「最新情報が分かる」12月定例会の報告

遅ればせながら、12月5~22日まで開かれた気仙沼市議会12月定例会のまとめです。追加予算の使い道、議員になって3回目の一般質問の成果などを報告します。

定例会は2月、6月、9月、12月と年4回あり、12月は新年度予算編成へ向けた前哨戦の色合いがあります。議案そのものは条例改正などで市民の関心は低いと思いますので、質疑で分かったことからお伝えします。

『都市再生機構の事業調整費』

災害公営住宅の高層タイプは、整備を都市再生機構に委託し、建設工事は都市再生機構が建設会社に発注します。都市再生機構には事業調整費として建設費の5%、用地造成費の10%が気仙沼市から支払われます。問題は、建設費が高騰した場合の仕組みです。今回は鹿折地区の災害公営住宅が入札不調によって、77億円で見積もっていた建設費が89億円に増えました。増額の大きな原因は、資材の高騰でした。

都市再生機構の事業調整費は5%のままなので、当初予定していた3億8585万円が4億4715万円に増えました。資材高騰が原因で建設費を上げることは仕方ないにしても、一緒に事業調整費まで上がるのは問題です。これでは、建設費が高騰するほど都市再生機構の中間マージンが増えることになります。

建設常任委員会に参考人に呼ばれた都市再生機構は、この件に関して「5%は最低限の設定で、実はそれ以上に経費がかかっている」と説明。改善については、「被災3県が同じルールとなっており、今後の検討課題としたい」と発言しました。建設費増額は人件費が2年前より3割ほど高騰していることも原因として説明されましたが、ちゃんと賃上げにつながっているか疑問視する意見もありました。

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鹿折の災害公営住宅は入札不調によって28年3月に完成が遅れることになり、新たな契約では3ブロックに分けて工事を進めることにしました。第1ブロックは3棟110戸を28年7月5日まで、第2ブロックは4棟150戸を9月8日まで、第3ブロックは1棟24戸を12月7日まで完成させます。つまり、一番遅いブロックは完成が9カ月ほど遅延することになるのです。

『神山川を渡る下水道』

震災前に公共下水道が「気仙沼大川を渡る」とニュースになりましたが、震災後は神山川も渡ることになりました。神山川右岸(条南中学校の川向かい一帯)に防災集団移転団地ができることで、田中前から管渠を3348mも伸ばすことになったのです。集団移転の関連事業なので、復興交付金が活用できます。下水道は近くの高台に建設する新市立病院まで伸ばすことになります。

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問題は、下水道計画の改定が追い付かず、神山川右岸はまだ計画区域外になっていることです。計画区域内の田中前地区でも十分に下水道が行き届いていないのに、いきなり神山川方面へ管渠が伸びていくことになります。いくら復興交付金が使えるからといって、計画を無視した事業は問題です。

『災害公営住宅の管理費』

南郷地区の災害公営住宅が来年1月に入居開始となるため、宮城県住宅公社に委託する管理業務の費用が計上されました。今回は南郷の先工区75戸を3月末まで管理する分として467万円を予算化しました。このうち269万円を家賃と駐車場代で賄いますが、198万円は一般財源を使います。今後は一般財源を使わないようにするといいますが、初期費用などを除いても一戸当たり月2万円程度の管理費がかかる計算です。満室で家賃収入があるうちはいいのですが、空き室が増え、老朽化が進んだときの維持管理費が心配です。

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市は既存の市営住宅と災害公営住宅を一体的に管理していくための計画を策定していますが、管理費を計上しているというのに計画は完成していません。戸建てタイプを含めた全体の維持管理費が分からないまま、南郷の分だけ予算計上したことで、十分な議論ができませんでした。入居開始を遅らせるわけにはいかず、予算は認めましたが、今後示される管理計画を厳しくチェックしたいと思います。公社とは1月中旬に基本協定を締結するそうです。

