防潮堤。異なる「水際のイメージ」

気仙沼市内でも少しずつ新しい防潮堤が完成していますが、どうも違和感があるのは私だけでしょうか。それは、水際のイメージが説明会で思い描いていたものと違うからです。原因は工事のための「仮堤防」にありました。防潮堤の位置を海出ししたところは要注意です。

少しわかりにくい話なので、本吉町野々下地区にいち早く完成した防潮堤(海抜9.8m)を例に説明します。

ここの防潮堤は砂浜を埋め立てるように整備したため、コンクリート壁を立てるための地盤工事が必要でした。海の中の工事ですので、地盤工事には波が入ってこないための「仮設堤防」を沖に設置しました。つまり、防潮堤を工事するための防潮堤工事です。

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問題はこの「仮設堤防」の処理です。防潮堤工事が終わった後、仮設堤防は不要になるのですが、撤去するのではなく、山積みしていた岩をならしたのです。その結果、浜は住民が想像していた以上に埋立てられてしまいました。工事現場にあるイメージ図とも異なります。

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この岩場が海の中に入れば、生物の住処にもなるのでまだ良かったかもしれません。よほどの満潮でなければ、写真のようにゴツゴツした岩場が丸見えになっています。ここに漂着ゴミが打ち上げられると、岩場に引っ掛かり、ときおり悪臭を漂わせます。

説明会では、防潮堤から海に落ちた人のため、「海に降りる階段を設置してほしい」という要望が多くありました。住民の多くは防潮堤の下に海があると思っていたのです。野々下地区の防潮堤から学び、「防潮堤の下はコンクリートのブロックですよ」と教えると、たいていの人はビックリします。岩場が広がることは全くの想定外のようです。

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野々下のようなことは、海出しを選択した地区では高い可能性で発生します。市内では階上、松岩地区を中心に20カ所で海出しが計画されています。よくよく説明資料を見ると、ちゃんと「仮設波除堤」などという名称で防潮堤の海側に書き込まれているところもあります。県の担当者に聞くと、この仮設堤防を撤去するのが難しく、野々下地区のように積んだ岩をならすのが一般的な工法なのだそうです。

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千岩田地区海岸の説明資料もよく見ると、海側に工事用道路が設置される計画です。この計画だと海岸線から40m近く埋め立てることになります。工事用道路は仮設で、ちゃんと撤去する予定です。

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この問題について、JFみやぎと行政側が話し合い、対策を検討しています。気仙沼だけの問題ではなく、どのような対応になるかわかりませんが、こうし問題は説明会でもきちんと説明することが必要です。海出しによる影響が十分に説明されないまま、計画が決まったとしたら大問題です。行政側の対応が分かり次第、お伝えします。

ちなみに、本吉や唐桑は漁業への影響を心配し、なるべく海出しを避ける計画にしました。防潮堤は海岸保全施設なので、埋め立てによる漁協の議決は不要なのだそうです。

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