防災集団移転の借地料【気仙沼市】

気仙沼市の防災集団移転促進事業によって、38地区に計966区画の団地を整備します。すでに18地区で土地の引き渡しが始まり、譲渡価格や借地料が示されています。借地料は市町村によって基準が異なります。

■借地料=固定資産税程度

防災集団移転は被災者の負担を軽減するため、借地を前提とした内容となっています。気仙沼市では、借地料を「固定資産税程度」としました。買い取りの場合、譲渡価格のほかに、固定資産税が毎年かかるので、固定資産税を払わない代わりに借地料を払う方がお得というわけです。

気仙沼市の固定資産税率は、課税標準額の1.4%です。宅地の評価は地価公示価格の7割を目途に設定され、さらに住宅用地の特例があるので、実際の売買価格よりとても低くなります。通常の場合、700万円で購入した土地なら、固定資産税は年1万~2万円程度になります。

■年1万~5万円程度

各団地の借地料は下表の通りです。1区画当たり100坪が標準ですので、そこそこの値段になっています。ちなみに、実際の造成費は1区画当たり3000万円近くかかっているのですが、借地料には反映されません。周辺の土地を参考にして決めています。都市計画税分は徴収しません。

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市によると、これまで引き渡した宅地の約8割が借地を希望しました。市と締結する52年間の定期借地権の更新はできませんが、再契約によって住み続けることができます。借地でスタートし、途中で買い取りに切り替えることもできます。

■2割は買い取り希望

約2割は最初からの買い取りを希望しました。土地を所有することによる財産形成が理由と考えられます。集団移転に参加すると、建物取得(最大457万円)だけでなく、土地の取得(最大265.7万円)にも利子補給が受けられます。譲渡価格は郊外で200万~600万円程度、市街地付近で600万~900万円程度です。

仙台市は借地料を長期間免除(震災の損失相当額分)する一方、陸前高田市は分譲価格の1.5%と気仙沼より高めに設定しました。陸前高田市の場合、10年後には3%、30年後には5%まで引き上げます。地方自治体にとって固定資産税は大切な税収で、それに代わる借地料の決め方は財政力に大きく左右されてしまいます。

※防災集団移転の土地引き渡し状況は下表の通りです。市は引き渡しから原則1年以内の住宅建設を求めています。

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