『龍の松保存に2400万円』

岩井崎にある「龍の松」は、津波被害を受けた松が、まるで龍のような形で残り、しかも震災の翌年が「辰年」だったことで干支としても注目されました。この松が枯死し、放置しておくと樹皮がはがれたり、枝が落ちたりしてしまうので、地元観光協会の要望を受けて保存することになりました。

2400万円の予算は、陸前高田市の「奇跡の一本松」を参考に見積もったそうです。一部をレプリカにしたり、芯を入れたりすることなどで30年の耐用年数になると考えています。震災の記憶を後世に伝えることが目的です。今後、技術提案によって業者を決めていきますが、幹を加工すると抜根が必要になり、大規模な工事になるので、できるだけ現物を保存することを期待したいです。「一本松」は枝が高くて見えませんが、近くで見るとレプリカは相当な違和感があるということも注意しなければなりません。

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なお、保存事業の財源は、被災地への寄付金が100%充てられます。松のためという目的寄付ではなく、何にでも使える寄付なので有効利用しなければなりません。予算は2400万円確保しましたが、節約をお願いしたいです。

震災後の寄付総額は8億9185万円で、これまで2億1734万円を使用しています。水産関係者の北欧視察、「海の市」復旧補助、内湾の臨時駐車場整備、被災集会所の再建などに充てていますが、もっと子供たちのためにも活用したいです。菅原市長は「寄付の活用はスピードも求められる。『またぜ残っていたの』と思われないように、今のスピードでいいのか真剣に考えたい」と答弁しました。

『36ホールのパークゴルフ整備を模索』

今回の補正予算には、南気仙沼地区のグラウンドゾーンに多目的広場を整備する事業費が盛り込まれました。調査設計はこれからなので、どんな広場になるかは未定です。その質疑の中で、菅原市長がパークゴルフについて「復興事業の中で36ホールつくれないか検討するように指示している」と答弁しました。パークゴルフは地元の愛好家が多く、36ホールあれば認定大会が誘致でき、海辺のコースなら市外からの利用も期待できると見て、思い入れは強いようです。今定例会とは関係ありませんが、民間の屋内プール施設を再建する動きもあるようです。

補正予算による主な事業

『一般質問の成果』

今回の一般質問は、前回に続けてJR気仙沼線の鉄路復旧を取り上げたほか、防潮堤と小・中学校再編の問題で質疑を交わしました。以下に詳細を掲載しますが、簡単に紹介すると、いまさらですが、気仙沼線は来年に確実な進展が図られるように積極的に行動することを確認しました。防潮堤は市の関わり方を再確認するとともに、説明内容を充実させることを約束してもらいました。ワークショップ形式、模型も検討するそうなので、地域からどんどん要望して下さい。小・中学校は計画の見直しスケジュールを確認した上で。防潮堤と同じように丁寧な説明を求めました。

《質疑の概要》

9月の一般質問で取り上げたJR気仙沼線の鉄路復旧問題の続き

今川 JR気仙沼線の鉄路復旧について、市長は「ボールは国の方にある」「もう少し、やっと動き出しそう」と答弁した。気仙沼線復興調整会議の参加メンバー格上げ、作業部会設置などの可能性にも言及したが、その後の市の対応を示せ。

 

菅原市長 鉄路復旧は竹下復興大臣、小野寺五典衆議院議員などと意見交換し、首長級会議の開催などを提案してきた。また、復興調整会議の事務局を担う東北運輸局へも同様の提案をしてきたが、「会議を招集する新たな材料がない」として開催が見送られている状況が続き、その後の進展は見られない。

衆院選挙が終わり、新内閣が組まれることから、年明けには宮城県東部沿岸5市町の中央要望が予定されている。閣僚が被災地を訪問することも想定される。JR線の取り扱いで、復興まちづくりに支障を来している地域もあり、機会をとらえて要望を続け、来年には確実な進展が図られるよう、積極的に行動していく。

 

