観光政策と小・中学校再編。そして保育所【12月定例会一般質問の概要】

気仙沼市議会12月定例会で行った一般質問の詳細をまとめました。今回は観光政策の議論をスタートさせるとともに、継続して取り上げている小・中学校再編と保育所整備について議論を深めました。

議論の途中なので具体的な成果はありませんが、観光政策については気仙沼市総合計画の中で財源も検討すること、小・中学校再編については第三段階の議論の中で見直しの可能性があること、保育所整備については期待していたよりも時間がかかることが分かりました。詳細は下記に掲載しました。印刷用のPDFデータもあります。

年明けには定例会報告を三陸新報に折り込み、面瀬地区の皆さんにお届けする予定ですが、一足早くホームページで紹介します。


今川悟の一般質問 2018.12.17

1.観光戦略の中・長期ビジョンについて                     

 

復興のゴールが見え始めたことで、ハード面からソフト面へと政策の重心が移っていきます。そこで今回は市が力を入れ、産業再生のカギとなる「観光」について取り上げます。すでに民間を含めて多くのことに取り組んで成果を挙げていますが、持続発展的な取り組みとするため、今後は市民と成果を共有するとともに、市としての関わり方を整理したうえで、新たな中・長期ビジョンや財源に関する議論が必要と思いますので、次の3点について質問します。

 

【質問1】 観光戦略会議が平成25年3月までに提言した「観光に関する戦略的方策」は、3年以内の「短期」、6年以内の「中期」、10年以内の「長期」に分けて目標を設定しました。その中期目標の最終年度が本年度です。観光体験を活用した誘客、推進体制の整備、観光推進特区の適用など、七つの戦略の中で成果を挙げているものもありますが、市民意識の向上や広域観光などのように取り組みが遅れているものもあり、目標や具体的取り組みの評価・検証が必要です。市の考えを伺います。

 

菅原市長 観光戦略の中・長期ビジョンについてでありますが、「観光に関する戦略的方策」は気仙沼市観光戦略会議において1年をかけ平成25年3月に取りまとめられ、市が提言を受けたものです。

この提言の中で、短期・中期・長期に分けた数値目標が掲げられており、このうち観光入込数、宿泊者数、体験学習・教育旅行者数については実数値として捉えることができるものの、観光消費額、観光消費の拡大効果としての経済波及効果及び雇用者数については、検証する具体的な手法が確立できておらず、気仙沼観光推進機構幹事会においてもこの数値評価は保留とし、別の指標での目標管理を行うこととしています。

また、戦略的方策では七つの戦略を掲げており、中核的2大戦略として「気仙沼ならではのオンリーワンコンテンツを活用した誘客戦略」「水産業と観光産業の連携・融合による新たな付加価値創造戦略」を標榜し、2大戦略を下支えする基盤整備と補強発展のための個別戦略として他の五つの戦略を位置付けています。

この提言を受け、平成25年6月に戦略を推進する組織として一般社団法人リアス観光創造プラットフォームが設立され、観光事業者、水産関連事業者、各種団体・個人等の市民各層やUIJターン者等も巻き込みながら、戦略の具現化に向け2大戦略を優先的・重点的に推進する中で、結果として他の戦略に関する各種取り組みも進んできたところであります。

例を挙げれば、このプラットフォーム組織の設立自体が多様な市民が集い情報共有と企画・実践の場となったこと、魚市場・海の市周辺における観光総合サービス拠点の整備、観光推進特区の適用による事業者再生支援、カツオ・メカジキ等の食のプロモーション活動、しごと場あそび場ちょいのぞき気仙沼等の観光商品開発、ば!ば!ば!プロジェクトによる地域資源の再発見の活動を通じた市民意識の醸成、新たな観光イベントの創出支援、気仙沼ファンを増やし関係を維持するための気仙沼ファンクラブの運営等々であり、それぞれが七つの戦略を下敷きとしながら、一定の成果を挙げてきたところです。

一方、完成間近ではありますが、震災遺構の保存整備と防災教育への活用、魚市場情報発信施設整備は現時点では未達成であり、また広域観光や稼げる観光ガイドの育成、インバウンド対応については、現状では特筆すべき成果にいたっておりません。検討は機構において始めておりますので、遅れている取り組みの推進を図ってまいります。

