都市計画税の区域縮小へ【一般質問の成果】

気仙沼市議会の6月定例会で一般質問を行いました。今回は防潮堤、都市計画税、認定こども園の問題を取り上げ、それぞれ成果を得ることができましたので報告します。

■用途地域内を基本に見直し

今回は都市計画税の問題に力を入れました。都市計画区域内でも課税対象の地域と対象外の地域があり、もっと分かりやすい線引きを求めたところ、市は用途地域内を基本に見直す方針が示されました。

この方針で検討が進めば、用途地域外で課税対象になっていた階上地区、鹿折地区の東海岸は対象外になります。変更した場合の税収を27年度ベースで試算したところ、マイナス1500万円の1億6700万円でした。

■税収は1割減。早ければ30年度適用

早ければ29年の12月議会に都市計画税条例の改正を提案し、30年度から適用させる考えも示されました。課税対象から外れても、納税を続けてきたことへの配慮を求めました。下の図が都市計画区域の用途地域です。

0324_気仙沼都市計画図_CS6

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■草木沢の防潮堤は「JRの回答しだい」

必要性を指摘した蔵内漁港草木沢地区の防潮堤については、事業費の見込みが12億8700万円なのに、守るものは「BRT専用道ののり面(土手)」だけです。防潮堤が必要かどうかJRに確認してくれることになりましたが、引き続き追及していきます。

写真は、左側が海、右側がBRT専用道です。車が止まっているあたりに海抜9.8mの防潮堤を計画しています。

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認定こども園は課題の整理にとどまりました。今後、具体的な議論をしていきのす。

質問と答弁の概要は次の通りです。

蔵内漁港草木沢地区の防潮堤の必要性について

質問① 南三陸町との境にある蔵内漁港草木沢地区で、気仙沼市が計画している海抜9.8mの防潮堤について伺います。市は昨年12月の一般質問で、レベル2津波の浸水想定域を含めて背後地に住宅はないが、JR気仙沼線を守るために整備することを説明しました。現地を確認したところ、BRT専用道になった気仙沼線は計画堤防高よりも高く、そののり面を守るため、海側にコンクリートの防潮堤を建設することに疑問を抱きました。防潮堤は本当に必要なのでしょうか。次の3点について市の説明を求めます。

・草木沢地区の防潮堤総事業費の見込みを示してください。

・防潮堤が必要と判断した理由と今後のスケジュールを示してください。

・JRは気仙沼線復旧の議論の中で、鉄路にする場合はレベル1津波からの  防御とレベル2津波からの避難を条件にしました。BRTのメリットは避難が容易で、専用道が寸断されても現道を走行できることです。JRは専用道ののり面をレベル1津波から守ることを求めているのでしょうか。防潮堤が必要と判断するに至ったJRとの協議内容を示してください。

菅原市長 総事業費は当初の概算で12億8700万円を見込んでいます。漁港背後のJR気仙沼線は土堤タイプで、計画堤防高の海抜9.8mより高い位置にあるものの、レベル1津波が発生すると土堤ののり面が崩落し、公共交通機関としての運行に影響を与えることから、守るべきものと判断しました。現在進めている詳細設計ができしだい、国から実施認可をもらうための工法協議をし、認可が下りたら用地買収と年度内の工事発注・着手、平成30年度内の完成を予定しています。

鉄道であれ、BRTであれ、公共交通機関は守るべきと考えているものの、JR幹部からは「BRTであれば避難が可能であり、守らなくてもいい」との発言があり、現在、JR仙台支社に草木沢地区についてもその考えなのかどうかを問い合わせています。JRの回答によっては、防潮堤計画の見直しを検討します。

 

水産基盤整備課・村上課長 公共交通機関は守るべきと判断して計画を進めてきましたので、特にJRと協議は行っていません。今回、BRTでの復旧方針が出たことから、あらためて問い合わせしています。

 

今川 その進め方は本当に良かったのでしょうか。今回は国の予算で整備できますが、維持管理や更新は市民の負担になります。

 

菅原市長 最終的な判断はJRの考え方を聞いてみないと分かりません。JRから守ってもらいたいと言われたときに、守らなくていいのかということについては、本来ならのり面をどうしましょうという話もありますが、残念ながらそういう復興メニューはありません。そういうことは、今回の復興事業に山ほどあります。期間の中で適切な判断をする難しさの一つになると思っています。メンテナンス費用は大事なポイントではありますが、今回の防潮堤計画においては、そのことを気にしすぎると実際には分からないことが多すぎて決断ができないところがいっぱい出てくるという矛盾はずっと引きずっています。それは当市だけではありません。実際にお金がかかるのであれば、市町村が負担できない部分は国県に負担してもらうということは、当然、当市だけでなくいろいろなところから巻き起こって、勝ち取っていくことになると思います。

