実に補填されるという自信もなかったので、最初は職員もためらっていたが、登米沢の件は、シミュレーションをかけた方がいいと思った。部署の連携が必要だった。市民に無駄なお金を使わせることがないようにしていきたいと思う。登米沢の方には必要があれば担当から声をかける。

12.28 被災宅地買い取り期限

・買い取り対象5411筆194haのうち3420筆113haを買い取り

2016 3.8 津波シミュレーション業務委託費用を2016年度補正予算に計上

(2970万円でパシフィックコンサルタンツ東北支社が受託)

・夏までに結果を出し、庁内で方針を決定した後、秋から冬に説明会したいと答弁。

2017 2.28 国土地理院が地盤隆起を反映させて水準点を改定
7.6 災害危険区域設定時と異なる防潮堤(43カ所)の情報開示
7.11 市議会震災調査特別委員会で高さの変更が生じた防潮堤を説明

・事情に合わせ、納得できる、市民にも分かりやすい対応したいと答弁

8.11 気仙沼復興レポート㊷「最悪の想定に備える」を発表(今川HP)
9.26 市議会一般質問

・市街地復興パターン調査の津波シミュレーションについて質疑

10.11 気仙沼復興レポート㊹「復興パターン調査と浸水想定」を発表(今川HP)
12.20 市議会一般質問への市長答弁

・災害危険区域の見直しを検討するための津波シミュレーションは、地盤隆起分を反映させ、構造物データを現計画に更新する。BRT専用道は反映を検討中。現在の住戸にできる限り不利益を与えないように対応することを原則とし、見直しの必要性の有無について検討する。

・すでに補助をもらっていたり、建てたり、直したりした人たちが何らかの権利を失うこととか戻されたりすることがあってはいけない。そのことと危険区域の線引きということは慎重に考えなければならない。線は引くけどこういう風にするのか、線も引かないのか。突き詰めていくとすべては仮定の話で成り立っているので、仮定の話に振り回されて現実の生活だとか、家庭のお金の問題だとかに大きく関わってくることをどう考えるかということも併せて考えなければならないし、シミュレーションをかけた結果としてこういうケースは我々としても危険だから看過できないということを総合的に考えなければならない。その果てにはもしかすると、昨日の議論の中であった大谷の街区をどう扱うかに整理の仕方が絡んでくることがあるかもしれない。または物理的にやるしかないのかもしれない。そういうことに少し時間がかかると考えている

2018 6.20 一般会計予算事故繰越についての質疑への市長答弁

・シミュレーションは実際にやってみないと何とも言えないというのは、実は私の感想です。というのは、一浜一浜の防潮堤の計画を最終的に詰める段階で、いろんなシミュレーションをしてみたりするわけですけれども、そうすると、さまざまな要因で少しずつ変わったりすることがままあります。それを見ていて、ある意味怖いなと実は個人的には感じています。ですから、もしかすると、極端な、言葉だけがひとり歩きするとあれですけれども、かけ直したら1,000軒違っていましたとか、影響が出る家が。30軒なのか、1,000軒なのか、1,500軒なのかというような、そういうような非常にラフな見通ししか今立てられない状況にあると思う。

・そういうことを想定すれば、1回で結果を出して、それからその対処について相当しっかり考えないといけない。住宅の安全性とまた補助というものに手をつけられるのかどうかということも含めて、相当時間をかけて考えなくてはならないことだろうなと思いますし、ある意味いろんな解釈をすることによって、とにかく現在住宅再建をした人が不利にならないようにということ。では、これから何かを起こそうとする人が、災害危険区域の変更によって、そのことに本当に対応できる我々が財源とかを持っているのか、そういう非常に大きな問題になりかねないなと思っています。そういう意味では、1回、これがとりあえずのファイナルですというものをかけてから検討していくというのが事務方としてはやりやすいことなのかなと思う。

・余り影響のないところがあれば今かけて、私が思っているような懸念も早目にわかったほうがいいのではないですかという考え方も実はあるんだろうなと思う。一方で、防潮堤で決まっていないところはわずかになってきていますので、そこはどこまで待てるかということとのバランスで考えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、災害危険区域の見直しというもののやり方について、そこから出る影響について、原則はこれまで不利な人ができないようにと言ってきましたけれども、そのことは守れると私は思って言ってきましたが、それ以上のことができるかどうか、やるべきなのかどうか

2019 2.28 市議会一般質問への市長答弁

・災害危険区域のための津波シミュレーションの再実施は、一部未確定の防潮堤があることから、仮設定の箇所を含んだものとなるが、現時点で可能な限り最終形に近い防潮堤等の構造物や地盤隆起を反映させた設定データを作成しているところで、これをもとに市全域のシミュレーションを3月末までに完了させることとしている。その後、本シミュレーション結果、実浸水範囲及び復旧・復興状況を総合的に踏まえ、災害危険区域見直しの有無を含めた対応方針を6月までに示したいと考えている。

・シミュレーション結果の公表は、津波解析モデルは完全には実浸水域を再現できないとされていることから、差異の扱いについて学識経験者の見解をいただくなどして、判断したいと考えている。

・住宅再建の支援策については、災害危険区域を変更する場合、既に再建した方々が不利益とならないような方策について、財源等を勘案しながら検討する。

・3月末に出たデータだけのものを示すことは、混乱を招く可能性があると、今現在の我々が得ているシミュレーション結果の予想からはそう考えている。

・6月までに対処方針も含めてお知らせするとき、そのときにデータが何もなくてということに説得力があるかというと、それは苦しいというか、よくないのかなと私は思っています。ただ、そのときにしっかりとして、シミュレーションはこうなったけれども、ここは過去のデータがこうだとか、ここはこういうふうに考えましたというような注釈を各地域につけていかざるを得ない状況だと思う。

・ある程度の最初の設定とはずれがあると思いますので、それが科学的にお話をできる部分と、科学的だけで済む場所と、あとはもう防災の点でこういうふうに考えましょうよというようなことも加味して、災害危険区域はこう最終的になるという、今回の場合はこうしておきましょうよと、こういうふうなことになると思います。

・データだけで全てを判断していくということにはならないと思いますので、そこを合理的に説明できるような形にして6月に示せればと思っていますけれども、そのときにデータを一つもお見せしないでということは、実際はできないと思います

 

8.9 市議会震災調査特別委員会に「災害危険区域は現状維持」と報告

・再シミュレーションの結果、復興事業に影響する変化はなかった

・浸水想定域が拡大するエリアに建物はない

 

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