 

【質問2】 気仙沼版DMO構想の中核組織である気仙沼観光推進機構は、観光政策の経営判断と意思決定をはじめ、観光予算の戦略的張りつけを協議する場となっています。観光政策の進捗や成果は定期開催される幹事会に集約されますが、非公開のため、関係者以外に成果が伝わりにくくなっています。「地域経営の視点」を目指しているのに、庁内の情報共有にも課題を感じています。市政の見える化を進める中、マーケティングや観光商品開発などに多くの公費を投じている観光政策についても、情報の共有と発信に工夫が必要ですので、市の考えを伺います。また、今後は地区ごとの戦略などを担当する地区戦略部会の活動が期待されていますが、その活動状況と課題についても伺います。

 

菅原市長 観光施策に関する情報共有と発信の工夫についてでありますが、平成29年4月に設立した気仙沼観光推進機構には、市、観光コンベンション協会、気仙沼商工会議所、本吉唐桑商工会、一般社団法人気仙沼地域戦略の各代表で構成する幹事会を置き、機構設立以降これまで10回開催しております。

観光に係る各種マーケティングデータの報告や、重点テーマの進捗・成果の確認、これに基づく事業の進め方の判断を行っており、観光予算の編成等についても協議しております。

市全体を一つの会社と見立て、観光に関する経営会議の場として踏み込んだ議論を行うため幹事会を置いており、会議自体は非公開としているところであります。

経営戦略上の重要事項は引き続き非公開とせざるを得ませんが、毎月作成し幹事会で報告している気仙沼観光マーケティングレポートや観光アンケートを集計したマーケティングデータは、構成団体、関係団体、庁内各部署と情報共有をし活用すべきところ、ご指摘のとおり必ずしも十分でないことは認識しておりますので、より良い情報共有の仕組みについて検討してまいります。

地区戦略部会の活動につきましては、以前から地区観光協会が活動していた唐桑、大島、階上、本吉等のそれぞれの強み、弱み、重複要素を整理し、地区毎の部分最適ではなくオール気仙沼の視点による全体最適化を念頭に、適正なインフラ整備と二次交通、観光客の市内周遊と滞在時間の延長促進等を目指すこととしています。

現在は喫緊の課題対応を要する大島と唐桑について、それぞれワーキング組織である観光活性化委員会を部会内に立ち上げ、架橋開通後の大島や宮城オルレ気仙沼・唐桑コースへの観光客受け入れ態勢整備、老朽化が進む観光関連施設の今後のあり方等を協議しているところであり、今後は全地区協議の場を設定し、まずは観光関係者を中心に地域の意見を取り入れながら議論を進めてまいります。

なお、観光推進機構の設立1周年として本年5月には報告会を開催し、構成団体、各種関係団体の他、全国各地の観光関係者を含めた多数の参加のもと、1年間の活動に関する報告と気仙沼が目指すDMOに関するパネルディスカッションを実施したほか、市内事業者や市民の方々向けのDMO勉強会も開催しており、これらを今後も継続して行うことで、市民を含めた多くの方々へ機構の取り組みを発信してまいります。

 

【質問3】 気仙沼版DMO構想、気仙沼観光推進機構と気仙沼地域戦略の設立、第二次気仙沼市総合計画策定、新たな観光施設の誕生などにより、観光を取り巻く環境が変化する中で、5年前に策定した「観光に関する戦略的方策」の位置づけを整理する時期に来ていると思います。震災後の観光戦略は復興予算や寄付に頼りがちだったため、これからは新たな財源が求められます。一般財源に頼るならば、市民の理解を得るための対応が必要です。自ら稼ぐ観光、そして自立へ向けて、行政の関わり方も整理しなければなりません。マーケティングから得た課題への対応も求められます。そこで、「観光に関する戦略的方策」の見直しを含め、財政面や施設整備を含めた観光戦略の新たな中・長期ビジョンが求められますが、市の考えを伺います。

 

