復興祈念公園(陣山)の設計案を公開

気仙沼市が陣山で計画している復興祈念公園の基本設計案が公開されました。気仙沼湾の眺望をパノラマで楽しめる高台に、追悼と憩いの場を整備します。

【安全な高台へ整備】

震災犠牲者を追悼する場の整備は、国の復興交付金で整備が認められ、各市町で計画されています。基本ルールでは津波浸水地を有効利用することになっていますが、気仙沼市は安全な高台への整備を求め、国に認められました。

場所は安波山麓の陣山です。津波と火災で大きな被害を受けた鹿折地区、魚市場を中心とした気仙沼湾を見渡すことができ、復興するまちなみも見ることができます。場所選定の経緯などは気仙沼復興レポート40でご確認ください。

※次の資料は事業説明会で配布されたものです。

【事業費3億円は復興交付金と寄付で】

公園の広さは約2.3ha。基本設計案によると、公園はモニュメントや献花台などを置く「追悼の広場」、犠牲者の名前を刻んだ銘板やオブジェを置く「伝承の広場」、芝生を桜で囲む「再生の広場」で構成。あずまや、約50台分の駐車場、トイレなども整備します。事業費は3億~3.5億円で、このうちモニュメントやオブジェにかかる約5千万円は寄付(ふるさと納税、クラウドファンティングを活用)を募ります。公園は市で管理します。

【シンボルは高さ10メートルの合掌ゲート】

モニュメントは「合掌ゲート」としました。このゲートは高さ10mで、中に献花台があり、海に向かって手を合わせることができます。合わせた掌、船、扉、灯台、アーチなど、いろいろな思いを形にした復興祈念のシンボルとする考えです。モニュメントは、地区ごとにガラスの柱を立てる案、灯台や鐘とする案などもありましたが、合掌ゲートにしました。合掌ゲートの高さも5m、7m、10mで検討し、シンボルとなる10mを選びました。

伝承のオブジェは秋田公立美術大学准教授の皆川嘉博氏を候補として製作を依頼することを、「伝承のオブジェワーキング」で検討しました。11月中に予定している2回目のワーキングでオブジェの配置先、2019年に具体的形状を検討します。毎年1体ずつ、計10体を設置することを計画しています。

 

※現地見学会で撮影した写真です。新鮮な景色が広がります。

【2020年度完成。待避所も整備】

課題は公園までのアクセス道です。現状では狭いため、鹿折からのアクセス道には大型バスを想定した待避所を複数整備します。

公園のレイアウトなどは有識者や地域代表による検討委員会(専用ホームページを開設)で協議してきました。アイデアコンペには161作品も集まり、総合部門とモニュメント部門で優秀賞に選ばれた槻橋修氏(神戸大学准教授)に監修を依頼し、槻橋さんの作品を基本に他の応募作品のアイデアも取り入れながら基本設計を詰めてきました。槻橋氏は東日本大震災で被災した街並みを模型で復元する「失われた街・模型復元プロジェクト」などで何度も気仙沼を訪れてくれている方です。

事業説明会の意見などを踏まえて、公園やモニュメントの設計を固めることになります。そして今年12月から寄付集めをスタートさせ、来年秋に着工、2020年度のオープンを予定しています。

 

 

 

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