指定管理者制度の見直しへ【一般質問報告②】

シリーズでお伝えしている気仙沼市市議会9月定例会の一般質問報告第2弾です。

今回は指定管理者制度の見直しに向けた議論の内容です。

指定管理者制度とは、公共施設の管理・運営を民間に委ねる制度です。気仙沼市でも10年以上前から観光施設や公民館、福祉施設などに導入してきました。

その見直しは震災前から取り組むことにしていたのですが、震災後は復旧・復興事業に忙しくて見直し作業は中断していました。しかし、震災伝承施設、三陸道PAの物販施設、大島ウエルカムターミナルなど、新たに整備する施設に指定管理者導入が見込まれるほか、旧市町でバラバラだった地域コミュニティ施設の管理方法についても一層複雑になってしまいました。

【年度内にガイドラインまとめる】

以前にも議論したので、今回はその後の取り組みと今後のスケジュールを確認しました。

答弁をまとめると、急いで基本的な運営方針をまとめ、今年度内には指定管理者制度のガイドラインを作成するそうです。並行して個別の施設の課題を整理することにしています。私は議論の公開が大切だと思いましたので、途中経過の報告を含めて市民を巻き込んだ議論を求めました。

【地域コミュニティ施設の管理統一】

気仙沼、唐桑、本吉の旧市町でバラバラだった地域コミュニティ施設の管理方法については、指定管理を基本とするが、指定管理料は支払わない方針が示されました。現状だと、唐桑がもっとも手厚い市の直営で、本吉町は市から指定管理料を支払い、旧気仙沼市は指定管理料なしという状況ですが、平成31年4月の本吉地区の指定管理一斉更新に合わせ、すべて指定管理に統一し、指定管理料としては支払わないということです。

ただし、施設管理の負担区分について検討中ということですので、合併浄化槽の管理料などについて市としての負担を考えていくことになりそうです。当然ですが、自治会所有の集会施設については指定管理の対象外となります。

公共施設のマネジメントに基づいた個別計画も平成32年度に策定する予定です。財政難と人口減少の中、過剰になりつつある公共施設をどのように維持し、集約していくのか、指定管理者制度の見直しの議論はとても重要ですので、今後も続けていきたいと思います。

指定管理に関連する今後の動きを時系列にまとめてみました。

指定管理者制度見直しのスケジュール
速やかに 「今後の運営の在り方」をまとめる
29年度後半 ガイドラインをまとめる
30年度はじめ 31年4月の本吉地区の地域コミュニティ施設の指定管理一斉更新に合わせ、市内の地域コミュニティ施設の管理方法を統一するため、自治会や振興会に対して案を示す。唐桑を含めて指定管理料は払わないが、施設管理について負担を区分する方針で検討中
31年度以降 各施設の更新時期に合わせて新ガイドラインを適用
32年度 公共施設等総合管理計画に基づいた施設類型ごとの個別計画策定

  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【一般質問の質疑概要】

今年2月の一般質問で、公共施設の管理・運営を民間に任せる指定管理者制度を「管理・運営」から「経営」へと発展させることについて少し議論しました。菅原市長は「指定管理は分かりにくい」「施設の性質や必要性と、どこまで行政が負担するべきか、どういう管理が望ましいかという順番で、根本から筋立てて物事を判断していくことが本市としては必要」と答弁しました。菅原市長は「復興は地域課題を解決すること」と常々話されています。復興事業で整備する新施設の管理方法と合わせて、指定管理者制度の在り方そのものを整理するタイミングであると思いますので、次の4点について市の説明を求めます。

①気仙沼市が指定管理者制度を本格導入してから10年あまりが過ぎました。導入後の検証作業はどのように進めてきましたか。行政コストの削減、民間のノウハウを生かした活性化など、導入の成果と課題、課題に対する対策を示してください。また、指定管理者制度への移行によって削減された公費はどのように生かされていますか。

菅原市長 指定管理者制度導入後の検証作業についてですが、個々の施設単位で運営上の見直しなどは行っていたものの、市町合併から震災を経て、いくつかの課題が見られるようになったことから、市全体での抜本的な検証作業に取り組むため、平成25年10月、「市公の施設の管理、運営の在り方に関する検討委員会」を設置して議論を重ねてきました。

この在り方検討委員会においては、本市の指定管理者制度の現状を整理し、市民サービスの向上と管理経費の節減について一定の成果があったと評価する一方で、利用率が著しく低い施設や老朽化が著しい施設、そもそも公の施設としての適格性について判断が必要な施設については、廃止や民間委譲を含め、より施設の効用を発揮できる管理手法を検討することにしています。このほかにも利用者増やコスト引き下げなど、より一層の経営努力を促す利用料金制導入拡大のほか、指定管理を原則5年間とすること、管理運営上のリスク分担など、指定管理者制度の諸課題を協議し、一定の方針を整えたところであります。

