新庁舎建設と旧市立病院解体をまとめて解決できる方法【気仙沼市】

気仙沼市の新庁舎建設構想がいよいよ動き出します。市町合併による特例債を活用し、2025年までの完成を目指します。その基本的な考え方とスケジュール、旧市立病院解体との関係を報告します。

【県内最古の庁舎、合併特例債で建替え】

庁舎建設については2015年12月のブログでも紹介しましたが、合併時に策定した新市建設計画に追加しています。震災によって合併特例債(返済の7割を国が交付税措置)の期限が15年間延長されたためです。

現庁舎は昭和35年建設で、県内では最も古くて耐震化もしていません。災害時に機能しない恐れがあり、2015年から毎年1億円を庁舎建設基金に積み立て、4億5千万円になっています。

【来年9月まで建設候補地絞り込み】

建設までのスケジュールは下表の通りです。まずは9月に有識者会議(10人程度で本年度は4回開催予定)を設置して約1年かけて基本構想案を策定し、市議会、市民へ説明します。基本構想案では、新庁舎の必要性、新庁舎に求められる機能と性能を整理したうえで、建設候補地を一つに絞り込むこととしています。

この構想の対象は八日町の本庁舎、現在は仮中央公民館と同居している教育委員会庁舎です。本吉、唐桑の総合支所などは対象外とする方針です。本庁舎の延べ床面積は約1万2千㎡です。

【事業規模60億円超】

合併特例債は130億円まで利用可能で、残りは約60億円です。事業費に対して特例債は95%までしか充当できませんので、57億円は特例債で確保できます。残りの5%分の3億円をはじめ、備品購入や移転に少なくても計8億円が必要となるため、基金への積み増しを続けていきます。

しかし、庁舎の建設事業費として60億円は少ない方です。隣の駐車場に建て替える大崎市は延べ床面積1万3000㎡で80億円かかる計画です。延べ床面積6700㎡の宮城県気仙沼合同庁舎でも40億円ほどの事業費がかかりました。土地の取得や造成が必要になると、事業費が不足してしまう可能性があります。

※現在の本庁舎。裏側を見ると老朽化が著しいです

【旧市立病院跡地が有力候補に浮上】

人口減少が進み、道州制やさらなる自治体合併が無視できない中、立派すぎる新庁舎は不要です。三陸道の延伸や鉄道のBRT(バス専用道)化によって、市内の交通網も変化しています。

現在地での建て替え、三陸道のIC付近への移転、空き施設の活用など、さまざまな選択肢がありますが、有力候補として急浮上しているのが旧市立病院跡地です。

6月に公表された気仙沼市立病院跡施設利用計画基本調査で、公共施設として再利用する場合の事業費が60億円程度という結果が示されたからです。合併特例を活用した事業費と一致したことに驚いています。

【病院解体と新庁舎整備をまとめて解決か】

旧病院施設は、土地と施設それぞれで売却、公共施設としての活用を検討しました。老朽化した病棟を解体し、まだ利用できる施設を残して民間へ売却した場合、すべて解体して更地にして公園にする場合などの事業費を試算し、それぞれの評価をまとめました。

全施設を解体する場合の費用は11.4億円、比較的新しい増築棟(平成7年建設)と管理棟(昭和58年建設)を残して解体するには7.4億円などの結果が出ました。検討パターンの中で市役所に適しているのは、増築棟と管理棟を残して長寿命化改修する案で、事業費は約56億円。長寿命化改修が32億円と結構高いため、管理棟を建替える案でも事業費は4億円多い60億円となります。

市役所の候補地として無視できないため、跡施設の活用については新庁舎基本構想の結論が出るまで待つことにしました。

ここで注目しておきたいのは、病院跡地を新庁舎とする場合、施設の解体費に合併特例債が活用できることです。老朽化した病院の解体と、新庁舎の整備の二つを解決できることはとても大きなことです。

新庁舎整備は、工夫の見せどころです。閉校した高校を庁舎にした富山県氷見市を個人的に視察(詳しくは2014年11月のブログ)したことがありますが、コスト削減と機能充実をダブルで実現していました。市街地復興の観点では、現在地から移転することの影響も整理しなければなりません。庁舎建設の問題は継続して調査していきます。

※下の図は病院跡施設活用の検討パターンで評価が高かったものの一覧、そのうちの公共施設にしたパターンの比較、現施設の配置状況です。

 

 

 

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