今川 地元の畠山県議が12月8日、県議会一般質問で気仙沼線の問題を取り上げた。復興調整会議の首長級格上げについて、県は「気仙沼市の考えを伺い、沿線市町とも協議した上で必要な対応を検討する」と答弁した。この答弁から、県に対して働き掛けをしなかったように捉えられるのではないか。JRの動きがなく、ルート移設箇所でも調査している姿が見られない。国の財政支援が決まるまで、JRは動かないのか。東北運輸局は「会議を開く材料がない」、JRは「財政支援がないと動かない」、気仙沼市は「会議の開催を働き掛けている」という三つ巴の状況では、何も進展しないのではないか。

 

市長 市の考え方は県に伝えているが、サポートはこれから。JRの方が来るたびに話しているが、動いていても言えないということがあるかもしれず、慎重な対応となっている。

 

防潮堤計画と説明責任

今川 気仙沼市が管理する漁港で、レベル1津波に対応した防潮堤整備が計画されています。防潮堤の高さ、構造、位置、費用対効果をはじめ、防潮堤整備による港の利便性への影響、メリットとデメリット、守るべきものについて、計画決定前に市内部で評価・検証がどのようなメンバーと方針で行われているのか伺います。

次に、防潮堤の計画内容について、時間の経過とともにルールが変化し、道路と防潮堤を合わせた兼用堤、大幅なセットバック、制約が多い治山施設から建設海岸への所管替え、堤防高を決めたユニット海岸の分割化、海底地形を詳細に調査した上での津波シミュレーション実施が認められるようになりました。ルールはどのように緩和され、地域の意向が反映されているのか、代替案を示したケースを含めてお示しください。

防潮堤の説明会に行くと、資料が平面図だけで、理解が難しいと不満を漏らす市民に何度も会いました。その説明会の在り方について、住民が判断できる情報を十分に盛り込んだ説明資料と説明内容のほか、必要に応じてワークショップ形式の場を用意するなど意見を出しやすい工夫が求められているのではないでしょうか。最近はイメージ図を加えるなどの工夫が見られますが、地域間で格差が見られます。これまでの説明資料、説明方法は十分であったか、市の説明責任に対する考えと今後の対応を伺います。

また、国と宮城県が管理する気仙沼市内の防潮堤計画について、計画策定と合意形成に市としてどのように関わり、どのような成果を上げてきたのかを伺います。

 

菅原市長 市の管理漁港は、国・県が示した基本方針に沿った形で進めることにしている。各地域での説明会の前には、私をリーダーとし、副市長、関係部課長とともに地域の被災状況や地理的条件、守るべきものなどを念頭に置いた整備の考え方を整理している。

防潮堤計画は、港湾・漁港の利便性、磯根資源の保護、砂浜・海水浴場の再生、景観などに配慮しながら、位置や形状、背後地の高さなどを工夫し、必要な箇所に原形、またはレベル1の高さで計画している。基本的なルールは変えていない。

地元の意向を反映した調整としては、鮪立をユニット海岸から独立させたこと、田中浜では海岸に近い場所を原形高とし、奥側の築堤でレベル1を確保したこと、魚町内湾にフラップゲートを採用したこと、一部で道路との兼用堤を検討していることなどがあり、これらは当初は考えられていなかった手法である。いずれも、どこでも採用できるものではなく、レベル1の高さを守ったうえでのことだ。

説明会の在り方と説明責任についてだが、市の働き掛けにより、24年7月に海岸管理者が一堂に会して各地で開催した市民説明会で基本的な考え方を説明した。その後、各地区で開催している説明会では、防潮堤整備の考え方や効果について、平面図や断面図を使用しながら説明してきた。