しかしながら、平成25年、26年の検討は、既存指定管理施設について現在の運営を検証したものであり、現在の指定管理の枠組みでの管理そのものが適切かなど、根本からの検証には至っておらず、また、コスト面からの検証も十分には行われていません。

今後、復興事業で整備される産業施設の民間管理なども含め、ゼロベースでの検討やコスト削減、利用、サービスの最大化に叶っているかなど、施設ごとに検証していきます。なお、これまで削減された公費について積算は行っておらず、収入の多くを国に依存し、常に財政力以上の行政需要を抱える本市財政運営の中に溶け込んでしまっているのが現状です。しかしながら、メリハリのある行財政運営のためにも、指定管理の効果を数字で表す形を整えていきたいと思っています。

②行政改革推進プログラムで指定管理者制度のガイドラインの策定、モニタリング制度導入、指定管理者選定への外部委員の検討などを目指していました。震災を経て、ガイドラインなどの役割はますます重要になっています。平成25年に設置した「気仙沼市公の施設の管理運営の在り方等に関する検討委員会」のスケジュールと合わせて、現在の状況と今後の方針を示してください。また、今月設置した公共施設マネジメント検討委員会において、指定管理者制度の在り方はどのように位置づけられていますか。熊本市のように施設の役割に応じて指定管理料積算のもとになる「ランク別人件費単価表」の導入の検討、さらに指定管理を行う団体の育成についても併せて伺います。

菅原市長 行政改革推進プログラムで目指していた指定管理者制度のガイドラインの策定、モニタリング制度導入、指定管理者選定への外部委員の検討などについてでありますが、在り方検討委員会においてガイドラインについては本年度後期を目途に取りまとめの作業を行うこととしており、モニタリング制度導入については管理運営業務に係る指定管理者の自己評価報告を義務付け、県の手法を参考にしながら、市としての評価を毎年度行うための検討を進めております。指定管理者候補者の選考に係る外部委員の登用については、公募による選考が全体の2割にとどまるうえ、実際に複数の応募があった施設は1カ所のみであり、指定管理者の受け手が少ない地域事情から、現時点では必要性が低いと判断しています。

在り方検討委員会の今後のスケジュールについてでありますが、まずはガイドラインに先行して課題や今後の方針を整理した「本市の指定管理者制度の今後の運営の在り方について」を速やかに取りまとめるとともに、個別の検証作業に向けた施設ごとの課題洗い出しや、コスト削減、利用、サービスの最大化に繋がる新たな手法の検討などを並行して進める予定としています。

なお、公共施設マネジメント検討委員会では、公共施設等総合管理計画にもとづき、各施設を適切に管理し、効率的な施設運営を推進するため、施設類型ごとの個別計画を平成32年度を目標に策定することとしており、各施設の指定管理の更新時期も見据えながら、在り方検討委員会の方針を踏まえ、検討していくことになります。

指定管理料積算のもとになる「ランク別人件費単価表」の導入については、他自治体における人件費積算の事例を参照しながら、適正な指定管理料について施設の性格、地域事情、管理の難易度、近傍類似施設の状況などから総合的に判断していきます。

指定管理を行う団体の育成については、前述の通り、指定管理者の受け手が少ないという地域事情や運営ノウハウの向上、事業の展開力が求められる状況などから、必要な施策であると捉えており、既存の指定管理施設のみならず、今後、復興事業で整備される各施設の管理手法や、自主事業の企画立案能力、PDCAサイクルを用いた検証分析能力など、指定管理者としての資質向上、ひいては市民サービスの向上につながる研鑽の機会の設定について、幅広い団体を対象に検討していきます。

③旧市町によって管理方法が異なる公設の地域コミュニティ施設について、市は本吉地区の指定管理者を一斉更新する平成314月に向け、指定管理方法の統一を検討する方針を示しています。その基本的な考え方、スケジュールを示してください。また、指定管理者制度を導入している施設全般において、一斉更新時期に向けた制度見直しのスケジュールも伺います。

菅原市長 地域コミュニティ施設の指定管理方法の統一についてでありますが、地域コミュニティ施設の管理方法については、旧市町における管理方法が異なっていることから、現在、統一に向けて取り組んでいるところです。統一に向けた基本的な考え方については、市の運営管理となっている唐桑地域の施設も含めて指定管理とし、指定管理料は支払わない方向でありますが、市と指定管理者の適切な施設管理費用の負担区分について検討しているところです。

