気仙沼クルーカードの半年間の実績

加盟店で買い物すると100円で1ポイントがもらえる気仙沼クルーカード。今年4月にスタートし、6カ月間で会員は7335人になりました。その成果について、気仙沼市議会産業経済常任委員会で調査しましたので報告します。クルーカードについては今年4月のブログでも紹介しています。カードの入会申し込みはクルーカードのホームぺージからもできます。

【会員7335人、売り上げ1億円】

会員7335人の内訳は市内59%、気仙沼以外の県内13%、関東13%でした。実証実験中のため市内の加盟店は48店だけですが、カードを利用した売り上げは延べ2万5000人で約1億円ありました。
会員にはなったものの3割の人は利用していない一方で、よく利用する2割の会員だけで売り上げの約半分を占めていました。会員限定メニューや特別ポイントを用意したキャンペーン中の売り上げも好調でした。

【来春には加盟店100店プラス】

今後は、気仙沼を応援するためにカードを持ったものの、使う機会が少ないという課題を解消するため、来年度には加盟店を100店追加する予定です。公共施設でのポイント付与も検討しています。
カードは無料配布していますので、買い物するたびにポイントがもらえる会員の反応は上々でした。加盟店にも広告宣伝など販促面でのメリットがあります。メールでイベントやお店の情報を発信したり、顧客のデータベースをつくれたりするだけでなく、この仕組みとデータを活用したマーケティングにより、戦略的な地域活性化にもつなげることができます。

【成果は上々。課題は運営経費】

課題はやはり運営経費です。加盟店は売り上げの1%をポイント代として利用客に、2%をカード会社に支払います。カードを発行して、カードのPRや会員勧誘、キャンペーンなどをする団体「気仙沼地域戦略」は気仙沼市からの補助金約3000万円で成り立っています。期限切れのポイントが寄付されるとはいえ、市民の所持率が高い状況からすると期待はできません。
将来的には会員6万人で年間20億円の売り上げを目指しています。その1%の2000万円がポイントとして会員に付与され、その半分が期限切れとなったとしても1000万円です。一方、カード会社の取り分は2%の4000万円。実際に営業活動に励んでいる地元よりも、システムを提供しているカード会社がどんどん利益を得る仕組みになっており、市が大きく関わる事業としてはやはり疑問が残ります。カード会社には、端末利用料なども加盟店から毎月支払われています。
そもそも、観光客の購買データ収集をカードの目的にしていたのに、実際は市民の地元購買の促進が大きな目的になっています。加盟店が増えれば、キャンペーンやマップづくりの手間が増え、個店が埋没していく可能性もあります。市役所では観光課が担当している事業ですが、経済戦略として産業部全体を巻き込まなければなりません。
まだ実証期間ですが、気仙沼クルーカードを大きく育てていくことになれば、負担金の在り方をはじめとした根本的な議論をしなければなりません。

 

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