しかし、住民にとって初めて聞く用語や見慣れない資料もあり、説明が不十分であったことから、人によって、また、地区によって理解に差が見られたことも事実だ。次の説明会ではイメージ図などの資料を配布するなど、地域ごとに工夫して説明に努めてきた。市として丁寧な住民合意形成に心がけ、事業を推進していく。例えば、モンタージュや模型の活用を進めるなど、より丁寧な説明に努める。なお、ワークショップ方式を合意形成過程の一部に取り入れ、ルールを守った上でのさまざまな工夫について、住民の意見がより出やすい環境をつくることも検討していく。

国と宮城県が管理する市内の防潮堤計画への市の関わりについては、例えば港町の無堤化、魚町のフラップゲート、小田の浜の原形復旧、田中浜の原形・レベル1併設、鮪立のユニットからの独立、お伊勢浜や大谷海岸の引き堤、中島海岸のワーキンググループ設置などは、住民要望の有無の段階に関わらず、市から海岸管理者に提案し、協議を重ねたものである。

また、宮城県の海岸保全計画の改定においては、これから行われるパブリックコメントなどの前に、本市における数々の経験を反映させるため、県の当初案に対し、多くの点で修正を行ってもらった。

 

今川 説明会の参加者が少なく、市から示された一つの案だけで合意した地域がある一方で、複数案を出して決めた地域もある。説明会を比べると、もっと丁寧な説明や議論が必要と思う。それを地域に求めるのではなく、市内部でしっかりチェックする仕組みが必要だ。せめて、レベル1津波の浸水域は示してから「合意形成した」と判断すべきだと思う。

 

村上水産基盤整備課長 今後も工夫して説明したい。合意を得て詳細設計に入った地域でも、そうした提案をしていきたい。

菅原市長 レベル1津波の浸水想定はないが、そういう観点での説明が理解に資することになるかもしれないので検討する。

今川 県の説明会では、レベル1防潮堤の高さより低い地域を図示している。その中で、守るべきものがあるかないかを判断できるのではないか。

完成後のイメージも問題だ。住民の多くは防潮堤のすぐ下は海だと思っているが、図面をよく見ると、コンクリートのブロックになっている。そのコンクリートは満潮でもなかなか浸水しない高さだ。防潮堤の位置が海出しになったところでは、防潮堤工事のときに波が入ってこないように仮の防潮堤を造るところが多い。野々下海岸では、仮の防潮堤が不要になったあと、中に入っていた石を現地でならしてしまった。実は、この工法がスタンダードなのだという。市長は磯根資源を守るというが、防潮堤だけの工事なら10m程度の埋め立てで済むのに、仮設防潮堤のために40mも50mも埋め立てることになる。それを漁協側も把握できていなかった。漁協側と意見交換する場を設けてほしい。

広瀬産業部参事 防潮堤の下の被覆ブロックは、干潮時にまるっきり出ていることになる。そのことも説明していきたい。磯根資源のことだが、たしかに護岸工事をする場合、仮設道路や仮設締め切りをすることがある。しかし、用が終われば、元に戻すことが環境の保全につながる。工事の際は十分注意しながら、漁協とも調整して進める。

今川 海を埋め立てて仮設の防潮堤を造るのは建設海岸に多く、気仙沼土木事務所の管轄だ。その土木事務所が仮設防潮堤の石を撤去するのは難しいと言っている。市の方でしっかり協議してほしい。心配なのは磯根資源への影響であるが、専門家によると石が安定し、表面がザラザラしていれば資源回復が早まるという。専門家の意見も聞いてほしい。

広瀬参事 工事が終わって元に戻すのがいいが、石を入れてよりよくなるなら漁協とも相談する。

大江副市長 私が参加した説明会では、磯根資源の回復にそうした石を利用できるのではないかという提案もあった。場所によってニーズが異なるので、場所場所の意見聞きながら進めたい。

今川 防潮堤を造れば簡単に撤去できないので、市の評価はとても大切だ。

ルールは変わっていないというが、フラップゲートやセットパックなどで私はだいぶ変わったと思う。肝心なのは、ルールが変わり、選択肢が増えたことを住民が知っているかどうか。ユニット海岸の考え方の変更によって、神止浜、鶴ヶ浦で高さ変更の検討に入っているが、ルール変更を他の地域に適用できるかどうかチェックしなければならないのではないか。