今後のスケジュールについては、本年度内に統一化案を作成し、来年度のはじめ頃に自治会や振興会に対して案を示し、ご意見を踏まえて平成31年4月の統一に向け取り組んでまいります。なお、指定管理者制度を導入している施設全般における見直しのスケジュールについてでありますが、在り方検討委員会によるガイドライン作成と並行して、個々の施設への適用計画を策定していくこととしており、平成31年度から34年度にわたるそれぞれの更新時期を見据えながら作業を進めていきます。

④菅原市長のいう「根本から筋立てて物事を判断していく」のためには、受益者負担を含めた公共施設の在り方、指定管理者制度についてオープンな議論が必要です。しかし、公共施設マネジメント委員会、公の施設の管理運営の在り方検討委員会ともに非公開です。会議の公開とともに、外部有識者や市民代表を加えたオープンな議論の場の設定について市の考えを伺います。

菅原市長 外部有識者や市民代表を加えた議論の場の設定についてでありますが、在り方検討委員会においては平成25年、26年の会議開催時に外部有識者を専門委員として委嘱した経過があり、専門的見地から種々の助言をいただいたところであります。今後も公共施設マネジメント委員会も含め、会議や作業の進捗に合わせ、必要に応じ、外部有識者や市民代表の参画を検討していくとともに、会議の途中経過や成果については適宜公表しています。なお、会議の公開については、市民を含む第三者の直接的な利害に関する内容も含まれているため、難しいものと考えます。

 

今川 次の更新時期に向けてガイドライン等を整備して反映させていくということですので、そのガイドラインをつくっていく過程の中に、途中報告なり市民の意見を聞く機会というのは考えていますか。

 

鈴木総務課長 今年度後半にガイドラインの形をつくっていきたいと考えています。その途中において市民の皆様に意見を聞く会を設けることは必要でありますし、専門家の意見も聞かなければいけない場面も出てくると思います。その方向で検討したいと思います。

 

今川 指定管理の効果の部分ですが、当初は市職員だと年間800万円かかる人件費が嘱託になることで150万円まで減り、その差額の650万円が効果だと取り上げられていました。この人件費の削減が最初のころは目立っていたが、導入した公民館等を見ると、サービスが向上していて指定管理になって良かったという話をいろんな人から聞いています。この制度がもっと広がればいいと思う半面、地域の負担が増えているので、削減された公費をいかに地域に還元できるかが、これから指定管理を広めていくポイントだと思います。市長はなるべく成果を数字に表したいと答弁しましたので、その成果を地域に還元していくという発想を持ってほしいです。

 

鈴木課長 効果については、そもそも指定管理の制度は民間事業者のノウハウを活用して市民サービスの向上と管理経費の削減という二つのバランスを持ったものを目標として入っています。経費削減という視点でとらえると、一定程度の成果がないといけないところがありますが、まだ数字的なものは確立できていません。まずは数字で表す手法を検討し、公表し、そのうえで地域への還元が可能かを次の段階で考えていくことになると思います。

 

菅原市長 指定管理によって公民館などが住民に喜ばれているということは、市としては少し情けないところもあります。正直言って、この指定管理者制度はいつも引っかかっていて、民間のノウハウを利用してというが、民間に公民館の運営ノウハウはない。それなのに民間がやるとうまくいって、市の職員がやるとうまくいかないように感じられるというのは反省すべき点だと思います。今のお金の話は、住民より市がきちっと意識していかないといけない。そのうえで住民にどう還元していくかということをよく検討しないといけない。先ほどの菅原雄治議員の質問(小規模多機能自治と小原木公民館について)との関連でいえば、住民の皆さんがさらに活動を広げていくための導入資金だとか、運転の活用するためという、何か対価として支払うというよりも、住民の皆さんがそれを活用してより一層また地域で担っていただくことが増えていくということだと、私たちもさらに還元し甲斐があることなので、そこは工夫だと思います。単純にいくら積み立てて物にだけ換えればいいということではないし、工夫のしようだなと思います。地域の皆さんが活動を広げるための資金だということで、それが同時に気仙沼市の行革にもつながることでもあれば好ましいと思いますので、知恵を出していきたいです。

 

今川 ちなみに面瀬公民館の場合、当時の記事には直営よりも年間で700万円くらい人件費が浮くということでした。もう10年以上、毎年700万円浮かせているということをぜひ還元して頂きたいと思います。

 

 

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