 

今川 JRの回答を待ち、また議論したいです。

都市計画税の公平性について 

質問② 都市計画税を納めている市民のほとんどが、「都市計画区域内に土地と家屋を所有する人はみんな課税されている」と思いっています。ところが、都市計画区域内でも課税されている地域と課税されていない地域があります。中心市街地に近い用途地域であっても課税されていない地域がある一方で、用途地域外でも課税されている地域があるのに、その理由は市民に周知されていません。税の公平性の観点から、次の2点について市の考えを伺います。

・建物や土地の課税標準額の0.2%を課している気仙沼市の都市計画税は、都市計画事業または土地区画整理事業の財源に充てられる目的税であり、その受益者が課税対象となります。市は用途地域を主体に課税区域を指定していますが、鹿折地区の東海岸や階上地区のように用途地域外でも対象になっている地域があります。一方で、新月地区の松川前には、用途地域内であっても課税されていない地域があります。地番で指定している地域では、新たに開発された宅地が課税対象にならない問題も起きています。このように曖昧な状況にある課税地域はどのような基準で決められたのですか。また、市としてはどのような課題があると考えていますか。

・近年は都市計画税の多くが下水道事業の償還に充てられています。しかし、用途地域と同じだった下水道の計画区域は、人口減少などによって大幅に縮小する方針が示されました。今後は維持管理の費用負担も心配され、新たな都市計画事業の展開は難しい状況にあります。平成25年12月19日の市議会全員協議会では、「階上地区は将来的に人口が増えて市街化が進むと見込んで都市計画区域にしたが、人口が減少する中、あらためて市街化を図ることは難しい」という説明が市からありました。受益の見込みがない中で、都市計画税を課税し続けることは問題です。良好な環境づくりのために都市計画区域として存続するにしても、事業の見込みがない地域の課税は急いで廃止すべきだと考えます。市の見解を伺います。

菅原市長 都市計画税は地方税法の規定により、「都市計画事業の費用に充てるため、当該事業によって土地や家屋の利用価値増大、地価上昇といった恩恵を受ける地域、もしくは恩恵を受ける可能性のある地域のうち、市街化区域に所在する土地と家屋を対象に課税できる」とされています。市街化区域が指定されていない場合は、「都市計画区域の全部、または一部について市町村の裁量により条例で定めること」とされています。このことから、本市では都市計画事業の恩恵を受ける地域、もしくは恩恵を受ける可能性のある地域として、「都市計画区域内の用途地域及びその周辺地域で市街化が見込まれる地域」を主体に都市計画税の課税区域として条例で規定しています。

課税区域を昭和40年に規定して以来、これまで都市計画区域もしくは用途地域の変更、都市計画事業の状況、市街化の動向等を踏まえて課税区域を変更してきました。その後、東日本大震災の復興事業と併せ、土地区画整理事業の実施や都市計画道路の変更、用途地域の変更などが行われており、都市計画税の課税区域の見直しの必要があると認識しています。また、都市計画区域のうち地番指定により課税している地域において、新たに開発された宅地については、都市計画税の趣旨に照らし、都市計画税の課税区域に追加することが妥当であるのか調査し、必要に応じて見直すべきと認識しています。

事業の見込みがない地域の課税廃止については、課税区域の見直しについて庁内で検討しています。本年度末まで策定予定の次期総合計画の内容に照らし、必要に応じて速やかに都市計画税条例の改正を提案します。

 

今川 見直しに向けた市の方針を示してください。

 

税務課・小野寺課長 課税区域設定の見直しに向けた考え方ですが、都市計画税と都市計画事業の受益と負担の乖離をできるだけなくして、納税者が納得できる課税区域とすることが必要です。このことと法の趣旨から考えると、都市計画区域の用途地域を基本とした設定を行うことが現段階では妥当と考えています。見直し時期については、早ければ29年12月の議会に都市計画税条例の改正を提案し、30年度から実施したいと考えています。

 

今川 気仙沼市に市街化区域の設定がなく、市の裁量で課税区域を決めていたため、あいまいになっていたのだと思います。26年3月に策定した都市計画マスタープランには、用途地域が市街地だという考え方が書いてあります。用途地域以外の都市計画区域は「環境共生ゾーン」と位置付けました。こういう方針からも、用途地域を課税区域として見直していく考え方は正しいのだと思います。