菅原市長 ユニット海岸の独立化は神止浜と鶴ヶ浦で検討しているが、それ以外ではないと認識している。独立できたとしても、災害危険区域の変更などがあり、最後は選択になる。選択の幅も含めて提示することが我々の役目だと思う。

この浜で良かったことを、もっとこっちから言ってあげればいいということだと思いますが、基本的にはその考え方で設計している。しかし、予算的な問題はあり、フラップゲートをどこでも造れるわけではない。しかしながら、なかなか納得しきれない高い堤防を造っていくので、双方にとって説得する価値があるものには挑戦していきたいと思う。

 

今川 説明会の在り方だが、先日の魚市場背後地の防潮堤説明会では県が模型を用意した。分かりやすく、模型を囲みながらの意見交換もワークショップのようだった。説明資料は県と市で異なり、図面1枚だけというケースもあった。図面だけでなく、質問を受けそうなことは書き込んでほしい。模型を使いそうな場所はあるか。

木村建設部次長 岩井崎の地先海岸で県が模型を作成してきた例もある。防潮堤工事のための仮設防潮堤については、なるべく漁協の意見を聞きながら対策を考えたい。先日の大谷海岸はパワーポイントによる説明だったが、なるべく分かりやすいように工夫した。

今川 説明会前に市が説明を聞くという積極的な姿勢は評価したいが、合意が残された場所は課題が多い。浦の浜、大谷海岸、日門、二十一浜などが考えられる。市として、未同意の場所で積極的な関わらなければならないと思っている場所を示してほしい。

菅原市長 現在残っているところはほとんどそういうところ。ただ、市が関与したら何かアイデアが出るということではない。いまのところは、時間が無制限ではないので、しっかり関与していきたい。国、県の説明を事前に受けて、これは説明しない方がいいと言っても、まずは1回説明させてくれということもある。大谷の海水浴場も最初からで前出しはあり得ないのだと、我々から見たら分かることだが、1回は説明させてくれということになった。全部が住民にとって分かりやすい形に持っていけているわけではないが、そのときに予想される反発は知らせて、準備はしてもらっている。結果は出ているので、我々の持っている経験をフルに生かしていきたい。

今川 市長は24年10月の防潮堤を勉強する会との意見交換で、「合意形成には双方の考え方を尊重しながら何らかの成果を得ようとする姿勢が大切だ」と答えている。ぜひ、住民側の意見も生かしてほしい。

 

次に、小・中学校再編計画の見直しについて伺います。

今川 25年6月に策定した気仙沼市義務教育環境整備計画は、27年度から29年度を期間とした第二段階以降の小・中学校再編について、教育委員会が各地域の人口などを確認して「27年度に見直す」としていましたが、そのスケジュール、組織体制、見直しのポイントを伺います。

「27年度に見直す」と決めていても、再編の対象校として名前を挙げられた学校の関係者は、とても不安な思いを抱いています。しかし、第二段階以降の小・中学校再編については、緊急性を重視した第一段階と異なり、複式学級解消などを目指しています。このことから、再編対象校の保護者と地域の双方から同意が得られない限り、「統廃合は実施できない」と受け止めていいかどうか伺います。

また、小・中学校再編の計画が策定された後、26年4月に児童福祉施設等再編整備計画が策定され、保育所の再編方針などを示しました。子供の数が減少する中、保育所や児童館と小・中学校はできるだけ近くで連携していくことが大切と考えますが、小・中学校の再編計画と、保育所や児童館の再編計画、復興まちづくりの整合性、地域への影響を含めた総合的な政策はどのように検討されているのか伺います。

 