菅原市長 観光に関する戦略的方策の見直しも含む新たな中・長期ビジョンについてでありますが、現在進めている観光に関する各種取り組みについては、観光に関する戦略的方策策定後に加えられた要素も含んでいるものの、基本的には同方策の流れを汲んでおり、これにその後の海外研修での学び等を踏まえ、市の最上位計画である第2次気仙沼市総合計画において観光振興に向けたDMOの推進を明確に打ち出したところであり、併せて今後の本市観光の基本になるものと考えております。

観光推進機構が管理する数値目標については、第2次気仙沼市総合計画において官公庁へのDMO法人登録時の指標である観光宿泊者数、旅行消費額、来訪者満足度、リピーター率の四つを掲げておりますが、その測定手法の研究が必要であると認識しております。

総合計画の前期基本計画期間が平成32年度までとなっていることから、今後の計画見直し作業の中で、中・長期的な視点も見据えた検討を行ってまいります。

なお、戦略的方策が取りまとめられた時点では把握することが出来なかった観光に関する各種データは、気仙沼クルーカードの利用実績等が把握できるようになったことで、本市では8月と12月に大きな消費の山があることや、購買行動が活発な層などその傾向も判るようになりました。

これに観光客アンケート調査やクルーカード会員への直後アンケートの結果などを加えた分析を行うことで、短期的な戦略を立てられるようになっており、これに基づく打ち手の例として、冬の観光誘客キャンペーン「気仙沼さ来てけらいん2018歳末」では、ターゲットを定め重点的なプロモーションを仕掛ける等の取り組みを行っております。

観光関係施策に係る財源確保に関しては、ご指摘の通り市の一般財源には限界がありますことから、私が平成29年10月に日本経済新聞に投稿した宿泊税の可能性について引き続き勉強するとともに、国が1月から実施する国際観光旅客税の動向や、県において新たな観光財源確保の検討を目的に立ち上げられた宮城県観光振興財源検討会議の議論等を注視しながら、独自財源の確保策に加え、国・県に対し財政的支援を求めていくことも必要であると考えておりますので、今後の総合計画見直しの中で財源についても検討してまいります。

 

今川 見直しについては、次の総合計画を見直す中でということですが、今回の総合計画で観光に関する部分は8ページくらいしかなかった。そこに全部を書き込むのは難しく、私は別にするのが良かったと思っていました。観光に関するすべてを書き込むことはできるのですか。

 

榊原観光課長 戦略的方策は今のところこれを上書きしたということではなく、あくまでも下敷きにしながら今の総合計画の中で観光に関する政策をアップデートしているところです。8ページの中にすべてを盛り込むのは難しいのではないかというのはご指摘の通りだと思いますので、そこは取り組みの中でより具体的なものを検討していく必要があると認識しています。

 

今川 それでは総合計画の見直しの際にあらためて議論させていただきます。

観光推進機構は相当成果を挙げていると思いますが、残念なのは議論の中身が全く見えてこないということです。先日、観光課から幹事会の次第を何回分かもらってきたが、進捗を含めて関心の大きなテーマが議論されていました。それが見えないのがもったいない。原則公開にして、経営的な部分は非公開すればいいのではないですか。

 

榊原観光課長 幹事会は前段で報告を行い、マーケティングレポートや直近のキャンペーンの実施状況を報告しています。その後に協議事項として、来年度の予算編成などを協議しています。経営に係る部分は協議の中になりますが、実は前段の報告の部分でマーケティングのレポートを報告する中で、相当踏み込んだ議論を始めています。なかなか幹事会の中でここまでが公開で、ここから非公開と分けるのが難しいというのが今のところ幹事会を運営しての認識です。ただ一方、情報を公開して皆さんに理解を頂くことも大事な視点ですので、会の持ち方については再度検討していきたいと考えています。

 

今川 幹事会というと役員会的なイメージですが、これが本丸となっています。これを逃すと、年1回の報告会を待つしかなくなってしまう。幹事会の公開が難しいのなら、オープンな議論の場を別に設定してほしい。