問題になるのは、階上地区や鹿折地区東海岸のように、用途地域外で課税されてきた地域です。納税しなくてよくなることはいいのですが、「いままで払ってきた分はどうなるの」という話になります。都市計画税の廃止は全国的に動きになっていて、28年度から廃止した茨城県常総市では、「都市計画税を負担しながら都市計画事業が実施されてこなかった地域については、今後、優先的に事業を実施することを検討する」と説明しています。公共事業における配慮を検討することが必要だと思います。

 

建設部・村上部長 これまでの都市計画税の区域は、都市計画区域の中で見込まれていた下水道、道路、公園の計画論の中で進められてきました。ただし、都市計画事業の目的税とはいえ、用途地域内で顕著なように、一般のインフラ整備について人口集中、産業振興の意味合いから事業に取り組んできたことも事実です。常総市の例を挙げていだききましたが、道路のようにどこまでが受益者といえるのか難しい線引きもあります。それらを加味しまして、今回の総合計画等の見直しに合わせて作業させていただきます。

 

今川 都市計画税の税収を用途地域と用途地域外で分けて把握していますか。

 

小野寺課長 27年度の課税ベースで、現行区域での概算の税収額は1億8200万円です。これを仮に用途地域内とすると1億6700万円になり、1500万円の減収となります。

 小規模保育所と認定こども園について    

質問③ 少子化によって小規模保育所で児童数の減少が目立っています。本年度は8施設の定員合計375人に対し、入所児童はわずか79人です。月立、前沢、中才、波路上の在籍児童はいずれも10人以下となっています。このち3施設は新たに整備される認定こども園に統合される計画ですが、3~4歳児が特に少ない状況を見ると、統合まで放置できるような状況ではありません。認定こども園の整備計画を前倒しして急ぐとともに、緊急的な対応が必要です。市の対応について伺います。

・気仙沼市児童福祉施設等再編整備計画では、集団保育の必要性などから「児童数が継続的に10人以下となることが見込まれる施設は統廃合の対象にする」としました。児童数が3人の月立保育所ですが、新月地区に認定こども園ができるのは平成32年度以降、4人の前沢保育所の統合先となる面瀬地区の認定こども園も用地確保の問題などから30年度までと見込んでいた開園時期の遅れが心配されています。なお、岩月保育所は児童数が11人でも、3歳児と4歳児が1人ずつしかいない状況です。再編整備計画でこの状況は想定されていたのでしょうか。また、この3施設は認定こども園ができるまで存続を確約するのでしょうか。児童数減少の影響も含めて説明を求めます。

・気仙沼市児童福祉施設等再編整備計画を策定したのは26年4月です。35年度までの計画ですが、「社会情勢等の変化により、必要がある場合は適宜見直す」としています。少子化対策に本腰を入れ始めた中で、認定こども園化の前倒しを含めて計画を見直す考えはありませんか。28~31年度の中期計画に位置付けた松岩、大島、面瀬の認定こども園化の詳細スケジュールと課題も伺います。

・小規模保育所の児童数が激減する中、私立幼稚園などがより多くの友達を求める子どもたちの受け皿になっています。ますます重要になっている公立と私立の役割分担について、2月定例会の代表質問で菅原市長は「市としての基本方針を持って話し合いの場をつくりたい」と答弁しました。スピード感を持って議論を進めてほしいと思いますが、現在の状況と今後の見通しを示してください。

  菅原市長 再編整備計画の策定に当たっては、過去の就学前児童数の推移などから今後の児童数減少を想定して統廃合の計画を策定しました。しかし、現在の小規模保育所の入所児童数の減少は、その想定を超えています。原因は保護者の就業に伴う認可保育所への入所希望の増加や、幼稚園を選択する世帯の増加等、保育ニーズの変化も影響していると考えられます。

小規模保育所3施設を認定こども園整備まで存続を確約することについては、計画においては統合先の施設整備を併せて進めることを基本としています。しかし、施設整備には時間を要することから、小規模保育所の急激な児童数減少が今後も続くと見込まれる場合は、集団保育の確保や効率的な保育所運営を図るため、保護者等の理解を得ながら、前倒しでの統廃合を検討する必要もあると考えています。

再編整備計画の見直しについては、中期計画に沿って仮称・気仙沼児童センターや仮称・鹿折認定こども園・児童館の整備を進めているところですが、今後は保育ニーズの変化や地方創生「人口ビジョン」の各種推計などを踏まえるとともに、民間事業所との役割分担についても議論を深め、個別の整備計画の見直しも必要ではないかと考えています。