菅原市長 小・中学校、保育所、児童館の再編計画と復興まちづくりの整合性、総合的な政策については、義務教育環境整備計画、児童福祉施設等再編整備計画ともに計画策定段階から、関係機関、保護者や地域の代表などの参画を得て、庁内関係部署が連携して総合的に検討を進めてきた。計画に基づく施設の再編整備に当たっては、議員の指摘の通り、関連する公共施設や地域との連携、道路整備など、復興まちづくりの方向性を踏まえた整備が大切だと考える。

例えば、計画を進めている気仙沼図書館と仮称・気仙沼児童センターの複合施設については、機能の集約による相乗効果を図るとともに、小・中学校をはじめとする近隣施設との連携を期して建設する。

今後の各計画の実施に当たっては、用地の問題をはじめ様々な制約が考えられるが、集積による連携効果、利用者の利便性、復興まちづくりの視点など、総合的に検討したいと考えている。

 

白幡教育長 小・中学校再編計画の見直しスケジュールは、地域懇談会を一通り実施し、その後、必要に応じて再度行うことも考えられることから、年度末を想定している。検討の組織構成は、これまでと同様に教育委員会が主になるが、必要に応じて庁内関係課職員の参画を要請していく。見直しは各地域の人口、児童生徒の居所動向並びに今後の見通しなどを確認して行う。具体的には、出生数と児童生徒数の変化、地域コミュニティーの変化、復興状況の三つの視点で確認・検討する。

再編の進め方は、これまでの統合は地域懇談会で誠心誠意説明をし、保護者や地域から意見を聞きながら進めてきた。そのことが計画通りの実施につながっているものと関係各位にあらためて感謝したい。27年度は第2段階に入るとともに、計画を見直す時期にもなっている。計画の見直しについては、前倒しの必要性も視野に入れて進めていく。今後も地域懇談会を実施するが、保護者や地域からの意見も尊重しつつ、計画の重要性を説明し、理解と協力が得られるように真摯に進める。

 

今川 年度末とはいつのことか。

白幡教育長 27年度末のこと。

今川 29年4月までに統合する計画となっているが、統合の準備には意思決定をして、最低1年が必要になる。27年度末(28年3月)に見直してからでは準備期間が足りないのではないか。

小松教育次長 27年度末に見直し計画を進めるにしても、並行して懇談会を進めて理解を得ていく。また、第3段階目が30年度から控えている。子供の数の急激な変化によって、33年度までにはとりあえず設定している。これもその手前に持ってこなければならないという可能性もあるので、地域の懇談会を重ねながら合意形成を図っていきたい。

今川 勘違いしているかもしれないが、合意形成を得てから見直すという答弁なのか。今までは計画を策定してから理解を得ていくという流れだった。

小松次長 来年すぐに統合するということになると大きな問題になる。計画の内容を説明しながら、理解を得ながら進めたい。

今川 見直しは教育委員会で行うのか、検討委員会を再度設置して進めるのか。

白幡教育長 すでに答申を受けている計画に基づいて進めている。答申の中で第3段階まで見通しを持って提言を受けているので、教育委員会が中心になる。

今川 教育委員会が責任を持って見直すということだが、検討委員会では緊急性のある第1段階には十分話し合ったが、第2段階、第3段階については「27年度見直し」の文言を入れたことで、深く検討しなかったイメージがある。教育委員会だけで進めることに心配がある。検討委員会の委員長らに進め方を確認してほしい。

白幡教育長 答申を受けて進めているので、答申が不十分だったという形で見直すことは難しいと考えている。教育問題解決のために長期的な視野に立った上での周到な議論の中で、第3段階まで及んでいると理解している。ただ、27年度以降の問題については、震災の直後であって、その後の子供たちの住んでいる動向、コミュニティーがどうなっているかを踏まえて統合を進めるべきだということで、27年度の見直しということにした。見直しの基準についても突っ込んで議論されていることを理解してほしい。

今川 今回、防潮堤と学校再編を一緒に取り上げたのは、同じように説明や合意形成が難しいからだ。学校ごと、地域ごとの説明も大事だが、将来的に誰が学校に通うかは分からないので、全市的な意見も聞かないといけない。市全体の考え方を持って進めてほしい。

