気仙沼は防潮堤で断トツ一位【会計検査から分かったこと】

会計検査院が今月公表した報告書は、復興のデータが盛りだくさんでした。被災市町ごとに防潮堤や土地区画整理の状況もまとめており、気仙沼の復興の特色を知ることもできます。

公開されたのは「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果についての報告書」。今回は防潮堤、市街地かさ上げ、企業立地支援を紹介します。

【気仙沼の防潮堤費用2197億円、海岸数は断トツ1位】

防潮堤については気仙沼市の状況を報告してきましたが、会計検査によって被災地の全体像が分かりました。2015年度末現在、36市町村の576海岸で1兆3433億円を計画(国の直轄分を除く)しています。海抜10m以上の防潮堤は95海岸で、このうち岩手県が78海岸を占めています。

気仙沼市では84海岸で2197億円が計画されており、海岸数、計画事業費ともに36市町で断トツ1位で、事業費は福島県の合計(1954億円)を上回るほどです。1000億円以上の市町村は気仙沼市のほかに石巻市(1321億円)と大船渡市(1007億円)だけです。

事業費が増えた理由、完成が遅れている理由も被災地全体でまとめました。

【市街地かさ上げ一覧も】

津波被害を防ぐための市街地かさ上げも市町村の状況がまとまりました。気仙沼市の場合は、鹿折、南気仙沼、魚町・南町で被災市街地復興土地区画整理事業、赤岩港と朝日町で津波復興拠点整備事業を導入し、計100haで東日本大震災級の津波でも浸水しないように市街地をかさ上げしています。かさ上げの事業費は計330億円です。

津波復興拠点整備事業は、市町村によって産業系、住居系、公共系の活用方法が異なっており、それぞれ復興の特色となっています。

【企業立地支援の辞退率。気仙沼は72.7%】

企業立地を支援する津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金は、工場や物流施設の新設・増設に補助する制度ですが、新聞報道では辞退する事業者が多いことが取り上げられました。

被災地全体では958事業者が採択されましたが、232事業者が辞退しました。用地確保や資金計画、人手の確保が課題となって、計画を断念したことが主な理由です。

そもそも立地を促すため、未完全な計画でも採択したことで、いざ具現化となると断念する事業者が多かったというのが本当の原因のようです。ことさら辞退率を責めるのは的外れですが、せっかく意欲のある事業者が立地するための制度の見直しが必要になっています。

なお、気仙沼市は11件を採択したものの、8件が辞退しています。仙台周辺での利用実績が多く、被災した市町村間での格差も見られます。

 

 

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