マーケティングレポートは毎月の発表を楽しみにしていますが、「庁内で共有されていないのでは」と指摘したのは、先日の復興会議で有識者から復興関係の宿泊状況を問われた際、即座に答えられなかったのを見たからです。レポートにはちゃんと書いてあるので、せっかくのデータを生かし切れていないと思いました。気仙沼全体を一つの会社に見立てるというなら、ちゃんと庁内で共有すべきです。また、レポートはアンケートをもとにしていて、クルーカードで得られたデータが残念ながら出てこないのはなぜですか。

 

榊原観光課長 まずはこれまでの取り組みで不足している部分を話したい。マーケティングレポートは観光推進機構の立ち上げと前後しながら始めており、この形で約1年半運用してきました。機構の事務方の態勢がなかなか整わないということもあり、まずはこの形を整えながら幹事会に臨むということに注力してきまして、情報の共有というところまであまり注力できなかったということは事実でした。庁内の情報共有につきましては、関係するところにはメールで送っているが、一方的に送っているだけで、例えば今月のポイントはこういうところで、そちらの部で検討してほしいといった具体的な情報共有はできていませんでした。同じように課題感を持っていますので、最適な共有の仕方をこれから検討していきたいと考えています。

マーケティングレポート自体は少しずつボリュームを増やしており、アンケート情報の分析とか指標など項目でいうと倍近くにはなっています。一方、クルーカードの分析データは幹事会の中では共有し、キャンペーンの振り返りや来期の目標や計画づくりに生かしています。踏み込んだ分析を行っているので、簡易なデータを別に作って情報公開していく視点は必要なのかなと考えています。経営分析上、支障がないところは表に出せる部分もありますので、オープンにできるところを検討していきたいと考えています。

 

今川 観光推進機構は農業、漁業、商工業を巻き込んでの取り組みですので、情報共有についてはよろしくお願いしたい。DMOの推進に係る予算は年間3000万円ほどで、それをすべて復興基金から賄っています。この基金は32年度までしか使えない。市長は独自財源として宿泊税もと話しましたが、それまでには難しい。結局は一般財源に頼ることになるので、あまりにも非公開だったり、クルーカードから得られたデータも一部の事業者しか分からなかったりすると、公平性の問題になる。機構の民間団体も末端まで情報が共有されていないようだ。このデータの貴重さも伝えてほしい。この議論の続きは次回にしたいです。


2.小・中学校の小規模化に向けた新たな対策について             

 

義務教育環境整備計画に基づく小・中学校再編だけでは、少子化に対応した教育環境は整いません。計画通り再編したとしても1学年1クラス規模の学校が多く、クラス替えや教員配置、部活動などの課題は解消されないのです。そこで求められるのが、学校再編とは別視点の対応です。第三段階の学校再編と合わせて次の5点について質問します。

 

質問1】 小規模化が進む小・中学校の課題について、再編以外の対策を市としてどのように考えていますか。現在取り組んでいるもの、これから取り組むものを示してください。特に学校間連携によって体育などの人数が必要な授業や年間行事を行ったり、テレビ電話システムなどを活用してグループ学習の機会を確保したりするなどの考えについて伺います。その際のコーディネーター配置、移動や設備導入など、市としての支援策についても検討する考えはありませんか。

 

 

齋藤教育長 小・中学校の小規模化に向けた新たな対策についてでありますが、義務教育環境整備計画に基づく小・中学校再編とは別視点の対応については、市内の少人数の学校において、隣接する学校が合同で校外学習に出かけたり、児童会行事を合同で行ったりするなどの取り組みを進めることで、少人数では経験できない学習機会を確保しております。また、ESDの発表などで知り合った他県の学校とインターネット通信を利用したテレビ電話会談などを計画している学校もあり、今後も各校にあるインターネット環境を効果的に活用した新たな交流学習を模索してまいります。

部活動の代替となるスポーツクラブについては、都市部ではスケールメリットを生かした民間のスポーツクラブなどが運営されておりますが、本市においては中学校の部活動に頼らざるを得ない状況であり、生徒数の減少による種目の制限が避けられないところでありますが、部活動の目的である自己肯定感、責任感、連帯感の涵養を目指し、中体連と連携して工夫を重ねてまいります。