南三陸町の小・中学校再編を見てきたが、地域と保護者の合意がなければ統合は進められない。特に保護者の合意がなければ統合を進めないというメッセージを発することが、統合ありきではないという姿勢を示し、保護者に安心を与えることになる。そうしないと地域、保護者との信頼関係を築けない。なぜ、地域、保護者双方の合意がなければ統廃合はできないと答弁できないのか。

白幡教育長 これまで各学校区で統合問題について説明し、いろいろ意見をもらってきたが、実は教育委員会の願いも保護者の願いも本当は一致している。要するに、子供たちのために、地域のためにということで、知恵を絞っているので、必ず同じところに収束するはずだという確信を持って話してきた。従って、そのことは今川議員が主張することとほぼ同一だと思っている。

今川 そうは言ってもなかなか一致しないのは、教育だけでなく、地域づくりの問題もあるからだ。教育委員会と思いが一致しただけでは前に進めないということは、説明会で実感していると思う。特に水梨と月立は、結論ありきの説明のため、保護者の理解を得られないのではないか。検討委員会が議論を積み重ねて出した結論だけを伝えるのではなく、もっと丁寧に説明すべきだ。これからの説明会の在り方はどう考えているのか。

白幡教育長 答申に基づいて教育委員会が説明しているので、ときには決まったものとして説明しているように聞こえることもあると思う。しかし、「なんで教育委員会が具体的な案を持ってこないのだ」という指摘もある。地域の問題を踏まえながら、いろいろ共有して話を進めたいと思っている。

今川 保護者の視点で見ると、いまの進め方では時間をかけても平行線になる。存続する方法がないのかという意見もある。そうした意見に一つ一つ答えていかないと、前に進めない。それは防潮堤問題と同じ。高さを変えられないかという話もあったが、ルールを決めて議論しないといけない。そのためには、説明会で出た意見に対する回答を文書にまとめて、その学校だけでなく、広く提供していく姿勢が必要だ。

小松次長 たしかに懇談会でインフラ整備の質問も出る。懇談会でも「次に準備して参ります」と答えている。地域によってできること、できないこと、分かりやすい資料を作って次の懇談会を開きたい。

今川 それでは市長に伺う。再編は計画に基づいて進めようとしているが、地域は教育の問題だけでない。子供の数が減り、小さくなった学校からなくしていけば、地域のマイナス要因になる。ここは、市長が地域の振興策を説明しなければならない。教育委員会だけに説明を任せるだけではなく、市長部局からも説明会に参加して地域の意見を聞き、地域の振興策を一緒に考えていく姿勢がほしい。

菅原市長 市長部局から説明すべきことがあるということはその通り。それはすべてバラ色の振興策だけになるとは限らない。市全体の地域のキャラクターの生かし方という観点になるのかもしれない。プラスもマイナスも出るかもわからない。また、現実を直視しなければいけないのかもしれない。そういうことが教育委員会の方で話しにくかったり、責任を持った話ができないというケースもあると思うので、市長部局から参加していくことに関しては教育委員会と打合せする。というのは、統合後の校舎や校庭の使い方に関して、ちょっと時間がかかりすぎていると感じているからだ。最初から頭を突っ込んでいった方が、より皆さんの声が聞こえるのではないかと思っている。

今川 市長は防災集団移転の考え方として、あえてコンパクトシティを目指さず、集落ごとのコミュニティーを守ると言っている。その考え方と小中学校の統廃合の考え方は矛盾しないか。27年度の見直しには、市長が考える「気仙沼らしさ」という視点も加えてほしい。

菅原市長 地域と子供の教育を天秤にかけるのは良くないと思う。そのバランスが著しく崩れていると教育委員会や検討委員会は考え、著しさを取り除くことが今回の計画。理想論から言えば、もっと統廃合しなければならない。その中で、旧村からの成り立ちを含めて検討して出したのが今回の結論ということなので、私は大筋について正しいと思っている。