28年度から31年度の中期計画期間に位置付けている松岩、大島、面瀬の認定こども園については、昨年度から3地区で保護者との懇談会を行って説明しました。今後は具体的な計画の実施に向けた相談を重ねていきます。

具体的には、松岩地区は閉所予定の松岩保育所と牧沢きぼう保育所の今後の児童数の動向を踏まえ、牧沢きぼう保育所の認定こども園への移行時期を見定めていきます。

大島地区では、くぐなり保育所を崎浜保育所に統合して認定こども園化する方向性には一定の理解を得ています。しかし、後期計画期間に位置付けている中心部への移転整備を急ぐ要望も強いことから、その可能性も含めて検討しています。

面瀬地区は、施設の在り方、用地選定、民間施設との役割分担等の課題があり、あらためて地域の方々に相談しながら、早期の整備を図っていきます。

公立と私立の役割分担の話し合いの場については、これまで保育制度や施設整備に関して随時、情報交換等を行ってきましたが、現在、就学前児童の教育・保育施設整備の在り方について、民間の幼稚園、保育所、教育委員会、市の保健福祉部が具体的な協議をできる場を早急につくるよう検討しています。

 

今川 保育所再編を担当する子ども家庭課の職員体制から見直していかないと、認定こども園化の前倒しは困難です。専従職員を配置するくらいの思いきりがなければ、子育て環境はよくなりません。職員増員の考えはありませんか。

 

保健福祉部・吉川部長 指摘の通り業務量が多く、今後の整備計画推進、地方創生の少子化対策も抱えており、厳しい状況です。部内で連携を図りながら現在の課題にしっかり取り組みたいです。

 

今川 少子化対策は気仙沼の目玉政策です。プロジェクト1.90では、32年度まで合計特殊出生率を1.60まで上げる目標があります。まさしく保育所再編の真っ最中です。このままで1.60まで上がるとは思えません。保育所再編と認定こども園化によるプラスのイメージが持てていない問題もあります。来年度に開園する鹿折地区の認定こども園をモデルに、どんどん情報発信してほしいです。一つ目の成功事例をつくることが、次のこども園整備のスピードを上げることになります。

 

子ども家庭課・小野寺課長 地域の保護者には認可こども園の説明と懇談をしてきました。今後も継続して開催し、鹿折の認定こども園の運営方法の早期検討と公表、PRに努めていきます。

 

菅原市長 そういう仕掛けのために「プロジェクト1.90」を名乗りました。その政策の第一弾、第二弾として子育て世代の目にとまり、市外から見てもらうことを戦略的に行う必要があります。その意思が庁内に伝わっていないとすれば大変問題ですので、広報体制をとりたいです。

 

今川 認定こども園ができるまで小規模保育所は児童が1人でも残した方がいいのかもしれませんが、効率的な運営も必要です。小規模保育所1施設当たりの年間運営費はいくらですか。

 

小野寺課長 25年度の決算実績では1施設当たり平均約1700万円です。

 

今川 閉所して浮いた運営費用を認定こども園の早期整備に割り当てることを条件に、小規模保育所の統合を進められないでしょうか。特に面瀬地区の岩月保育所と前沢保育所は歩いて行き来できる位置にあり、認定こども園を前に統合できる可能性があります。少なくなったから統合するということだけでなく、統合によって面瀬地区の認定こども園を急ごうという話を保護者や地域としてほしいです。

 

小野寺課長 受け入れ先となる認定こども園を先に整備することが原則ですが、急激な児童減少を鑑みますと、前倒しでの統廃合の検討は必要だと考えています。

 

菅原市長 予算を組む視点の中で、何かが生み出されたからこれができるという視点は非常に大事です。起債が使えるからは問題で、収入と支出がリンクしながら使うことが大切です。そういう意味ではものすごくいい観点だと思いますが、そのためには市長として体感しないといけません。担当課からよく話をきいて見える形にし、ケーススタディとして結果を出したいと思います。

 

今川 面瀬地区の場合、私立との話が進まないと認定こども園の場所も決められない状況にあります。地区の実情にも考慮して、公私の話し合いを急いでください。

 

吉川部長 具体的な議論ができる仕組みを早くつくりたいです。

 

今川 最後に子ども家庭課への職員増員について市長の考えを伺います。

 

菅原市長 すべての部署から人員配置の要望があります。常日頃のリサーチが必要で、人事課をつくろうということもしています。子ども家庭課の状況は私も確認し、プロジェクト1.90が進む体制に意を払っていきます。

 

 

 

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