移転する道の駅「大谷海岸」。2021年春のオープン目指す

防潮堤整備によって移転する道の駅「大谷海岸」のリニューアル計画がまとまりましたので、その内容を紹介します。大谷海岸は防潮堤計画で注目されきましたが、地域が一丸となって守った海水浴場とともに防潮堤背後地を活用したまちづくりも頑張っています。

震災前の道の駅は本吉町時代の2006年に登録され、海水浴場に日本一近い駅だったJR気仙沼線の大谷海岸駅と一体となった「はまなすステーション」(レストラン・マンボウ水槽・土産品売り場等)、農林水産物直売センター、農林水産物加工センター、トイレ、そして普通車53台・大型車4台分の駐車場などがありました。直売センターは海産物販売用の水槽があり、安くておいしい魚介類が地元の人たちにも人気で、2009年には49万人ものお客さんで賑わいました。現在は直売センターとトイレだけが復旧されています。

【国道兼用の防潮堤整備に合わせて背後地かさ上げ】

ここに高さが海抜9.8mの防潮堤が計画されました。詳しくは2016年8月のブログ「地域一丸で砂浜を守った。大谷海水浴場の防潮堤計画見直し」にまとめてありますが、砂浜を守るために当初の計画よりも防潮堤の位置を陸側に移し、さらに国道45号をかさ上げする形で一体化させる計画に変更されました。

この計画と合わせて背後地のまづくりも検討され、地元、市、県、国が連携して大谷海岸地区整備計画を策定。背後の窪地を国道と一緒にかさ上げし、道の駅を移転させることとなりました。これに合わせて海水浴客の無料駐車場にもなる多目的広場、コミュニティ広場も整備します。

※下図が地区整備計画の土地利用構想図です

【テーマは「新鮮地魚」。年間50万人を目標に】

新しい道の駅は、元のまま復旧させるのではなく、2018年3月に検討委員会を設置してリニューアル内容を考えてきました。検討委員会には地元をはじめ、観光協会、漁協、定置網組合、商工団体なども参加。はじめ、再来年3月11日のオープンに向けて協議を重ねました。

今年5月にまとまった基本計画によると、コンセプト・スローガンを「いつでも帰れる場所 大谷海岸~砂浜を守る想いから始まるまちづくり~」に設定。メインテーマは「新鮮・豊富な地魚」とし、年間50万人の入り込み、売上高5億円を目標に掲げました。建築コンセプトは「旅行者と地元の人が行き交う海とビーチの回廊」です。

【カフェテリア屋上に休憩スペース】

平屋の建物をガレリア(回廊)でつなぐことで一体化させ、産直施設、事務室、トイレ、観光情報コーナー、カフェテリア、ファストフード、テラスなどを整備します。カフェテリアにはテニスコートほどの広さがある屋上休憩スペースも用意しました。ガレリアの一部はアクアリウムトンネルとし、海中の映像などを投影することで、維持管理が難しいマンボウ飼育水槽の代わりにします。

駐車場は小型車75台、大型車8台分で、隣接する多目的広場も活用します。イベント広場、バーベキュー広場、緑地広場、海水浴客のためのシャワー施設も整備します。BRT化したJR気仙沼線の大谷海岸駅も施設前に移設します。

【新施設の指定管理者を公募へ】

防潮堤工事のため、現施設の解体を急ぐ必要があり、新施設が完成するまでは多目的広場の仮設施設で営業(今夏の繁忙期終了後の見込み)します。新施設の建設工事は来年1月に着手する計画です。計画では2021年3月のオープンを目指していますが、5月の市議会東日本大震災調査特別委員会で市は「極めて難しい状況であり、ゴールデンウィークに間に合わせることを重視したい」と説明しています。

新施設のオープンに向けて、11月ごろから指定管理者の公募も予定しています(現施設は第三セクターの本吉町産業振興公社が指定管理者となっております)。今のところ、産直施設とカフェテリアは指定管理者の直営、ファストフードはテナント運営を考えているそうです。指定管理者が決定した後は、お客さんを呼び込むための商品開発、施設のネーミング、旅行会社等への営業活動などに取り組みます。

このほか、検討委員会ではJR気仙沼線の廃レール活用などのアイデアが出ています。個人的には、海水浴客が水着のまま休憩できるスペースづくりをしてほしいと思います。

【三陸道からの誘客へ商品開発】

心配なのは、三陸道の開通によって国道45号の交通量が減っていることの影響で、魅力ある商品やサービスの開発が成功のカギとなります。ウェブアンケートでも、「新鮮で安い一次産品の品ぞろえ」「道の駅ならではの個性的な商品が豊富」のニーズを把握しています。それを実現するためには、運営者の人材の確保と育成が必要です。成功事例では、好待遇で駅長を公募したりしています。

なお、三陸道の本吉PAの物販施設整備は見送られていましたが、供用開始後に海が見える場所としての魅力が再確認され、市は「運営者れば土地と建物は市でと何とかする」と説明しています。

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