また、これらの取り組みについて、体系化を進めるとともに、コーディネーター配置や移動手段、設備導入などの予算措置の必要なものについて、財源の検討をしてまいります。

 

今川 いま説明されたことに取り組んでいることは私も分かりますが、これから第三段階の統合に入っていくに当たり、「統合する前にどういう努力をしたのか」と必ず問われると思います。そうでないと理解は得られない。第二段階では「人数を集めるためにどんなことをしたのか」「あるいは少子化対策はどんなことをしたのか」と問われましたが、第三段階は間違いなく部活動とか学校の規模のことが問題になりますので、最初にできることはしたといわなければならない。合同の校外学習とか児童会行事は第二段階の対象校になるようなところの話で、中規模クラスの学校が統合に向かう話ではないと思います。本気で教育環境を良くしていきたいという思いを伝えるためには、指摘したことから取り組んでいかなければならないのではないですか。

 

熊谷学校教育課長 議員の指摘は、統合の対象校、または規模の小さい学校でなくてもそのような取り組みが必要なのではないかということだと思います。そこで一番の問題なのが、移動時間と授業時数の確保です。例えば、体育を1時間するために往復2時間かかってしまう。すると、1時間の体育のために2時間損してしまうということが、市内の学校のそれぞれの距離から考えられることです。そういったことを考えると、大人数であれば効果が高まる授業をするために、そのほかの2時間を削ってしまうことになる。ただでさえ、授業時数の確保が難しいなかでありますので、その辺を考えながら進めなければならないと思っています。予算のこともありますが、授業時数の確保という観点も絶対に外せないところですので、その辺も考えた取り組みを考えていかなければならないと思います。

 

今川 大人数の移動に時間がかかるのは分かりますが、三陸道ができて学校間の時間的な距離は短縮されています。まずは努力をしてみることが大事だと思います。特にこれから統合する学校は、小学校のメンバーがそのまま中学校に進み、しかも1クラスでクラス替えも9年間ないという学校も増えていきます。そうすると、今まで統合の意義としていた友達関係の固定化は解消されないままになってしまう。教育問題として取り上げたことに我々大人が何もできないのかということになってしまう。できることは残されていると思うので、検討の余地は残してほしい。もう少し調査を進めて、次回で議論したいです。

 

【質問2】 気仙沼市の場合、小・中学校の入学通知は毎年1月に送付し、そこから指定校変更の申請受付、小規模特認校の本格的なPRが始まっています。しかし、実態に合わせ、多様化する保護者のニーズに応えるためには、通知時期、指定校変更の許可基準の見直しが必要になっています。学校教育法施行令では、11月末までの就学時健康診断、1月末までの入学通知を規定しているだけで前倒しの問題はなく、12月に入学通知を出している自治体もあります。入学準備と親子の不安解消を考えると、入学通知と指定校変更受付はできるだけ前倒しすべきと考えますが、教育委員会の考えを伺います。

 

齋藤教育長 入学通知と指定校変更受付についてでありますが、入学通知は11月末までに行われる就学時健康診断の際の保護者に対する聴き取りや、小学校からの情報を確認したうえで、入学通知書発送を行っているため、就学時健康診断の終了時期とその後の事務手続きに要する日数が判断の基準となります。

就学時健康診断は、毎年度、各学校の行事予定や医師会との調整が必要ではありますが、年度によって終了時期が大きく動くことはないことから、ご指摘の入学通知書の発送時期及びそれに続く指定校変更手続きの受付については、保護者のニーズに沿えるよう努めてまいります。

 

【質問3】 同じく指定校変更の許可基準について、適正な規模の学校と教育内容を保障する観点から、指定校に希望する部活がないことを加えたり、福井県敦賀市のように指定校に複式学級しかない場合も認めたりしているケースがあります。気仙沼市も実態とニーズに合わせて指定校変更の許可基準を見直す必要があると思いますが、教育委員会の考えを伺います。

 

