巨大施設でトマト栽培。サンフレッシュ小泉農園

気仙沼市本吉町の小泉地区に完成した「サンフレッシュ小泉農園」を見学してきました。津波被害を受けた農地を活用するため、気仙沼・本吉地方最大の鉄骨ハウスで、トマト栽培に取り組みます。

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■大規模施設園芸に挑戦

地区には20m近くの津波が襲来。当地方で有数だった水田地帯は海水の塩分によって耕作が難しくなり、農業機械も流されたことで、農業の継続が危ぶまれました。

震災ガレキの処理場を経て、農地は復旧されましたが、稲作では将来が展望できません。そこで、小泉地区の農業を存続させるため、稲作と並行して大規模な園芸施設に挑戦することになったのです。2014年春にプロジェクトが始動し、福島、松島を視察したり、栗原市のサングリアしわひめで研修したりしました。

■2万平方メートルのハウスで4万2千株栽培

鉄骨ハウスは100m×50mの2棟で、トマトの養液栽培を行います。津波被害を受けた土地で農業を再開するモデルとするため、土を使わない栽培方法にしました。住宅の断熱材にも使われるロックウールを培地に、約4万2000株を栽培します。夏場を除いた10月~7月の出荷を予定しています。

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効率的な栽培のためにさまざまな仕組みや機材を導入しました。夜間の安い電気を利用できるヒートポンプと石油による温風暖房機を組み合わせた「ハイブリッド暖房」、業界で初めて導入する植物生育診断装置(光合成の機能から生育異常を早期に発見する装置)、炭酸ガス発生機などです。ハウス床にはパイプレールを敷設し、台車や機械が往来できるようになっています。

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■地元から34人雇用

大玉トマト「桃太郎」を年間600㌧生産する計画です。生産高は年間1億円以上の見込みで、地元スタッフ34人の雇用につながっています。施設整備には東日本大震災農業生産対策交付金約9億円を活用しました。三菱商事復興支援座談も出資金を応援しています。

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小泉はサーフィンが人気のため、キャラクターは「波乗りトマトのとまたん」です。スタッフのユニフォームはアロハシャツです。10月下旬ごろの初出荷を予定しています。直売施設も検討しているようです。

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