今川 教育と分けて考えればそういうことになるが、説明会で生の声を聴くと、住民はそこまで分けて考えられないと感じる。結果的にどうなるか分からないが、まちづくりの視点がなく、いつまでも教育問題だけで話をすると、どっちかが根負けするまで続くことになる。

防潮堤もそうだった。防潮堤だけ考えると進まないが、背後のまちづくりや地域の振興策を示したことで前に進んだ。その経験をもとに、学校の統合問題も総体的な視野を持ってほしい。第3段階の統合でも維持する「ブロック」という考え方も、教育委員会がまじめにそのまま進めると、地域のブロックがその通りになってしまう。総合計画の見直しでも、そのブロックという単位が重要になるのではないか。まちづくりをどう考えるのか。

菅原市長 そんなに気仙沼市は広くない。線は引くが、ものすごく重視して何にでも適用するということにはならない。広域でやるべきこともあれば、学校統廃合の単位でやること、もっと小さい集落でやることもある。そこを深く切り込んでいくということは避けた方がいいと思う。

今川 長い目で見れば、学校のそばに家を建てて住みたいということになり、人は動いていく。PTA活動が地域のまちづくりの一歩にもなっており、学校の単位をもう少し心配してほしい。統廃合を計画通り進めることが、まちづくりにどう影響するかということをもっと考えてほしい。

菅原市長 コンパクトシティを目指さなかったことで、コストがかかる。何もかにも元々のパイでやることに縛られると、元のパイも残らないくらい地方財政というのは厳しい。全体のバランスを考えていくことが市の責任だと考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 Comments

  1. 街場の学校を一掃するぐらいの抜本的見直しを期待していたのですが教育長答弁によれば25年答申を踏襲することを再考し必要があれば前倒しする、それ以上のことはしないということなのですね。その後の出生数(これは確定値)や新たな推計値から考えると25年答申を踏襲・前倒しするだけでは街場に小規模校ばかりが林立することになりかねません。コミュニティを分断しないような配慮は必要でしょうが、ブロックの分断はあっても良いように思います。人数規模を平均化させつつ通学距離のバランスを取ることを優先すべきだと思うのですが25年答申はそのようなベクトルではありませんでしたもんね。今回の教育長答弁でさらにがっかりしています。
    議員の質問で「学校が残存することは新築家屋を呼び込む要素」はそうでしょうが「PTA活動が地域のまちづくりの一歩」というのは飛躍が大きいような…まちづくり協議会に出席させられているPTA会長が一般PTA会員や先生方との乖離を感じている(私です)学校の教育活動には地域から支援を受けたい面はあるけれど個々の教員や保護者は地域の動きとは一線を引きたいようなんです。コミュニティに学校があってもそうなのにコミュニティから学校が無くなってはますます子育て世代が心身もろとも離れていくという危惧感があるのはわかりますが学校やPTAが青壮年層をコミュニティに関わらせるツールではなくなってしまっているということも学校統廃合やコミュニティ再生・維持を考える際の前提条件にすべきではないかと思います。ご参考まで。

    Reply
    1. 今川 悟 (Post author)

      教育長は結局のところ市長の部下なので、勝手な発言はできないので仕方ないかもしれません。いろいろな考えはあるにしても、「学校再編は気仙沼の将来を左右する問題だ」と、市長に認識してほしかったです。小さな学校から統廃合していく先に、どんな影響が出てくるのか、教育の視点だけでは分かりません。
      PTA活動が地域参加への入り口という考えは、まだ新しい面瀬地区だけの発想かもしれません。PTAというより、子供が育つにつれて地域との関わりが増えていくのだと思います。
      見直しが「27年度末」ということなので、再度、議会で質問しようと考えています。まずは浦島と落合の事例調査を始めます。

      Reply

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