齋藤教育長 指定校変更の許可基準の見直しについてでありますが、本市では現在、市の学区外通学の許可基準等により、児童生徒の心身に障害がある場合、新築や転居など家庭の事情による場合、いじめ・不登校など教育的配慮を必要とする場合、通学距離や安全に配慮する場合、そのほか教育長が適当と認める場合に学区外通学を認めており、その人数は東日本大震災の影響もあり、市内全体で約260人となっています。

これらの許可基準のほか、ご指摘の部活動や複式学級の問題は、本市においても現実的な課題ではありますが、一方で、基準の見直しによる学校の序列化や学校間格差の発生、学校と地域社会との結びつきの弱まりなども懸念されますことから、見直しについては慎重に検討すべきと考えております。

 

今川 ニーズに沿うとは通知時期を早めるということですか。

 

熊谷学校教育課長 できるだけ時期を早める方向で努力していきたいと思います。

 

今川 この問題は統合の関係で心配な声が出ています。今の段階でも来年どこの学校に行くか分からない人もいる。指定校変更を希望していても、入学通知が来てから申請して許可されないと分からない。例えば、小学校の運動会も呼ばれたけれど希望する学校と違うということが実際あります。そういう人たちは1年も前から希望する学校を決めている。就学時検診の前に意向だけでも把握することはできませんか。震災後に指定校変更の基準が緩くなり、厳しく戻せない状況になっています。申請理由は別かもしれないが、実際には希望する部活動がなかったり、小規模の学校を避けたりしている例がある。実態に合わせて変えた方がいい。なぜなら、ルールを真面目に守っている保護者もいるからです。指定校変更の観点にある教育の機会の補償から考えると、むしろ学校の格差をなくすための目的になっていると思います。実態との差をどのように考えているのですか。

 

熊谷学校教育課長 さきほど教育長が申し上げました通り、大きく四つの理由とその他ということで指定校変更を許可しています。一方で、ご指摘の少し緩くなっているのではというところは、震災から7年たって本来の基準に戻しているところであります。なお、部活動、あるいは非常に人数が少ないといった理由にいても基準を見直した方がいいということについては、他市町村の例も調べてみたところ、部活動も基準の一つにしているところについては、途中で他の部活動に変えるというときはどうするのかという問題もあり、部活動だけで通う学校をころころ変えていいのかということもあります。都市部のバスや電車ですぐ移動できるような地域と、そでない郡部の学校とではおのずと条件とか、それよりも大事にしなければならないこともあると思います。さらに、自分が生まれ育った地域について、特に周辺部は大事にしたいという話もあることから、基準の見直しについては非常に慎重に対応すべきと考えています。

 

【質問4】 義務教育環境再編計画の第三段階(平成30~33年度)については、「第二段階の方向性が得られた後に取り組む」と説明していますが、十分な準備期間を考えて議論しなければなりません。計画通り33年度までに統合するためには、保護者や地域との合意形成をいつまでに得る必要がありますか。そのための話し合いはどのようなステップとスケジュールになりますか。統廃合の実務を専門に担当するプロパー職員配置や部署新設の可能性を含めて、教育委員会の考えを示してください。

 

齋藤教育長 義務教育環境整備計画の第三段階についてでありますが、現在も第二段階を進めている状況を考えますと、計画通り33年度までに統合するため、対象となる6校において保護者や地域との合意形成を図ることは時間的にも余裕がない状況であると考えています。

また、第三段階における話し合いについては、統合の意義や目的、議論の進め方など、根本的な部分から保護者や地域の方々と話し合いを積み上げることが重要と考えております。

教育委員会としましては、第二段階までの地域懇談会でいただいたご意見やご指導を次のステップでは最大限生かす覚悟ではありますが、まずは第二段階の方向性を得ることに注力してまいります。

 

【質問5】 11月28日の本吉地域市政懇談会で、第三段階で計画している大谷中学校と階上中学校の統合について質問があった際、市教委は「計画で見直しをうたっているので再検討する」旨の回答をしました。たしかに、平成28年5月に見直した計画の中では、「第三段階については整備計画見直しの観点に沿って、実情を把握し、必要な場合は再検討する」と明文化しています。この再検討の真意、時期について教育委員会の考えを示してください。

 

