地盤は4年間で21㌢隆起【気仙沼】

東日本大震災によって沈降した地盤が、国土地理院のGPS観測で最大38センチ隆起したことが分かりました。65センチ沈降していた気仙沼でも、21センチ戻りました。

東日本を載せた北米プレート(地殻)が三陸沖で51メートル滑り、マグニチュード9の大地震、そして巨大津波を発生させました。そのプレートがゆっくりと戻っていることになります。

震災4年後の地殻変動(国土地理院) (2)

国土地理院(詳細ページ)によると、気仙沼市笹が陣(気仙沼小学校)にある観測点は、震災で65センチ沈降しました。しかし、1年後に6センチ、2年目に5センチ、3年目に6センチ、4年目に4センチ、計21センチ隆起しました。

南三陸町志津川はマイナス68センチからマイナス39センチへと29センチ、牡鹿ではマイナス107センチからマイナス69センチへと38センチも戻りました。一方、岩手県では震災後も沈降が続いた観測点もありました。

上下の変動だけでなく、水平方向での変動も観測されています。気仙沼では震災によって東南東に420センチ動きましたが、4年後には533センチまで増幅しました。地盤は隆起しているものの、水平方向の変動は続ているのです。

震災4年後の地殻変動(国土地理院) (1)

震災後に地盤が下がったことを「地盤沈下」と呼ぶ人もいますが、プレート全体の動きなので「地殻変動」が正しいそうです。

東京大学地震研究所が発行しているニュースレターには、「今後、地殻変動がどう推移するかはよく分からない」とあります。北米プレートは過去100年間の観測データでは沈降しているものの、地質学的データからは10万年間で隆起しているのです。観測データと地質学データが矛盾し、まだ謎は解明されていません。地震予知のためにも解明が期待されます。

この地殻変動は、漁港の復旧に影響を及ぼしています。船を係留したり、魚を水揚げしたりする岸壁は、沈降した分を元の高さに戻す復旧工事を行ったのですが、隆起分を考慮しないで復旧した場所が多く、「高すぎる岸壁」になってしまったのです。この問題は以前取り上げましたが、このまま隆起が続くと、改善工事が必要になることから、気仙沼市は水産庁と情報交換しています。

震災4年後の地殻変動(国土地理院) (3)

 

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