齋藤教育長 義務教育環境整備計画の見直しにおける第三段階の再検討についてでありますが、見直しを行った平成28年以降も、見直しの観点である児童・生徒数及び地域コミュニティの変化、復興の状況等を見定める必要があること、さらには統合の目的として、第一段階の緊急性のある統合や第二段階の複式学級の解消に向けた統合や規模の小さい中学校の統合とは異なり、適正規模・適正配置を目指した統合であることを踏まえ、「必要な場合は再検討します」としたものであります。

なお、見直しの具体の時期は考えておりませんが、第三段階の統合について、保護者や地域の方々と話し合いを積み上げる過程での議論の一つになり得るのではないかと想定しております。

 

今川 第二段階に注力するということは、またしばらく手を付けないことになる。月立小学校を含めてすべて解決するまで第三段階に手を付けないということでいいのか。

 

金野教育部長 これまで通りの答弁にはなりますが、私たちが思っている以上のスピードで児童・生徒の減少が現に進んでいますことを考えると、事前にということではありませんが、第二段階の方向性がしっかり定まったうえでという考え方についても、少し検討の余地が入るのではないかと考えています。

 

今川 方針が今後変わる可能性があるということですね。33年度というと34年3月までですが、その1年前だと33年3月。それまであと2年。水梨小学校は合意まで4年かかっている。そう思うと、6校をこの1年、2年の間に全部進められると思えません。残り時間が少なくなったら、33年度そのものを見直していかないといけない。議論の積み重ねの中で見直しもあるという答弁でしたが、現実的な話として考えてほしいです。


3.保育所再編計画の見直しについて                     

 

児童福祉施設等再編整備計画について、実態に合わせて計画を見直し、来年1月には素案を作成してパブリックコメントを実施し、3月までに見直しを完了するよう取り組むとの方針が示されていました。現在の状況や課題など次の2点について質問します。

 

【質問1】 計画見直しの現在の状況、今後のスケジュールについてあらためて示してください。また、消費税増税に伴う保育無償化が来年10月にスタートする予定ですが、無償化によるニーズの増加についてはどのように把握する考えですか。さらに、施設整備の遅れによって無償化の恩恵が受けられなくなる不安について市としてどのように考えているか伺います。

 

菅原市長 児童福祉施設等再編整備計画見直しの現在の状況についてでありますが、面瀬地区、唐桑地域の施設整備の具体化を優先しながら、並行して素案の検討を進めているところであります。

今後のスケジュールについては、年明け早々に計画全体の見直しに係る素案作成を完了させ、1月中には「気仙沼市就学前児童の教育・保育施設連絡会議」及び「気仙沼市子ども子育て会議」に諮り、パブリックコメントを経たうえで、本年度内に見直しが完了するよう取り組んでまいります。

次に保育無償化によるニーズの増加の把握についてでありますが、3歳から5歳の児童については既にほとんどの児童が既存の保育所や幼稚園等を利用しており、新たなニーズの増加には至らないと考えておりますが、0歳から2歳の児童では、年々保育ニーズが高まっており、無償化による一層の増加が想定されます。

具体的なニーズ把握については、平成31年4月から6月に、第二期子ども・子育て支援事業計画策定の基礎データとするため、ニーズ調査を実施し、今後の動向を推計してまいります。

また、無償化の恩恵が受けられなくなる不安については、保育人材の確保に努め、既存施設の受け入れ枠を最大限活用するとともに、民間事業者の保育事業参入を後押しし、あわせて、一時預かり事業やファミリー・サポートセンター事業の充実により、無償化の対象となる多様な保育ニーズに応えてまいります。

 

今川 保育無償化は0~2歳児の動向が読めていない。0~2歳児は今のところ住民税の非課税世帯が対象となる方針が示されていますが、どのくらいの世帯が対象となるのか把握されていますか。

 

菅原子ども家庭課長 手元に資料が無くて数字は申し上げられないが、保育料の算定をしているので資料はあります。

 

今川 保育所を利用している子ども以外の把握はできないのか。児童手当から拾えませんか。

 

菅原子ども家庭課長 児童手当からある程度の所得水準は見ていますので、そこから推計することは可能だと思います。

 

【質問2】 特に整備を急ぐとしていた面瀬地区の認定こども園と唐桑地区の低年齢児保育施設について、10~11月の市政懇談会において、いずれも認可保育所にしたいという市の考え方が示されました。その理由を伺います。また、再編計画で平成28年度~31年度の中期計画前半に位置付けられていた唐桑地区の施設のオープンが後期計画期間である平成33年度となる見通しが示されたことで、計画全体の遅れが心配されます。時間がかかる理由を伺います。

 

菅原市長 次に面瀬地区の認定こども園と唐桑地区の低年齢児保育施設を認可保育所とする理由についてですが、本市においては、3歳から5歳の幼児教育、保育施設は充足しており、需給バランス上は新しい施設は必要とされていません。

面瀬地区を含む旧気仙沼市では、民間事業者により既に幼稚園を希望する児童の受け入れ先は充分に確保されており、民間事業者との役割分担を一層推進する上からも、本市では特にニーズが高い低年齢児の保育を確保するため、認可保育所の整備を検討しているものであります。

また、唐桑地域については、地域内に2つの公立幼稚園があることから、将来的な公立幼稚園との統合を視野に入れ、当面の保育ニーズに応えるため、認可保育所とするものであります。

児童福祉施設等再編整備計画については、これまで、鹿折こども園や鹿折児童館、気仙沼児童センターのほか、新城、面瀬、階上、津谷、唐桑の各学童保育施設整備を行うなど、計画上の整備年度から遅れが生じた事業もありますが、その都度、必要な財源を手当てしながらその推進に努めてきたところであります。

現在、近年の保育を取り巻く状況の変化を踏まえ、民間参入や財源、人材確保の見通し等を立てながら、計画全体の見直しを図っているところであり、その調整に時間を要しておりますが、見直し後は、実行性がある計画として、その推進を図ってまいります。

 

今川 古い施設と新しい施設があるので、公平性を確保する観点も必要です。ビックリしたのは、唐桑の市政懇談会で(市有地を利用する)唐桑の施設が平成33年度のオープンを目指すと説明されたことです。そうすると、面瀬はいつになってしまうのか。今までの説明では、新年度からでも事業化するのかという意気込みを感じていたし、面瀬でいろいろ話し合いをしたときも来年か再来年くらいには動き出すのかというイメージで、みなさん話を聞いていたと思います。面瀬も33年度までかかってしまうものなのですか。

 

菅原子ども家庭課長 具体的な施設について最終合意に向けて庁内で検討しておりますが、新年度に設計等の予算を仮にお願いするにしても、設計後の施設整備ということもあり、2年程度は時間がかかると考えています。面瀬地区についてはさらに用地の課題もあり、やはり同じような、少なくてもそれ以上の期間を要するのかなと担当課の方で考えています。

 

今川 課長にも面瀬の意見交換会に来てもらいましたが、生まれたばかりの子どもを連れてきたお母さんたちに3年後というとガッカリすると思います。その子たちが入れる時期には少なくても間に合わせてほしい。保育のニーズはすぐに変わってしまい、3、4年後となるとまた計画を見直すことになってしまう。面瀬、唐桑が認定保育所ということは、認定こども園を計画していた大島、新月、松岩でも方針が変わってしまうのか。

 

菅原子ども家庭課長 認定こども園そのものが必要ないということは考えていません。地域ごとの事情を十分検討したうえになるし、民間事業者の方々が認定こども園を運営するということであれば、市の方は全面的に応援するという形で考えていきたいです。そちらの部分についても、現在見直し中の再編整備計画の中で明確に出していきたいです。

 

今川 計画は素案として意見を聞きますので、市民や専門家の意見によって計画が変更できるという柔軟な姿勢で進めてください。

 

菅原子ども家庭課長 関係する皆様、パブリックコメント等を通じて子育て世代等の意見は十分に聞いていきたいと思います。

 

今川 いずれにしても財源が計画のスピードを握っているようです。気仙沼の一番の課題は少子化ですから、その対策となる保育所整備がお金を理由に遅れないようにお願いしまして私の質問を終わります。

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